ha.vsd コマンド
目的
リカバリー可能仮想共用ディスク・サブシステムの rvsd デーモンのアクティビティーを照会および管理します。
構文
- ha.vsd
- {adapter_recovery [on | off] | debug [off] | mksrc | query | quorum n | qsrc | refresh [noquorum] | reset | reset_quorum | rmsrc | start | stop | trace [off]}
説明
このコマンドを使用して、リカバリー可能仮想共用ディスク・サブシステムの情報の表示、クォーラムに必要なノードの数の変更、 およびサブシステムの状況の変更を行います。
フラグ
- -a
- すべての仮想共用ディスクを指定します。
- -v vsd_name_list
- コンマで区切られた、1 つ以上の仮想共用ディスク名を指定します。
- -n node_list
- コンマで区切られた、1 つ以上のノード番号を指定します。
パラメーター
- adapter_recovery [on | off]
- 通信アダプター・リカバリーを使用可能または使用不可にします。デフォルトは
on です。
このオペランドを有効にするためには、リカバリー可能仮想共用ディスク・サブシステムを再始動する必要があります。
- debug [off]
- debug を指定して、リカバリー可能仮想共用ディスク・サブシステムの
標準出力および標準エラーをコンソールに転送し、リカバリー可能仮想共用
ディスク・サブシステムがエラーで終了する場合は、再作成されないようにします。(現行の
コンソールを判別するためには lscons コマンドを使用できます。)
このオペランドを 有効にするためには、リカバリー可能仮想共用ディスク・サブシステムを再始動する必要があります。
デバッグが開始され、リカバリー可能仮想共用ディスク・サブシステムが再始動すると、 ha.vsd trace が発行されてトレースが開始されます。
このオペランドは、IBM® サービス技術員の 説明に基づいて使用してください。
注: ノードがブートされているときの デフォルトは、標準出力および標準エラーをコンソールに経路指定する、となっています。デバッグが 終了すると、標準出力および標準エラーは /dev/null に経路指定され、 その後のトレース・メッセージはすべて失われます。 ha.vsd qsrc を発行することで、デバッグが開始されているかを判別することができます。デバッグが 開始されていると、戻り値は次のようになります。action = "2"
- mksrc
- リカバリー可能仮想共用ディスク・サブシステムを作成するには mkssys を使用します。
- 照会
- リカバリー可能仮想共用ディスク・サブシステムの現状を詳細に表示します。
- quorum n
- クォーラムの値を設定します。このクォーラムは仮想共用ディスクが活動化される前に
グループを結合しなければならないノードの総数です。通常クォーラムは、RSCT
ピア・ドメイン内で仮想共用ディスク・ノードとして定義されたノードの過半数として
定義されますが、このコマンドはその定義を上書きすることができます。
このコマンドを 使用するときは、リカバリー可能仮想共用ディスク・サブシステムが活動状態でなければなりません。これは 永続的な変更ではありません。
- qsrc
- リカバリー可能仮想共用ディスク・デーモンの System Resource Controller (SRC) 構成を表示します。
- refresh [noquorum]
- refresh コマンドを使用して、すべての実行中のリカバリー
可能仮想共用ディスク・サブシステムに対してリフレッシュ・プロトコルを非同期
的に開始します。noquorum
を指定していない限り、クォーラムはリフレッシュが起こる前にリセットされます。ha.vsd query を
使用して完了したかを検査してください。以下の項目はデバイス・ドライバーでリフレッシュされたものです。
- 追加または削除されたノード
- 追加または削除された仮想共用ディスク
- 仮想共用ディスクに対して変更された size_in_MB 属性
- reset
- リカバリー可能仮想共用ディスク・サブシステムを停止および再始動します。
- reset_quorum
- デフォルトのクォーラムをリセットします。
- rmsrc
- リカバリー可能仮想共用ディスク・サブシステムを除去するには、rmssys を使用します。
- start
- リカバリー可能仮想共用ディスク・サブシステムを始動します。
- stop
- リカバリー可能仮想共用ディスク・サブシステムを停止します。
- trace [off]
- リカバリー可能仮想共用ディスク・サブシステムのトレースを要求または停止します。このコマンド
発行時は、リカバリー可能仮想共用ディスク・サブシステムが活動状態で
なければなりません。
このオペランドが意味があるのは、debug オペランドを使用 して、コンソールへ標準出力および標準エラーを送信し、リカバリー可能仮想共用ディスク・ サブシステムが再始動した後です。
セキュリティー
このコマンドを実行するには、root 権限を持っている必要があります。
終了状況
- 0
- コマンドが正常終了したことを示します。
- nonzero
- エラーが発生したことを示します。
制限
このコマンドはピア・ドメイン内のオンラインのノードから発行する必要があります。 オンラインのピア・ドメインに移動するには startrpdomain コマンドを使用します。 既存のピア・ドメイン内で、オンラインの特定ノードに移動するには startrpnode コマンドを使用します。RSCT ピア・ドメインの作成と管理の詳細については、「RSCT 管理ガイド」を参照してください。
例
- リカバリー可能仮想共用ディスク・サブシステムを停止し、再始動するには、次のように入力します。
システムは次のメッセージを戻します。ha.vsd reset
Waiting for the rvsd subsystem to exit. rvsd subsystem exited successfully. Starting rvsd subsystem. rvsd subsystem started PID=xxx.
- クォーラムを RSCT ピア・ドメインの 5 つのノードへ変更するには、次のように入力します。
システムは次のメッセージを戻します。ha.vsd quorum 5
Quorum has been changed from 8 to 5.
- rvsd サブシステムを照会するには次のように入力します。
システムは次のようなメッセージを表示します。ha.vsd query
それぞれの意味は次のとおりです。Subsystem Group PID Status rvsd rvsd 18320 active rvsd(vsd): quorum= 9/4, active=1, state=idle, isolation=member, NoNodes=10, lastProtocol=nodes_failing, adapter_recovery=on, adapter_status=up, RefreshProtocol has never been issued from this node, Running function level 4.1.0.0.
- quorum
- クォーラムは仮想共用ディスクが活動化される前に
グループを結合しなければならないノードまたはサーバー・ノードの総数です。上記のシステム出力で、
クォーラム 9/4
は、ノードの総数 (9) およびサーバー・ノードの数 (4) を示しています。 - active
- 結合されているグループの活動化状況を示します。
- 0:
- グループは活動状態にありません (クォーラムは条件が満たされていません)。
- 1:
- グループはアクティブであり共用ディスクは活動状態にあります。
- state
- 実行中の現行プロトコルを示します。
- isolation
- グループ・メンバーシップ状況を示します。
- isolated:
- グループの「結合化」は計画されていません。
- proposed:
- グループの「結合化」が計画されています。
- member:
- グループのメンバー (プロバイダー) です。
- NoNodes
- グループを結合したノードの数を示します。
- lastProtocol
- グループ全体に渡って実行された最後のプロトコルを示します。
- adapter_recovery
- 通信アダプター・リカバリー・サポートを次のように示します。
- on:
- アダプター・リカバリーは使用可能です。
- off:
- アダプター・リカバリーは使用不可です。
- adapter_status
- 通信アダプター状況を次のように示します。
- up:
- アダプターは作動しています。
- down:
- アダプターは停止しています。
- unknown:
- アダプター状況は認識できません。
- RefreshProtocol ...
- リフレッシュ・プロトコルがこのノードから発行されているかを示します。発行されていれば、成功またはエラーの日付および時刻が表示されます。
- Running function level
- サブシステムが実行されている機能レベルが、バージョン、リリース、 変更、修正レベル形式 (vrmf) で示されます。(サブシステムの機能レベルを低いままで共存させていると、 機能レベルを削減して実行する場合に制限が生じることがあります。)
場所
/opt/rsct/vsd/bin/ha.vsd