j2edlimit コマンド

目的

JFS2 ファイルシステムのクォータ Limits Class を管理します。

構文

クォータ Limits Class を編集するには、以下のコマンドを使用します。

j2edlimit [ -e ] [ -u | -g ] Filesystem

クォータ Limits Class をリストするには、以下のコマンドを使用します。

j2edlimit -l [ -u | -g ] Filesystem

既存の Limits Class をデフォルトの Limits Class として設定するには、以下のコマンドを使用します。

j2edlimit -d LimitsClassID [ -u | -g ] Filesystem

ユーザーまたはグループを Limits Class に割り当てるには、以下のコマンドを使用します。

j2edlimit -a LimitsClassID [ -u UserName | -g GroupName ] Filesystem

説明

JFS2 ファイルシステム内のクォータは、Limits Class を使用して管理されます。 各 Limits Class にはディスク・スペースとファイルに関するハードな制限とソフトな制限があり、 さらに、ソフト制限を超えた場合の猶予期間があります。 個々のユーザーおよびグループは Limits Class に割り当てることができ、その場合、 そのクラスで定義されているクォータに従います。 クラスに割り当てられなかったユーザーまたはグループは、 デフォルト・クラス (Class ID 0) によって定義されているクォータに従います。 ある特定のクラス内のすべてのユーザーまたはグループのクォータの限界は j2edlimit を使用して Limits Class を変更することによって変更できます。 この場合、各ユーザーまたはグループのクォータを変更したり複写したりする必要はありません。 デフォルトでは、または、-e フラグと一緒に使用するときには、j2edlimit コマンドは、 コマンド・ラインで指定したファイルシステムのユーザーの Limits Class を編集します。 -g フラグと一緒に使用すると、j2edlimit コマンドは、 指定したファイルシステムのグループの Limits Class を編集します。 このコマンドは、ファイルシステムの現在の限界クラスが入る一時ファイルを作成し、 次に、限界クラスを追加したり変更できるようにするために、 一時ファイルに対して vi エディター (あるいは、EDITOR 環境変数によって指定されたエディター) を起動します。 エディターを終了すると、コマンドは一時ファイルを読み取り、 バイナリー・クォータ・ファイルを変更して変更内容を反映します。
注: EDITOR 環境変数内でエディターを指定する場合は、 エディターの名を使用する必要があります。
一時ファイル内では、以下のフィールドが表示されます。
「Block Hard Limit (ブロック・ハード制限)」
ユーザーまたはグループが使用することを許可される 1KB ブロックの合計量。 これには、クォータ猶予期間中の一時ストレージが含まれます。
「Block Soft Limit (ブロック・ソフト制限)」
正常操作時にユーザーまたはグループが使用することを許可される 1KB ブロックの数。
「File Hard Limit (ファイルのハード制限)」
ユーザーまたはグループが作成することを許可されるファイルの総数。 これには、クォータ猶予期間中に作成される一時ファイルが含まれます。
「File Soft Limit (ファイルのソフト制限)」
正常操作時にユーザーまたはグループが作成することを許可されるファイルの数。
「Block Grace Period (ブロックの猶予期間)」
ハード制限として強制される前に、ユーザーが、ブロックのソフト制限を超えていられる時間の量。
「File Grace Period (ファイルの猶予期間)」
ハード制限として強制される前に、ユーザーが、ファイルのソフト制限を超えていられる時間の量。
注:
  1. 値が 1 のハード制限は、割り振りが許可されないことを示します。 値が 1 のソフト制限は、値が 0 のハード制限と一緒に使用されると、 一時的原則でのみ割り振りが許可されることを示します。 ハード制限またはソフト制限は、キロバイト (デフォルト)、メガバイト、またはギガバイト単位で指定できます。
  2. ユーザーは、対応する猶予期間の間、設定されたソフト制限を超えることができます。 猶予期間が満了すると、ソフト制限はハード制限として強制されます。 猶予期間は、日 (01 から 31)、時間 (00 から 23)、分 (00 から 59)、または秒 (00 から 59) で指定できます。値 0 は、デフォルトの猶予期間が使用されることを示します。 1 秒という値は、猶予期間が認可されないことを示します。
  3. j2edlimit コマンドを使用して猶予期間を変更した場合、 古い猶予期間に既に達しているユーザーは、新しい猶予期間を使用するには、 ファイルシステムの使用量をソフト制限よりも低いレベルに減らす必要があります。 将来、これらのユーザーがそれぞれのソフト制限を超えると、新しい猶予期間が有効になります。

フラグ

項目 説明
-a -u フラグまたは -g フラグで指定されたユーザーまたはグループを、 コマンド・ラインで指定されたファイルシステム内の、指示されている Limits Class に割り当てます。
-d 指示されている Limits Class を、 コマンド・ラインで指定されたファイルシステムのデフォルトとして設定します。 デフォルトでは、あるいは -u フラグを使用すると、デフォルトはユーザー・クォータとして設定されます。 -g フラグを使用すると、 デフォルトはグループ・クォータとして設定されます。
-e コマンド・ラインで指定されたファイルシステムの Limits Class を編集します。 (これは、j2edlimit コマンドのデフォルトの操作です。) デフォルトでは、あるいは -u フラグを使用すると、デフォルトはユーザー・クォータとして設定されます。 -g フラグを使用すると、 デフォルトはグループ・クォータとして設定されます。
-g -d-l、またはオプションの -e フラグと一緒に使用すると、コマンド・ラインで指定されたファイルシステムの Group Limits Class に対して操作を実行します。-a フラグと一緒に使用すると、関連したグループを、 指定された Limits Class に割り当てます。
注: パラメーターにすべての数が入っている場合、 このパラメーターはグループ ID として処理され、このグループ ID が Limits Class に割り当てられます。
-l コマンド・ラインで指定されたファイルシステムの Limits Class をリストします。 デフォルトでは、あるいは -u フラグを使用すると、User Limits Class がリストされます。 -g フラグを使用すると、Group Limits Class がリストされます。 リスト表示のフォーマットは、Limits Class を編集するときの一時ファイルにあるものと同じフォーマットです。
-u -d-l、またはオプションの -e フラグと一緒に使用すると、 コマンド・ラインで指定されたファイルシステムの User Limits Class に対して操作を実行します。 -a フラグと一緒に使用すると、関連したユーザーを、 指定された Limits Class に割り当てます。
注: パラメーターにすべての数が入っている場合、 このパラメーターはユーザー ID として処理され、このユーザー ID が Limits Class に割り当てられます。

セキュリティー

アクセス制御: root ユーザーのみがこのコマンドを実行できます。

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX ユーザーへの注意: このコマンドは特権命令を実行できます。 特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権についての詳細情報は、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。 このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

  1. /home ファイルシステムの User Limits Class を編集するには、次のように入力します。
    j2edlimit /home
  2. /home ファイルシステムの Group Limits Class をリストするには、次のように入力します。
    j2edlimit -l -g /home
  3. User Limits Class ID 2 を /foo ファイルシステムのデフォルトとして設定するには、 次のように入力します。
     j2edlimit -d2 /foo
  4. ユーザーの markg を、/home ファイルシステム内の Limits Class ID 1 に割り当てるには、次のように入力します。
     j2edlimit -a 1 -u markg /home

ファイル

項目 説明
quota.user ユーザー用の使用量および限界の情報が入っています。
quota.group グループ用の使用量および限界の情報が入っています。
/etc/filesystems ファイルシステム名およびロケーションが入っています。