defvsd コマンド

目的

仮想共用ディスクを持っているかのように、または使用しているかのようにノードを指定します。

構文

defvsd logical_volume_name global_group_name vsd_name

説明

このコマンドは、仮想共用ディスクとして使用するグローバルにアクセス可能なボリューム・グループ上に 常駐する論理ボリュームを指定するために実行します。

System Management Interface Tool (SMIT) を使用して、defvsd コマンドを実行できます。 SMIT を使用するには、次のように入力します。

smit vsd_data

さらに、Define a Virtual Shared Disk オプションを選択します。

フラグ

-r
コマンドが実行されているノードで指定された、ノード用の予想される発信シーケンス番号 をリセットします。別ノードがリブート、キャストアウト、またはそのノードですべての仮想共用 ディスクが再構成された場合に、このフラグを使用します。指定されたノードは、キャストイン もされます。
注: このオプションは、 IBM® サービス部門の直接の指図の下でのみ使用してください。このオプションは、通常の環境では使用し ないでください。
-R
コマンドが実行されているノード上の全ノードに対して、進行中および予想 される発信シーケンス番号をリセットします。ノードのリブート後に、このフラグを使用します。 仮想共用ディスク・ネットワーク内のすべてのノードは、キャストインされます。
注: このオプションは、 IBM サービス部門の直接の指図の下でのみ使用してください。このオプションは、通常の環境では使用し ないでください。
-p
仮想共用ディスク並列処理のレベルを設定して、指定された数値にします。有効な範囲は、1 から 9 です。 デフォルトは 9 です。値が大きければ、大規模要求に対する応答時間が短縮される可能性があります。 (仮想共用ディスクのパフォーマンス・チューニングの詳細は、 「RSCT for AIX 5L: Managing Shared Disks」を参照してください。)

この値は、仮想共有ディスク IP デバイス・ドライバーがカーネルで行う uphysio 呼び出し上の buf_cnt パラメーターです。コマンドが実行されているノード上の現行値を表示するには、statvsd を使用します。

-k
ローカル・ノードで指定されたノード番号をキャストアウトします。ローカル・ノードは、 キャストアウト・ノードからの要求を無視します。-r を使用して、ノードをキャストインして戻 します。
注:
  1. このフラグを使用する前に、後述の『制約事項』のセクションを参照してください。
  2. このオプションは、 IBM サービス部門の直接の指図の下でのみ使用してください。このオプションは、通常の環境では使用し ないでください。
-t
仮想共用ディスク・ドライバーによりキャッシュされ た現行ルーティング・テーブルと mbuf ヘッダーをリストします。
-T
すべてのキャッシュされた経路をクリアまたは解放します。
-v vsd_name ...
指定された仮想共用ディスク上の読み取りおよび書き込み要求数の統計情報をリセットします。
-V
すべての構成済み仮想共用ディスク上の読み取りおよび書き込み要求数の統計情報をリセットします。
-C
statvsd コマンドで表示される仮想共用ディスク・デバイス・ドライバーのカウンター をリセットします。ただし例外は、クライアントとサーバーのノード間での、進行中および 予想される発信要求シーケンス番号です。
-K
ローカル・ノード上のすべてのノードをキャストアウトします。ローカル要求は引き続き受け入れられます。
注:
  1. このフラグを使用する前に、後述の『制約事項』のセクションを参照してください。
  2. このオプションは、 IBM サービス部門の直接の指図の下でのみ使用してください。このオプションは、通常の環境では使用し ないでください。
-M
仮想共用ディスクの最大 IP メッセージ・サイズを設定します。これは、ある入出力要求に対して 仮想共用ディスクがネットワーク上で送信するデータの最大サイズのブロックです。この制限は、 ローカルの仮想共用ディスクの入出力ブロック・サイズにも影響を与えます。 この値はバイト単位であり、ネットワークの最大伝送単位 (MTU) サイズ より大きくしないでください。すべての ノードは同じ値を使用しなければなりません。推奨値は次のとおりです。
  • 61440 (60KB) (スイッチの場合)
  • 8192 (8KB) (ジャンボ・フレームのイーサネットの場合)
  • 1024 (1KB) (1500 バイトの MTU イーサネットの場合)

パラメーター

logical_volume_name
仮想共用ディスクとして指定したい論理ボリュームの名前。この論理ボリュームは、 指示されたグローバル・ボリューム・グループ上に常駐している必要があります。名前の長さは 15 文字以内でなければなりません。
global_group_name
vsdvg コマンドにより前回定義された、仮想共用ディスクとして 指定したい、グローバルにアクセス可能なボリューム・グループ・グループの名前。名前の長さは 31 文字以内でなければなりません。
vsd_name
新規仮想共用ディスクに対して固有の名前を指定します。この名前は、RSCT ピア・ドメイン内で固有でなければなりません。また、今後の命名において競合の危険性を 避けるために、クラスター全体に渡っても固有でなければなりません。推奨する命名規則は vsdnngvg_name です。名前の長さは 31 文字以内でなければなりません。
注: 他のデバイスで既に vsd_name が指定されている場合、cfgvsd コマンドは、仮想共用ディスクに対して失敗します。このエラーが起こるということは、 その名前用に作成した特別の装置ファイルが、論理ボリュームのような他のデバイス・タイプを表している 同じ名前のファイルをオーバーレイしたり、破棄したりしないことを裏付けています。

セキュリティー

このコマンドを実行するには、root 権限を持っている必要があります。

制限

このコマンドはピア・ドメイン内のオンラインのノードから発行する必要があります。 オンラインのピア・ドメインに移動するには startrpdomain コマンドを使用します。 既存のピア・ドメイン内で、オンラインの特定ノードに移動するには startrpnode コマンドを使用します。RSCT ピア・ドメインの作成と管理の詳細については、「RSCT 管理ガイド」を参照してください。

  1. 次の例は、グローバルにアクセス可能なボリューム・グループ (vg1n1) 上で、lv1vg1n1 と呼ばれている論理ボリュームが、vsd1vg1n1 という名前の仮想共用ディスクとして使用されることを示しています。
    
    defvsd lv1vg1n1 vg1n1 vsd1vg1n1

位置

/opt/rsct/vsd/bin/defvsd