lpar_netboot コマンド

目的

区画のネットワーク・アダプターからメディア・アクセス制御 (MAC) アドレスおよび物理ロケーション・コードを取得するか、区画にネットワークを開始するよう指示します。

構文

MAC アドレスおよび物理ロケーション・コードを取得する場合:

lpar_netboot -M -n [ -v ] [ -x ] [ -f ] [ -i ] [ -E environment [ -E ... ]] [ -A ] -t ent [ -T { on | off }] [ -D -s Speed -d Duplex -S Server -G Gateway -C Client [ -K subnetmask ] [ -V vlan_tag ] [ -Y vlan_priority ]] partition_name partition_profile managed_system

ネットワーク・ブートを実行する場合:

lpar_netboot [ -v ] [ -x ] [ -f ] [ -i ] [ -E environment [ -E ... ]] [ -g args ] [{ -A -D | [ -D ] -l physical_location_code | [ -D ] -m MAC-address }] -t ent [ -T { on | off }] -s Speed -d Duplex -S Server -G Gateway -C Client [ -K subnetmask ] [ -V vlan_tag ] [ -Y vlan_priority ] [[ -a -B tftp_image_filename ] -B bootp_image_filename ] partition_name partition_profile managed_system

フル・システム区画をサポートするシステム上で MAC アドレスおよび物理ロケーション・コードを取得する場合:

lpar_netboot -M -n [ -v ] [ -x ] [ -f ] [ -i ] [ -E environment [ -E ... ]] [ -A ] -t ent [ -T { on | off }] [ -D -s Speed -d Duplex -S Server -G Gateway -C Client [ -K subnetmask ] [ -V vlan_tag ] [ -Y vlan_priority ]] managed_system managed_system

フル・システム区画をサポートするシステム上でネットワーク・ブートを実行する場合:

lpar_netboot [ -v ] [ -x ] [ -f ] [ -i ] [ -E environment [ -E ... ]] [ -g args ] [{ -A -D | [ -D ] -l physical_location_code | [ -D ] -m MAC-address }] -t ent [ -T { on | off }] -s Speed -d Duplex -S Server -G Gateway -C Client [ -K subnetmask ] [ -V vlan_tag ] [ -Y vlan_priority ] [[ -a -B tftp_image_filename ] -B bootp_image_filename ] managed_system managed_system

説明

lpar_netboot コマンドは、ロジカル区画に指示してネットワーク・ブートを行うようにします。これを行うには、-S フラグで指定されたサーバーに対して bootp 要求を出させます。このサーバーは、SPOT リソースにサービスを提供する NIM サーバーであっても、ネットワーク・ブート・イメージを提供する別のサーバーであっても構いません。

-M フラグおよび -n フラグを指定すると、lpar_netboot コマンドは、-t フラグで指定した特定タイプのネットワーク・アダプターのメディア・アクセス制御 (MAC) アドレスと物理ロケーション・コードを返します。-m フラグを指定した場合は、lpar_netboot は、指定された MAC アドレスと一致する特定のネットワーク・アダプターを使用して区画をブートします。-l フラグを指定した場合は、lpar_netboot は、指定された物理ロケーション・コードと一致するネットワーク・アダプターの特定の物理ロケーション・コードを使用して区画をブートします。MAC アドレスまたは物理ロケーション・コードが一致するかは、区画がブートされたプロファイル内でのハードウェア・リソース割り振りによって決まります。lpar_netboot コマンドでは、区画名、区画プロファイル (割り振られたハードウェア・リソースを含む)、および区画が定義された管理対象システムの名前の各引数も必要です。

フラグ

項目 説明
-A -t フラグで指定された特定のタイプのすべてのアダプターを返します。
-a サーバー、クライアント、およびゲートウェイが IPv6 アドレスであるときのネットワーク IP アドレスを指定します。
-B Image_filename ネットワーク・ブート・イメージのファイル名を指定します。-B フラグは、IPv6 アドレスの必須フラグです。
-C Client ネットワークを開始する区画の IP アドレスを指定します。
-D -S フラグで指定されたサーバーを正常に ping することができるアダプターを識別して使用するための ping テストを実行します。
-d Duplex -C フラグで指定された区画の二重設定を指定します。-d フラグの有効な値は、fullhalf、および auto です。
-E 環境変数の設定を指定します。以下のコマンドは、同じ出力を返します。
-E LPAR_NETBOOT_DEBUG=1
export LPAR_NETBOOT_DEBUG=1
-f 区画の仮想端末セッションを強制的にクローズします。
-G Gateway -C フラグで指定された区画のゲートウェイ IP アドレスを指定します。
-g args 区画の開始用の汎用引数を指定します。ファームウェア・ブート・コマンドでの追加引数は、-g フラグを使用して指定できます。-g フラグは、プリブート実行環境 (PXE) の開始用に追加されます。-g 引数の例を以下に示します。
-g autoyast=
nfs://9.184.115.219//
csminstall/csm/SLES10/09B873DC 
dhcptimeout=150
install=nfs://9.184.115.219//
csminstall/Linux/SLES/10/ppc64/GA/CD1
-i 区画の即時シャットダウンを強制実行します。 このオプションを指定しないと、遅延シャットダウンが実行されます。
-K subnetmask 経路指定用の適切なサブネットワークを判別する際にゲートウェイが使用するマスクを指定します。サブネット・マスクは、IP アドレス内と同様に 4 バイトのセットです。 サブネット・マスクは、ネットワークおよびサブネットワーク・アドレスのビット位置に対応する高ビット (1s) と、ホスト・アドレスのビット位置に対応する低ビット (0s) で構成されています。
-l phys_loc ネットワーク・ブートに使用するネットワーク・アダプターの物理ロケーション・コードを指定します。
-M ネットワーク・アダプターの MAC アドレスおよび物理ロケーション・コードを表示します。
-m maddress ネットワーク・ブートに使用するネットワーク・アダプターの MAC アドレスを指定します。
-n ネットワーク・ブートを行わないように区画に指示します。
-S Server ネットワーク・ブート時にネットワーク・ブート・イメージの取得元となる区画の IP アドレスを指定します。
-s Speed -C フラグで指定された区画の速度設定を指定します。
-T ファームウェア・スパンニング・ツリーの表示を使用可能または使用不可にします。-d フラグの有効な値は、on および off です。
-t ent MAC アドレスまたは物理ロケーション・コード・ディスカバリーの表示用、あるいはネットワーク・ブート用のアダプターのタイプを指定します。-t フラグ用に有効な唯一の値は、イーサネットを表す ent です。
-V vlan_tag 仮想ネットワーク通信用のネットワーク・インストール時に、イーサネット・フレームのタグ付け用に VLAN タグ ID を指定します。-V フラグの有効な値は、0 から 4094 です。
-v コマンド実行中の追加情報を表示します。
-x コマンド実行中のデバッグ出力を表示します。
-Y vlan_priority 仮想ネットワーク通信用のネットワーク・インストール時に、イーサネット・フレームのタグ付け用に VLAN タグ優先順位を指定します。-Y フラグの有効な値は、0 から 7 です。

パラメーター

項目 説明
partition_name 区画の名前を指定します。
partition_profile 使用する区画プロファイルの名前を指定します。
managed_system 区画が定義される管理対象システムの名前を指定します。

環境変数

項目 説明
INSTALLIOS_DEBUG installios コマンドで指定した場合は、lpar_netboot デバッグ出力を表示します。
LPAR_NETBOOT_DEBUG lpar_netboot デバッグ出力を表示します。したがって、-x フラグと似ています。
LPAR_NETBOOT_DEBUG_BOOT -s フラグと一緒に指定すると、ファームウェア・ブート・コマンドを開始します。
LPAR_NETBOOT_ADD_TIMEOUT 次の例で示すように、タイムアウト値を 5 秒だけ延長します。
LPAR_NETBOOT_ADD_TIMEOUT=5
LPAR_NETBOOT_SUB_TIMEOUT 次の例で示すように、タイムアウト値を 8 秒だけ短縮します。
LPAR_NETBOOT_SUB_TIMEOUT=8
LPAR_NETBOOT_SPANNING_TREE ファームウェア・スパンニング・ツリーの表示を使用可能または使用不可にします。-d フラグの有効な値は、on および off です。 したがって、-T フラグと似ています。
OPEN_DEV_DEBUG OPEN_DEV_DEBUG 変数の値が yes に設定されている場合、ファームウェア open_dev デバッグ出力を表示します。
FIRMWARE_DUMP FIRMWARE_DUMP 変数の値が yes に設定されている場合、ファームウェア・デバッグ用のファームウェア・ダンプを表示します。

終了状況

項目 説明
0 正常終了

セキュリティー

アクセス制御: lpar_netboot コマンドを実行するには、ユーザーは root 権限を持っていなければなりません。

  1. 管理対象システム test_sys 上の区画プロファイル machA_prof を用いて区画 machA の MAC アドレスおよび物理ロケーション・コードを取得するには、次のコマンドを入力します。
          lpar_netboot -M -n -t ent "machA" "machA_prof" "test_sys"
  2. 管理対象システム test_sys 上の区画プロファイル machA_prof を用いて区画 machA のネットワーク・ブートを行うには、次のコマンドを入力します。
          lpar_netboot -t ent -s auto -d auto -S 9.3.6.49 -G 9.3.6.1 -C 9.3.6.234
                        "machA" "machA_prof" "test_sys"
  3. 管理対象システム test_sys 上の特定の MAC アドレス 00:09:6b:dd:02:e8 および区画プロファイル machA_prof を用いて区画 machA のネットワーク・ブートを行うには、次のコマンドを入力します。
          lpar_netboot -t ent -m 00096bdd02e8 -s auto -d auto -S 9.3.6.49 -G 9.3.6.1
                        -C 9.3.6.234 "machA" "machA_prof" "test_sys"
  4. 管理対象システム test_sys 上の特定の物理ロケーション・コード U1234.121.A123456-P1-T6 および区画プロファイル machA_prof を用いて区画 machA のネットワーク・ブートを行うには、次のコマンドを入力します。
          lpar_netboot -t ent -l U1234.121.A123456-P1-T6 -s auto -d auto -S 9.3.6.49
                        -G 9.3.6.1 -C 9.3.6.234 "machA" "machA_prof" "test_sys"
  5. 管理対象システム test_sys 上の区画プロファイル machA_prof を用いて、ping テストおよび区画 machA のネットワーク・ブートを行うには、次のコマンドを入力します。
          lpar_netboot -t ent -D -s auto -d auto -S 9.3.6.49 -G 9.3.6.1 -C 9.3.6.234
                        "machA" "machA_prof" "test_sys"
  6. 管理対象システム test_sys 上の区画プロファイル machA_prof を用いて、ping テストおよび区画 machA のネットワーク・ブートを実行し、ファームウェア・スパンニング・ツリー・ディスカバリーを使用不可にするには、次のコマンドを入力します。
          lpar_netboot -t ent -T off -D -s auto -d auto -S 9.3.6.49 -G 9.3.6.1
                        -C 9.3.6.234 "machA" "machA_prof" "test_sys"

Location

/opt/ibm/sysmgt/dsm/dsmbin/lpar_netboot