ctsnap コマンド

目的

Reliable Scalable Cluster Technology (RSCT) コンポーネントについての構成、ログ、およびトレース情報を収集します。

構文

ctsnap [ -a ] [ -c cluster_name_pattern ] [ -C cluster_ID_pattern ] [ -d output_dir ] [ -D daemon_name_pattern ] [ -k stackdump_default ] [ -n node_name_pattern ] [ -N node_ID_pattern ] [ -p days | { -f from_date -t to_date } ] [ -s spool_dir ] [ -S size ] [ -x runrpttr ] [ -h ] [ -z ]

説明

ctsnap コマンドは、AIX® または PowerHA® にインストールされる RSCT コンポーネントについての構成、 ログ、およびトレース情報を収集します。 このコマンドは、実行されるローカル・ノードでのみ、データを収集します。 インストールされるプログラムに応じて、以下のコンポーネントについての情報が含まれます。
  • 監査ログ・リソース・マネージャー (IBM.AuditRM)
  • クラスター・セキュリティー・サービス (ctsec)
  • Common information model リソース・マネージャー (IBM.CIMRM)
  • 構成リソース・マネージャー (IBM.ConfigRM)
  • イベント管理 (ha_em)
  • イベント応答リソース・マネージャー (IBM.ERRM)
  • ファイルシステム・リソース・マネージャー (IBM.FSRM)
  • First failure data capture (ct_ffdc)
  • グループ・サービス (cthags)
  • ホスト・リソース・マネージャー (IBM.HostRM)
  • 最小特権リソース・マネージャー (IBM.LPRM)
  • 低レベル・アプリケーション・プログラミング・インターフェース (lapi)
  • 管理ドメイン・リソース・マネージャー (IBM®.MgmtDomainRM)
  • マイクロセンサー・リソース・マネージャー (IBM.MicroSensorRM)
  • リカバリー・リソース・マネージャー (IBM.RecoveryRM)
  • リソース・モニターおよび制御 (ctrmc)
  • センサー・リソース・マネージャー (IBM.SensorRM)
  • ストレージ・リソース・マネージャー (IBM.StorageRM)
  • トポロジー・サービス (cthats)
  • 仮想共用ディスク (vsd) (AIX 6.1 上)
  • リカバリー可能仮想共用ディスク (rvsd) (AIX 6.1 上)

これらのコンポーネントのどれかに問題が発生する場合は、このコマンドを実行して ソフトウェア・サービス部門に情報を提供できます。

ctsnap コマンドの出力は、圧縮 tar ファイル (ctsnap.node_name.nnnnnnnn.tar.Z) およびログ・ファイル (ctsnap.node_name.nnnnnnnn.log) です。 ここで、node_namectsnap が実行されたノードの名前、nnnnnnnnctsnap コマンドの実行時のタイム・スタンプです。 これらのファイルの両方をソフトウェア・サービス部門に提供してください。デフォルトで、ctsnap は、これらのファイルを /tmp/ctsupt ディレクトリーに入れます。 別の出力ディレクトリーを指定するには、-d フラグを使用します。

必要な場合、ctsnap によりスプールされたトレース・ファイルの情報を収集できます。-c-C-D-f-n-N-p-s-S、および -t フラグを使用して、トレース情報のサブセットを取り込めます。 ctsnap -k stackdump_default コマンドを使用して以下の RSCT サブシステムのスタック・ダンプを作成できます。
  • 監査ログ・リソース・マネージャー (IBM.AuditRM)
  • Common information model リソース・マネージャー (IBM.CIMRM)
  • 構成リソース・マネージャー (IBM.ConfigRM)
  • イベント応答リソース・マネージャー (IBM.ERRM)
  • ファイルシステム・リソース・マネージャー (IBM.FSRM)
  • 汎用リソース・マネージャー (IBM.GblResRM)
  • グループ・サービス (cthags)
  • 最小特権リソース・マネージャー (IBM.LPRM)
  • マイクロセンサー・リソース・マネージャー (IBM.MicroSensorRM)
  • リカバリー・リソース・マネージャー (IBM.RecoveryRM)
  • リソース・モニターおよび制御 (ctrmc)
  • センサー・リソース・マネージャー (IBM.SensorRM)
  • ストレージ・リソース・マネージャー (IBM.StorageRM)
  • トポロジー・サービス (cthats)

RSCT リソース・マネージャーのトレース・ファイルの内容をフォーマットするには、-x フラグを使用します。

また、RSCT File 構成ファイル (ctfile.cfg) からトレースとルート・ディレクトリーのログ記録を入手するのに、ctsnap コマンドも使用できます。

フラグ

-a
Linux® オペレーティング・システム上で High Availability Cluster Multi-Processing (HACMP) クラスターのみに該当する情報を収集します。
-c cluster_name_pattern
トレース収集を特定のクラスター名に限定する選択パターンを指定します。パターンは、Perl 言語の正規表現として解釈されます。
-C cluster_ID_pattern
トレース収集を特定のクラスター ID に限定する選択パターンを指定します。パターンは、Perl 言語の正規表現として解釈されます。
-d output_dir
出力ディレクトリーを指定します。 デフォルトのディレクトリーは /tmp/ctsupt です。
-D daemon_name_pattern
トレース収集を特定のデーモンに限定する選択パターンを指定します。パターンは、Perl 言語の正規表現として解釈されます。
-f from_date
情報を収集するいつからの日付を指定します。 from_date パラメーターのフォーマットは次のとおりです。
yyyy-mm-dd[.hh[:mm[:ss]]] 
注: -t フラグと合わせて -f を使用します。
-k stackdump_default
次の RSCT サブシステムのスタック・ダンプを作成します。cthagscthatsctrmcIBM.AuditRMIBM.CIMRMIBM.ConfigRMIBM.ERRMIBM.FSRMIBM.GblResRMIBM.LPRMIBM.MicroSensorRMIBM.RecoveryRMIBM.SensorRM、 および IBM.StorageRM
-n node_name_pattern
トレース収集を特定のノード名に限定する選択パターンを指定します。パターンは、Perl 言語の正規表現として解釈されます。
-N node_ID_pattern
トレース収集を特定のノード ID に限定する選択パターンを指定します。パターンは、Perl 言語の正規表現として解釈されます。
-p days
収集するスプール済みトレース情報の価値が、何日前まであるかを指定します。
-s spool_dir
トレース・ファイルを指定したスプール・ディレクトリーに取り込みます。
-S size
収集するすべてのトレース・ファイルの最大累積サイズ (メガバイト) を指定します。
-t to_date
情報を収集するいつまでの日付を指定します。 to_date パラメーターのフォーマットは次のとおりです。
yyyy-mm-dd[.hh[:mm[:ss]]] 
注: -f フラグと合わせて -t を使用します。
-x runrpttr
すべての RSCT リソース・マネージャーのトレース・ファイルの内容をフォーマットします。

このフラグを使用すると、ctsnap 出力ファイルのサイズが増加し、出力ディレクトリーを含むファイル・システムのサイズを増加しなければならない場合があります。

-h
コマンドの使用状況ステートメントを標準出力に書き込みます。
-z
Cluster Aware AIX (CAA) 環境であっても snap caa 情報の収集を防止します。

セキュリティー

root ユーザーのみがこのコマンドを実行できます。

終了状況

0
コマンドが正常に実行されました。
1
コマンドは正常終了しませんでした。

標準出力

-h フラグが指定されている場合は、このコマンドの使用状況ステートメントが標準出力に書き込まれます。

標準エラー

エラー・メッセージは標準エラー (および ctsnap. host_name.nnnnnnnn.log ファイル) に書き出されます。

実装上の固有な条件

このコマンドは、AIX® オペレーティング・システムの rsct.core.utils ファイルセットの一部です。

  1. RSCT サポート情報を集めるには、次のように入力します。
    ctsnap
  2. RSCT サポート情報を集め、それを /tmp/mydir ディレクトリーに配置するには、次のように 入力します。
    ctsnap -d /tmp/mydir
  3. /opt/traces ディレクトリーのすべてのトレース・ファイルを取り込むには、次のように入力します。
    ctsnap -s /opt/traces
  4. /opt/traces ディレクトリーのすべてのトレース・ファイルを構成リソース・マネージャー・デーモンに関して取り込むには、次のように入力します。
    ctsnap -s /opt/traces -D '.*ConfigRM.*' 
  5. /opt/traces ディレクトリーのすべてのトレース・ファイルを日付範囲 (08-28-2008 から 08-29-2008 まで) について取り込むには、次のように入力します。
    ctsnap -s /opt/traces -f 08-28-2008 -t 08-29-2008
  6. /opt/traces ディレクトリーのすべてのトレース・ファイルを前 4 日間について取り込むには、次のように入力します。
    ctsnap -s /opt/traces -p 4
  7. /opt/traces ディレクトリーのすべてのトレース・ファイルをトレース情報の最新 50 MB について取り込むには、次のように入力します。
    ctsnap -s /opt/traces -S 50

場所

/opt/rsct/bin/ctsnap
ctsnap コマンドが入っています。

ファイル

/tmp/ctsupt
出力ファイルが入っているデフォルト・ディレクトリーのロケーション。
/tmp/ctsupt/ctsnap.host_name.nnnnnnnn.log
コマンド実行のログ・ファイルのロケーション。ここで nnnnnnnn はタイム・スタンプであり、host_name は コマンドが実行されたホストの名前。
tmp/ctsupt/ctsnap.host_name.nnnnnnnn.tar.Z
収集されたデータを含む圧縮 tar ファイルのロケーション。 ここで nnnnnnnn はタイム・スタンプであり、 host_name はコマンドが実行されたホストの名前。