AIX バイナリー互換性

AIX® バイナリー互換性により、 AIX の以前のリリースまたはテクノロジー・レベルで作成されたアプリケーションは、 AIXの新しいリリースまたはテクノロジー・レベルで再コンパイルせずに、変更なしで実行することができます。 例えば、 AIX 5L 上で作成されたアプリケーションは、 AIX バージョン 7.1以降で実行できます。

古いバージョンのオペレーティング・システムで作成されたアプリケーションを新しいレベルのオペレーティング・システムで実行できる機能は後方互換性と呼ばれます。 どのプラットフォームにおいても、バイナリー互換性を実現するには、アプリケーションで移植可能プログラミング技法のみが使用されていなければなりません。

ここでは、 AIXの特定のバージョンで作成されたアプリケーションのアプリケーション・バイナリー互換性について説明します。
AIX 5L および AIX バージョン 6.1 からのアプリケーション
32 ビットおよび 64 ビットのアプリケーションは、ポータブル・プログラミング手法を使用する場合、再コンパイルせずに AIX バージョン 7.2以降で実行できます。
AIX バージョン 4 の 32 ビット・アプリケーション
これらのアプリケーションは、ポータブル・プログラミング手法を使用する場合、再コンパイルなしで AIX バージョン 7.2以降で実行できます。
AIX バージョン 4 の 64 ビット・アプリケーション
AIX バージョン 4 でコンパイルされた 64 ビット・アプリケーションは、 AIX 5LAIX バージョン 6.1AIX バージョン 7.1、または AIX バージョン 7.2以降とのバイナリー互換性がありません。 これらのバージョンの AIX は、 AIX バージョン 4 で作成された 64 ビット・アプリケーションとソース互換性があります。 AIX バージョン 4 の 64 ビット・アプリケーションを AIXの新しいバージョンと互換性を持たせるには、 AIX 5LAIX バージョン 6.1AIX バージョン 7.1、または AIX バージョン 7.2を実行しているシステム上でアプリケーションを再コンパイルする必要があります。
AIX バージョン 3 の 32 ビット・アプリケーション
これらのアプリケーションは、ポータブル・プログラミング手法を使用する場合、再コンパイルなしで AIX バージョン 7.2以降で実行できます。

AIX バージョン 7.2以降を使用するシステムは、旧バージョンの AIXを実行しているクライアント・マシンのサーバーとして作動する場合があります。 このようなケースでそのサーバーが動作するのは、必要な互換性オプションがインストールされている場合のみです。 バイナリー互換性に関するすべての条件は、このシナリオに適用されます。

注: 新しいバージョンの AIX オペレーティング・システムにマイグレーションした後にアプリケーションが正しく実行されない場合は、問題管理レポート (PMR) を開くことができます。 PMR をオープンする場合は、件名に「AIX Binary Compatibility」の記載を入れてください。