last コマンド

目的

以前のログインに関する情報を表示します。

構文

last [ -X ] [ -f FileName ] [ -t Time ] [ -n Number | -Number ] [ Name ... ] [ Terminal ... ]

説明

last コマンドは、まだ /var/adm/wtmp ファイル内に記録されている以前のすべてのログインとログオフを、最新のものから順に表示します。 /var/adm/wtmp ファイルはログインとログアウトの記録を、これらのイベントが起こるたびに集め、毎日の報告処理の一部として acctcon1 コマンドと acctcon2 コマンドで処理されるまで、その記録を保持します。 時間デーモンが時刻を記録し、システム時刻を変更すると、疑似ユーザー "date" の下の wtmp にエントリーをログ記録します。 "date |" で始まるエントリーは変更の前にログ記録されたものであり、"date {" で始まるエントリーは変更後にログ記録されたものです。 これにより、時間変更にまたがるログインのアカウンティングが正確に行えます。

リストには次のような制限を指定できます。

  • -Number パラメーターまたは -n フラグのいずれかによって指定された行数。
  • Name パラメーターによって指定されたユーザーによるログインまたはログオフ。
  • Terminal パラメーターによって指定された端末からのログインまたはログオフ。
  • 端末は完全な名前を指定することも、tty として短縮することもできます。 例えば、tty0 端末または 0 端末のどちらも指定できます。

    注: Name パラメーターと Terminal パラメーターの両方を指定すると、last コマンドは、そのどちらかの基準に合うログイン/ログオフをすべて表示します。

各プロセスに対し、last コマンドは次の項目を表示します。

  • セッション開始の時間
  • 持続時間
  • 使用端末 (tty)

適用可能であれば、次の情報が含まれます。

  • リブートによる終了
  • 継続中のセッション

last コマンドが中断されると、/var/adm/wtmp ファイル内の検索がどこまで進んだかが示されます。 quit シグナルによって割り込まれると、このコマンドは検索がどこまで進んだかを示してから検索を続けます。 quit シグナルは次のいずれかとなります。

#define SIGQUIT 3 /* (*) quit, 
generated from terminal special char */
   
#define SIGKILL 9 /* kill (cannot be caught or ignored) */
   
#define SIGTERM 15 /* software termination signal */

kill コマンドは、オプションを指定しないで起動されると、デフォルトの SIGTERM シグナルを送信します。 SIGQUIT シグナルを送信したい場合は、次のように入力します。

kill -3 (Process ID)

フラグ

項目 説明
-fFileName ログインとログオフを読み取るための代替ファイルを指定します。
-n リストに表示する行数を指定します。
-t Time 指定された Time 値時にログインしているユーザーを表示します。Time 変数は、 10 進数形式 [[CC]YY]MMDDhhmm[.SS] で指定します。各項目の意味は次のとおりです。
CC
年数の最初の 2 桁を指定します。
YY
年数の最後の 2 桁を指定します。
MM
月を指定します (01 から 12)。
DD
日付を指定します (01 から 31)。
hh
時刻を指定します (00 から 23)。
mm
分を指定します (00 から 59)。
SS
秒を指定します (00 から 59)。
-X 最初の 8 文字に切り捨てることをせずに、各ユーザー名の使用可能なすべての文字を印刷します。

  1. ユーザー root によって行われた、 または console 端末から行われた、記録されたすべてのログインとログオフを表示するには、 次のように入力します。
    last root console
  2. システムのリブートとリブートの間の時間を表示するには、次のように入力します。
    
    last reboot
    システムが再び始動するときに、reboot 疑似ユーザーがログインします。
  3. 4 月 15 日の午前 10:30 にログイン中のすべてのユーザーを表示するには、次のように入力します。
    last -t 04151030
  4. リストの 10 行を表示するには、次のように入力します。
    last -n 10
  5. ユーザー名を切り捨てずに、記録されたすべてのログインおよびログオフを表示するには、 次のように入力します。
    last -X

ファイル

項目 説明
/usr/bin/last last コマンドへのパスを指定します。
/var/adm/wtmp ログイン、ログオフ、シャットダウンの記録などの接続時間アカウンティング・データが入っています。