errinstall コマンド

目的

エラー・ログ・メッセージ・セットにメッセージをインストールします。

構文

errinstall [ -c ] [ -f ] [ -q ] [ -z FileName ] ファイル

説明

errinstall コマンドは、エラー・ログ・メッセージ・カタログ内のエラーの説明、推定原因、ユーザー原因、インストール原因、障害原因、推奨処置、詳細データ ID メッセージのセットの追加または置換に用いられるインストール用の補助機能です。

File パラメーターは、追加または置換されるメッセージが入っている入力ファイルを指定します。 File パラメーターを指定しないか、または - (負符号) を指定すると、 errinstall コマンドは標準入力から読み込みます。

注: ライセンス・プログラムおよび社内アプリケーションは、エラー・ロギング・メッセージ・セットからの事前定義メッセージを使用する必要があります。 事前定義メッセージは、errmsg -w コマンドを使って表示します。 新規メッセージを追加するには、サード・パーティー・ソフトウェア・ベンダーが IBM® Developer Solutions に連絡して、新規メッセージを登録する必要があります。 企業内アプリケーションについては、企業内アプリケーション作成中に errmsg コマンドを使って新しいメッセージを追加できます。 ただし、他の企業内アプリケーションに追加されたメッセージと同じものがないよう注意が必要です。

取り消し機能

errinstall コマンドは、 File.undo ファイルという名前の現行ディレクトリーに undo ファイルを作成します。 ( errinstall コマンドが標準入力から読み取りを行っている場合、取り消しファイル情報は標準出力に書き込まれます。) File.undo ファイルを errinstall コマンドへの入力として使用し、errinstall コマンドが行ったばかりの変更を取り消すことができます。 変更を元に戻すには、 -f フラグを指定して errinstall コマンドを実行し、 File パラメーターに File.undo ファイルを指定します。

入力ファイル (または標準入力) ファイル・フォーマット

エラー・ログ・メッセージ・カタログ内の単一メッセージに追加または置換を行うには、2 つの別々の行に情報を入れる必要があります。 1 つのファイルに、複数の追加や置換を入れることができます。 最初の行には、メッセージが追加または置換されるメッセージ・セットを指定します。 入力は次のフォーマットを使用します。

SET MessageSetID

この場合、MessageSetID パラメーターは、次のいずれかの 1 文字です。

項目 説明
E エラーの説明を指定します。
P 推定原因を指定します。
U ユーザー原因を指定します。
I インストール原因を指定します。
F 障害原因を指定します。
R 推奨処置を指定します。
D 詳細データを指定します。

2 行目は、追加または置換を行うエラー・メッセージのエラー・メッセージ ID をリストします。 この行は、メッセージ・セットを指定する単一行の後に少なくとも 1 つは必要であり、複数あってもかまいません。 上記のとおり、メッセージ ID を入手するには、最寄りのサービス技術員に連絡してください。 ただし、社内アプリケーションのみのためにメッセージが必要な場合を除きます (この場合は、事前定義エラー・メッセージ ID を使わず、errmsg コマンドを 使ってエラー・メッセージをインストール)。

エラー・メッセージ ID とエラー・メッセージの間には、スペースを 1 つ入れ、次のように、エラー・メッセージのテキストを二重引用符で囲まなければなりません。

message ID "message text"

2 つの必須情報行の他に、コメント行も追加できます。 コメント行には、最初の桁にドル記号 ($) またはアスタリスク (*) 演算子が含まれていなければなりません。 アスタリスクのほうが適しています。

注: 「エラーの説明」、「推定原因」、および「詳細データ ID」の各メッセージ・セットに追加するメッセージは、長さが 40 文字を超えてはなりません。 ユーザー原因、インストール原因、障害原因、 および推奨処置メッセージ・セットに追加されるメッセージは、 128 字以内の長さに納めなければなりません。 メッセージがこれらの長さを超えると、errinstall コマンドは警告メッセージを表示します。メッセージはコード・ポイント・カタログに追加されます。 これらのメッセージは、要約 errpt コマンドによって表示されるときに切り捨てられます。

フラグ

項目 説明
-c 入力 File パラメーターの構文エラーを検査します。
-f ID が重複しているメッセージを置き換えます。 既に使用されているメッセージ ID を使用してメッセージを追加しようとすると、 -f フラグによって errinstall コマンドが強制的に古いメッセージ・テキストを新しいメッセージ・テキストに置き換えます。 -f フラグを指定しないと、古いメッセージ・テキストは置き換えられず、 警告メッセージが標準エラーに書き出されます。 また、メッセージのインストールをやり直す場合にも、-f フラグが必須です。
-q undo ファイルの作成を抑止します。
-z FileName FileName パラメーターで指定したエラー・ログ・メッセージ・カタログを使用します。

セキュリティー

アクセス制御: root ユーザーのみがこのコマンドを実行できます。

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX ユーザーへの注意: このコマンドは特権操作を実行できます。 特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権について詳しくは、「 セキュリティー」の「特権コマンド・データベース」を参照してください。 このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

  1. ライセンス製品のエラー・ログ・メッセージをインストールするには、以下のようにします。lpp次のように入力します。
    errinstall -f /tmp/lpp.desc
  2. 上記の errinstall コマンドの例によってエラー・ログ・メッセージ・カタログに加えられた変更を取り消すには、次のように入力します。
    errinstall -f /tmp/lpp.desc.undo
  3. 推定原因メッセージ・セットにエラー・メッセージをインストールするには、次のように入力します。
    errinstall
     
    * Add a probable cause for widget failure:
    SET P
    E100 "widget adapter"
  4. 推定原因メッセージ・セット内の重複する ID を持つメッセージを置き換えるには、次のように入力します。
    errinstall -f
     
    * Replace the message associated with ID E100 in the
    * Recommended Action message set
    SET R
    E100 "Replace disk drive"
  5. 入力ファイルに in_file という名前を付け、それを使用して新しいエラー・メッセージをインストールする場合は、次のように入力します。
    errinstall in_file
  6. メッセージ・セット内の既存のエラー・メッセージを上書きするには、 in_fileで以前に定義した ID 番号を使用し、次のように errinstall コマンドで -f フラグを指定します。
    errinstall -f in_file
  7. 以下の例は、インストールする入力ファイルのサンプル・コンテンツを示しています。
    *
    * Add these error messages to the Detailed Data message set:
    *
    SET D
    8105 "Logical channel number"
    8106 "Timer reference stamp"
    *
    * Add these error messages to the Probable Cause message set:
    *
    SET P
    E861 "Bad memory card"
    E865 "Unexpected System Halt"
    E876 "Fiber Optic Cable"
    *
    * Add this message to the Recommended Action message set:
    *
    SET R
    E850 "Install updated driver code"

ファイル

項目 説明
/usr/lib/nls/msg/$LANG/codepoint.cat エラー・ログ・メッセージ・カタログが入っています。 米国では、$LANG 環境変数の値は En_US です。