inurest コマンド
目的
installp コマンドとシェル・スクリプトの簡単なアーカイブ操作と復元操作を行います。 このコマンドは、installp コマンドおよびインストール・スクリプトにより使用されます。
構文
inurest [ -d Device ] [ -q ] ListFile ProductName
説明
inurest コマンドは、ListFile パラメーターで指定されたファイルに登録されているすべてのファイルを復元またはアーカイブします。
ファイルをアーカイブ保存するには、アーカイブ制御ファイル /usr/lpp/ProductName/lpp.acf が必要です。 このファイルには次の形式のエントリーが含まれています。
ComponentFile LibraryFile.a.
アーカイブ制御ファイルが存在している場合、inurest コマンドは ListFile で指定されたファイルの各ファイル名と /usr/lpp/ProductName/lpp.acf に登録されているコンポーネント・ファイルとを比較します。 一致するものを見つけると、inurest コマンドはそのファイル名をアーカイブ・ファイルのリストに追加します。 次に、復元されたファイルを対応するコピーにアーカイブ保存するために、このリストが使用されます。アーカイブが終了すると、そのコピーがオリジナルのファイルに置き換わります。
ListFile パラメーターには、あるプロダクトの復元する必要のあるファイルの相対パス名を 1 行に 1 つずつ含んでいるファイルの絶対パス名を指定します。
ProductName パラメーターには、復元するソフトウェア・プロダクトを指定します。
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-d Device | 入力デバイスを指定します。デフォルト・デバイスは、/dev/rfd0 デバイスです。 |
-q | 抑制モードを指定します。restore コマンドからのプロンプトを抑制します。 |
環境変数
項目 | 説明 |
---|---|
INUEXPAND | 復元を実行する上で必要ならファイルシステムを拡張する場合 (つまり -X フラグが渡された場合)、 installp コマンドによってこのフラグが 1 に設定されます。 ファイルシステムを拡張しない場合は、0 に設定されます。 この環境変数が設定されていない場合、デフォルトではファイルシステムは拡張されません。 |
INULIBDIR | これは、ソフトウェア・プロダクトのインストール専用のファイルがあるディレクトリーです。 INULIBDIR が設定されていないと、/usr/lpp/ProductName ディレクトリーが使用されます。 |
INUTEMPDIR | このコマンドの実行中に必要となる一時スペースとして使用するディレクトリー。この環境変数が設定されていない場合、/tmp ディレクトリーが使用されます。 |
エラー・コード
項目 | 説明 |
---|---|
INUBADRC | ファイルの更新バージョンを、正常に復元できませんでした。 |
INUBADMN | 有効でないフラグが指定されました。 |
INUCHDIR | ディレクトリーを変更できません。 |
INUGOOD | エラー条件は発生していません。 |
INUNOAP2 | 適用リストにアクセスできませんでした。 |
INUNORP2 | アーカイブ・ファイル内の構成要素ファイルを正常に置換できませんでした。 |
INUTOOFW | 1 つ以上のパラメーターが指定されていません。 |
INUTOOMN | 指定したパラメーターの数が多すぎます。 |
セキュリティー
特権制御: このコマンドを実行できるのは、root ユーザーだけです。
例
ac ファイル内に登録されているすべての snaserv プログラム用のファイルを復元するには、次のように入力します。
inurest /usr/lpp/snaserv/ac snaserv
ファイル
項目 | 説明 |
---|---|
$INULIBDIR/lpp.acf | アーカイブ制御ファイル。 |