install コマンド
目的
コマンドをインストールします。
構文
/usr/bin/install [- c DirectoryA] [ - f DirectoryB] [- i] [- m] [- M Mode] [- O Owner] [ - G Group] [- S] [- n DirectoryC] [- o] [- s] File [Directory ... ]
説明
install コマンドは、指定したファイルをファイルシステム内の特定の場所にインストールします。 このコマンドは、makefile 内で最も多く使用されます。install コマンドは、ファイルを置き換えるときに、各ファイルを該当するディレクトリーにコピー (または移動) します。 これにより、cp コマンドおよび mv コマンドの動作に基づいて、元のオーナーおよび許可を保存します。 また、宛先をオーナーの bin およびグループの bin に変更しようとします。 -O Owner フラグおよび -G Group フラグを使用すると、別のオーナーまたはグループを指定できます。 install コマンドは、置換または作成されるファイルと、そのファイルの宛先を示すメッセージを正確に出力します。
-O または -G フラグを使用して、インストールされたファイルの所有権を指定する場合には、スーパーユーザーである必要があります。
Directory パラメーターを指定しないと、install コマンドは一連のデフォルトのディレクトリー内で (/usr/bin、/etc、 および /usr/lib の順に) File パラメーターと同じ名前のファイルを検索します。 このコマンドは、一致するファイルを初めて検出すると、これを File パラメーターによって上書きし、実行内容を表示するメッセージを出します。 一致するファイルが検出されなかった場合は、install コマンドはそのことを知らせるメッセージを表示し、それ以上は何も実行しません。 File パラメーターが現行ディレクトリーに存在しない場合は、install コマンドはエラー・メッセージを表示し、ゼロ以外の値を戻して終了します。
ディレクトリーをコマンド・ラインで指定すると、install コマンドは、デフォルトのディレクトリーを検索する前に指定されたディレクトリーを検索します。
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-c DirectoryA | 新しいコマンド・ファイルが DirectoryA という変数に存在しない場合に限り、そのコマンド・ファイルをその場所にインストールします。 その場所に既に File のコピーがある場合は、メッセージを発行し、ファイルを上書きしないで終了します。 このフラグは、単独で使用することも、 -s、-M、 -O、-G、-S の各フラグと共に使用することもできます。 |
-f DirectoryB | File が既に存在しているかどうかにかかわらず、File を DirectoryB に強制的にインストールします。 インストールするファイルがまだ存在しない場合は、このコマンドは新しいファイルの許可コードとオーナーをそれぞれ 755 と bin に設定します。 このフラグは、単独で使用することも、-o、-s、-M、-O、-G、 または -S の各フラグと共に使用することもできます。 |
-G Group | 宛先ファイルに対して異なるグループを指定します。デフォルト・グループは、bin です。 |
-i | デフォルトのディレクトリーのリストを無視し、コマンド・ラインに指定されたディレクトリーだけを検索します。 このフラグを -c、-f、-m の各フラグと共に使用することはできません。 |
-m | File パラメーターをコピーしないでディレクトリーに移動します。 このフラグを -c、-f、-i、-n の各フラグと共に使用することはできません。 |
-M Mode | 宛先ファイルのモードを指定します。 |
-n DirectoryC | 検索済みディレクトリー内に File パラメーターがない場合、DirectoryC 変数にそのパラメーターをインストールし、 ファイルの許可およびオーナーをそれぞれ 755 および bin に設定します。 このフラグを -c、-f、-m の各フラグと共に使用することはできません。 |
-o | File パラメーターの古いコピーを同じディレクトリー内の OLDFile というファイルにコピーすることにより保管します。 このフラグを -c フラグと共に使用することはできません。 |
-O Owner | 宛先ファイルに対して異なるオーナーを指定します。デフォルトのオーナーは bin です。 |
-s | エラー・メッセージ以外は何も表示しないようにします。 |
-S | インストール後にバイナリー・ファイルを削除します。 |
例
- デフォルトのディレクトリーの 1 つに既に存在しているコマンドを置き換えるには、次のように入力します。
これにより、/usr/bin、/etc、/usr/lib のいずれかのディレクトリーに fixit ファイルが検出されると、 このファイルは置き換えられます。検出されない場合は、fixit ファイルはインストールされません。 例えば、/usr/bin/fixit というファイルが存在する場合は、このファイルは現行ディレクトリーにある fixit ファイルに置き換えられます。install fixit
- 指定したディレクトリーかデフォルトのディレクトリーに既に存在しているコマンドを置き換えて、その古いバージョンを保存するには、次のように入力します。install -o fixit /etc /usr/gamesこれにより、fixit ファイルが /etc ディレクトリーまたは /usr/games ディレクトリー、 あるいはデフォルトのディレクトリーのいずれかで検出された場合は、このファイルは置き換えられます。検出されない場合は、fixit ファイルはインストールされません。 このファイルが置き換えられると、古くなったバージョンはファイル名が OLDfixit に変更されて、検出元のディレクトリーに保存されます。
- 指定したディレクトリー内に既に存在しているコマンドを置き換えるには、次のように入力します。install -i fixit /home/jim/bin /home/joan/bin /usr/gamesこのコマンドにより、fixit ファイルが /home/jim/bin、/home/joan/bin、 /usr/games のいずれかのディレクトリーで検出された場合は、このファイルが置き換えられます。検出されない場合は、ファイルはインストールされません。
- デフォルトのディレクトリーで検出されたコマンドを置き換えるか、または検出されない場合に指定したディレクトリーにこのコマンドをインストールするには、次のように入力します。install -n /usr/bin fixitこのコマンドにより、fixit ファイルがデフォルトのディレクトリーのいずれかで検出された場合、このファイルは置き換えられます。 検出されない場合、このファイルは /usr/bin/fixit としてインストールされます。
- 新しいコマンドをインストールするには、次のように入力します。install -c /usr/bin fixitこれにより、fixit ファイルのコピーが /usr/bin/fixit としてインストールされ、新しいコマンドが作成されます。 ただし、このファイルがまだ存在していない場合に限られます。
- あるコマンドが既に存在しているかどうかに関係なく、指定したディレクトリーにそのコマンドをインストールするには、次のように入力します。 fixit ファイルは、それが既に存在するかどうかにかかわらず、/usr/bin/fixit として強制的にインストールされます。 古いバージョンは、それが存在する場合は、/usr/bin/OLDfixit (-o フラグの実行結果) に移動することにより保存されます。 新しいコマンドのインストール先を通知するメッセージは、表示されません (-s フラグの実行結果)。
互換性
Berkeley Software Distribution (BSD) との互換性を保つために、2 つの install コマンドが用意されています。installbsd コマンドを参照してください。
ファイル
項目 | 説明 |
---|---|
/usr/bin/install | install コマンドが入っています。 |