haemqvar コマンド
目的
リソース変数を照会します。
構文
haemqvar [ -H domain | -S domain ] [ -c | -d | -i ] [ -f file ] [ -h ] [ class var rsrcID [ " ] ]
説明
haemqvar コマンドはイベント管理サブシステムにリソース変数についての情報を照会します。 デフォルトでは、コマンドは現行 SP ドメイン (すなわち SP_NAME 環境変数で定義された現行 SP システム区画) 内の すべてのリソース変数の定義を標準出力に書き込みます。 SP_NAME が設定されていなければ、デフォルトのシステム区画が使用されます。 -S フラグを使用して別の SP ドメイン (システム区画) を指定できます。 HACMP ドメイン内の変数を照会するには、-H フラグを使用します。 SP ドメインの場合、ドメイン・フラグ引数はシステム区画名です。 HACMP ドメインの場合、ドメイン・フラグ引数は HACMP クラスター名です。 -H フラグが指定されていれば、コマンドは HACMP/ES クラスター内のノードの 1 つで実行する必要があります。
- 変数名
- 値の型
- データ型
- SBS フォーマット (データ型が SBS (構造化バイト・ストリング) の場合)
- 初期値
- クラス
- ロケーター
- 変数説明
- リソース ID とその説明
- デフォルト式 (定義されている場合) とその説明
このコマンドのデフォルトの動作では大量の出力を生成する可能性があるため、 標準出力をファイルにリダイレクトしてください。
-d フラグが指定されていれば、リソース変数名と簡略説明が 1 行に 1 変数名と説明という形で標準出力に書き込まれます。
-c フラグが指定されていれば、 すべてのリソース変数インスタンスの現在値が 1 行に 1 変数という形で標準出力に書き込まれます。 出力行には、リソース変数インスタンスの位置 (ノード番号)、リソース変数名、インスタンスのリソース ID、 およびリソース変数インスタンス値が入ります。 リソース変数が SBS (構造化バイト・ストリング) データ型であれば、各 SBS フィールドの値が報告されます。
-i フラグは、 変数インスタンス値が現在値ではなく最後に認識された値であることを除いて、-c フラグと同じ情報を報告します。 -i フラグによって、存在するリソース変数インスタンスを判別できます。
-c フラグと -i フラグのどちらも、リソース変数インスタンスの情報を取得している間にエラーが発生すると、 出力行には、エラー・メッセージ、シンボリック・エラー・コード、エラーの発生場所 (判別できた場合)、リソース変数名、 およびリソース ID が入ります。
特定のリソース変数についての情報を取得する場合は、class、var、および rsrcID オペランドを指定します。 これらのオペランドは複数回 (繰り返して) 使用できるため、複数のリソース変数を指定できます。 さらに var と rsrcID オペランドはワイルドカードによる指定が許されます。 これにより多数のリソース変数に一致させることができます。 null 文字列のオペランドまたはアスタリスクは引用符で囲まなければならないことに注意してください。
- 変数名を null 文字列として指定する
- 名前をあるコンポーネントの後ろで切り捨てる
リソース変数名が 1 番目のようにワイルドカード指定されると、 class および rsrcID 引数でさらに限定された上で、すべてのリソース変数が照会の対象となります。 リソース変数名が 2 番目のようにワイルドカード指定されると、 class および rsrcID 引数でさらに限定された上で、 高位の (左端の) コンポーネントが var 引数と一致するすべてのリソース変数が照会の対象となります。
class および var 引数に指定された変数の中で rsrcID 引数と一致するすべてのリソース変数 インスタンス (-c または -i フラグのどちらも指定されていない場合はリソース変数の定義) が照会の対象となります。
-c または -i フラグのどちらも指定されていない場合、rsrcID 引数はリソース ID エレメント名をセミコロンで区切ったリストです。 -c または -i フラグが指定されている場合、rsrcID 引数は名前と値のペアをセミコロンで区切ったリストです。 名前と値のペアは、リソース ID のエレメント名、続いて等号、その後ろにリソース ID エレメント値で構成します。 エレメント値は単一の値、値の範囲、コンマで区切った単一の値のリスト、またはコンマで区切った範囲のリストで指定します。 範囲は a-b の形式で、リソース ID の整数型のエレメントのみ指定できます (型の情報は変数定義から取得できます)。 リソース ID にブランクを入れることはできません。
リソース ID のエレメントはエレメントの値をアスタリスクにしてワイルドカードによる指定ができます。 そのエレメントが含まれるように定義された変数のみ、また、rsrcID 引数に指定されたエレメントのみ照会の対象となります。 リソース ID のエレメントに、名前と値のペア (または定義の照会であれば名前のみ) ではなく、アスタリスクが入っている場合、 少なくとも残りの指定されたエレメントが含まれるように定義されたすべての変数が照会の対象となります。 リソース ID がアスタリスクのみで構成されていれば、リソース ID 全体がワイルドカード指定されたことになります。 class および var 引数でさらに限定された上で、すべてのリソース変数のすべてのインスタンスが照会の対象となります。
rsrcID 引数は、中にセミコロンまたはアスタリスクがある場合は全体を引用符で囲む必要があることに注意してください。
class、var、および rsrcID オペランドはコマンド引数として指定する代わりに、1 行に 1 セットのオペランドの形式で ファイルに入れることもできます。 -f フラグを使用してコマンドに渡すファイル名を指定します。 -f フラグが使用されると、コマンドに指定されたオペランドはすべて無視されます。 ファイル内で、null 文字列は 2 つの隣接する二重引用符で指定します。 全体がワイルドカード指定されたリソース ID は、 単独のアスタリスク (*) または二重引用符で囲まれたアスタリスク ("*") です。 引数は各行でブランク・スペースまたはタブで区切る必要があります。
- この例では 1 つのインスタンスのみ一致します。
NodeNum=5;VG=rootvg;LV=hd4
- この例では、それぞれのノードから 1 つのインスタンスが一致します。
NodeNum=*;VG=rootvg;LV=hd4
- この例では、NodeNum、VG、LV が含まれるように定義されたリソース ID のリソース変数のすべてのインスタンスが一致します。
NodeNum=*;VG=*;LV=*
- この例では、リソース ID にエレメント NodeNum のみ含まれるように定義されたすべての変数が一致します。一致するインスタンスはノード 9 に関連付けられているものです。
NodeNum=9
- この例では、前の例と同じ変数のセットが一致しますが、各変数のすべてのインスタンスが一致します。
NodeNum=*
- この例では、リソース ID がエレメント NodeNum と VG を含むように定義されたすべての変数と、
ゼロまたは 1 個以上の他のエレメントも一致します。一致するインスタンスはノード 9 に関連付けられているものです。
NodeNum=9;VG=*;*
- この例では、リソース ID にエレメント NodeNum を含むように定義されたすべての変数と、
ゼロまたは 1 個以上の他のエレメントも一致します。変数のすべてインスタンスが一致します。
NodeNum=*;*
class、var、または rsrcID 引数の指定でエラーがあれば、 出力行にはエラー・メッセージ、シンボリック・エラー・コードと指定されたクラス名、リソース変数名、 およびリソース ID が含まれます。
フラグ
- -H domain
- domain で指定された HACMP ドメイン内でリソース変数を照会します。
- -S domain
- domain で指定された SP ドメイン内でリソース変数を照会します。
- -c
- リソース変数の現行値を照会します。
- -d
- リソース変数定義を照会し、簡略形式の出力を生成します。
- -i
- リソース変数のインスタンスを照会します。
- -f file
- file に指定されたリソース変数を照会します。
- -h
- 使用方法に関する記述を表示します。
パラメーター
- class
- リソース変数クラスの名前または null 文字列を指定します。
- var
- リソース変数の名前または null 文字列を指定します。
- rsrcID
- リソース ID またはアスタリスクを指定します。
セキュリティー
このコマンドを実行するには、root 権限と SDR への書き込み権限が必要です。
コントロール・ワークステーション上で実行する必要があります。このコマンドを実行する前に、SP_NAME 環境変数を適切なシステム区画名に設定しておく必要があります。
終了状況
- 0
- コマンドが正常終了したことを示します。
- 1
- エラーが発生したことを示します。これと一緒に、エラーの原因を示す 1 つ以上のエラー・メッセージが出力されます。
制限
このコマンドは PSSP 環境のみで有効です。
標準出力
コマンドが正常終了すると、次の通知メッセージが書き込まれます。
Reading Event Management data for partition syspar_name
CDB=new_EMCDB_file_name Version=EMCDB_version_string
標準エラー
このコマンドは、エラー・メッセージを (必要に応じて) 標準エラーに書き込みます。
例
- 現行クラスター内のすべてのリソース変数の定義を取得し、出力をファイルに書き込むには、次のように入力します。
haemqvar -H HAcluster > vardefs.out
- クラスター名が HAcluster の HACMP クラスター内にあり、
リソース ID に VG というエレメントが含まれているすべてのリソース変数の簡略形式のリストを取得するには、
次のように入力します。
haemqvar -H HAcluster -d "" "" "VG;*"
- リソース ID に VG と NodeNum というエレメントのみ含まれているリソース変数を取得するには、
次のように入力します。
haemqvar -H HAcluster -d "" "" "VG;NodeNum"
場所
- /opt/rsct/bin/haemqvar
- haemqvar コマンドの場所
ファイル
- /opt/rsct/install/config/haemloadlist
- イベント管理サブシステムのデフォルトの構成データが入っています。
実装上の固有な条件
このコマンドは、Reliable Scalable Cluster Technology (RSCT) ファイルセットの一部です。