早期割り当てモード

早期割り当てアルゴリズムによって、メモリー割り当て要求で要求した量と同じだけのページング・スペースが保証されます。 したがって、システム・ディスクにおける正しいページング・スペースの割り当ては、効率的な操作を行うために重要です。

使用可能なページング・スペースがある一定のしきい値以下になると、新規プロセスは開始することができなくなり、現在実行中のプロセスもそれ以上のメモリーを確保できなくなる可能性があります。 デフォルトの遅延割り当てモードで実行中のプロセスはどれも、SIGKILL シグナル・メカニズムの影響を非常に受けやすくなります。さらに、オペレーティング・システム・カーネルでメモリー割り当てを要求することがあるため、使用可能なページング・スペースをすべて使い果たしてしまうと、システムの破損が生じる可能性があります。

システム全体で早期割り当てモードを使用する前に、そのシステムに適した量のページング・スペースを定義しておくことが非常に重要です。 早期割り当てモードに必要なページング・スペースは、ほとんどの場合、デフォルトの遅延割り当てモードに必要なページング・スペースよりも大きくなります。定義するページング・スペースの量は、システムの用途と実行するプログラムの内容によって決まります。 システムに適した妥当な比率を決定する場合、物理メモリーの量の 4 倍のページング・スペースを定義することから開始するとよいでしょう。

あるアプリケーションでは、早期割り当てモードで実行する場合に、非常に大量のページング・スペースを使用することがあります。 現在、AIXwindows サーバーは、アプリケーションが早期割り当てモードで実行する場合に 250 MB より大きいページング・スペースを必要とします。 どのアプリケーションの場合も、必要なページング・スペースは、そのアプリケーションの作成方法とその実行方法によって決まります。

ページング・スペースおよび処理メモリーの使用量を表示するすべてのコマンドとサブルーチンには、早期割り当てモードで割り当てられるページング・スペースが組み込まれます。 lsps コマンドは、-s フラグを使用してページング・スペースの割り当ての合計を表示しますが、これには、早期割り当てモードで割り当てられるページング・スペースも組み込まれます。