cthatstune コマンド

目的

トポロジー・サービス・サブシステムのチューナブル・パラメーターを実行時に表示および変更します。

構文

cthatstune [ -f [network1]:frequency1[,[network2]:frequency2…] ] [ -g [[network]:grace] ] [ -s [network1]:sensitivity1[,[network2]:sensitivity2…] ] [-p priority] [-l log_length] [-m pin_object] [-r] [-v] [-h]

説明

cthatstune コマンドは、トポロジー・サービス・サブシステムのチューナブル・パラメーターを実行時に変更します。 トポロジー・サービス・サブシステムのチューナブル・パラメーターには、次の 2 つのタイプがあります。
サブシステム全体
トポロジー・サービス・サブシステムの動作に影響を与えます。 このタイプには、固定優先順位レベル、ログ・ファイルの最大長、およびメイン・メモリーにピンされるオブジェクトが含まれます。
ネットワークごと
各ネットワークの動作に影響を与えます。 このタイプには、ハートビートの頻度および感度が含まれます。

cthatstune コマンドは、クラスター・データ内のパラメーターを変更します。 新規の値は、トポロジー・サービス・デーモンがそれらの新規の値をクラスター・データから読み取るまで有効になりません。 リフレッシュ操作を使用して、トポロジー・サービス・デーモンに新規の値をクラスター・データから読み取るよう指示することができます。 リフレッシュ操作は、クラスター内のノードのいずれかで cthatsctrl -r コマンドまたは cthatstune -r コマンドを使用すると開始できます。

実値に加えて VIEW および DEFAULT という 2 つの特殊値を使用すると、前者の場合は現在の設定を表示でき、後者の場合はチューナブル・パラメーターのデフォルト値を使用できます。

ネットワークごとのチューナブル・パラメーターの場合は、ネットワーク名に加えて空のネットワーク名または特殊ネットワーク名 ALL を使用すると、ネットワーク名に続く値をすべてのネットワークに適用するように指定できます。

フラグ

-f [network1]:frequency1[,[network2]:frequency2…]
1 つ以上のネットワークについて、ハートビート間の秒単位の間隔、つまりハートビートの頻度 を指定します。

frequency の値は 1 から 30 の整数にできます。 デフォルト値は 1 です。

-g [[network]:grace]
ハートビートが受信されなくなった場合に使用される猶予期間を指定します。ハートビートが欠落した場合は、Internet Control Message Protocol (ICMP) エコー・パケットが、送付しないノードに送られます。 エコーが戻されると、猶予期間が開始されます。
猶予期間は秒数で指定され、ミリ秒まで有効です。猶予期間は、整数、浮動小数点数、または以下のいずれかの値で指定することができます。
0
猶予期間を使用不可にすることを指定します。
-1 | d
トポロジー・サービス・サブシステムが猶予期間を制御することを指定します。 これはデフォルト値です。
-s [network1]:sensitivity1[,[network2]:sensitivity2…]
1 つ以上のネットワークの、到達しそこなったハートビートの最大数を指定します。 この最大を超えた場合、トポロジー・サービス・デーモンは、そのピアが非アクティブになったと見なします。

sensitivity の値は 4 から 40 の任意の整数にできます。 デフォルト値は 4 です。

-p priority
固定優先順位レベルを指定します。 priority の値は、0 (「固定優先順位レベルでは実行しない」を意味します)、または 1 から 80 の任意の整数にできます。 デフォルト値は 30 です。
-l log_length
ログ・ファイルの最大長 (行数) を指定します。 log_length の値は 2000 から 1 000 000 の任意の整数にできます。 デフォルト値は 5000 です。
-m pin_object [,pin_object...]
メイン・メモリーにピンするオブジェクトを指定します。 有効な値は以下のとおりです。
NONE
どのオブジェクトもメイン・メモリーにピンしません。
TEXT
メイン・メモリーにピンする TEXT オブジェクトを指定します。
DATA
メイン・メモリーにピンする DATA オブジェクトを指定します。
STACK
メイン・メモリーにピンする STACK オブジェクトを指定します。
PROC
ピン可能なオブジェクトはすべてメイン・メモリーにピンすることを指定します。 これはデフォルト値です。
-r
新規チューナブルを適用し、トポロジー・サービス・サブシステムをリフレッシュします。
-v
詳細出力を提供します。
-h
コマンドの使用状況ステートメントを標準出力に書き込みます。

セキュリティー

このコマンドを実行するには、root 権限が必要です。

終了状況

0
コマンドが正常に完了したことを示します。
ゼロ以外の値
エラーが発生したことを示します。

制約事項

このコマンドは、ピア・ドメインでのみ有効です。

実装上の固有な条件

このコマンドは、AIX® 用の Reliable Scalable Cluster Technology (RSCT) ファイルセットの一部です。

標準出力

-h フラグが指定されている場合は、このコマンドの使用状況ステートメントが標準出力に書き込まれます。 詳細メッセージは、すべて標準出力に書き出されます。

標準エラー

このコマンドは、あらゆるエラー・メッセージを標準エラーに書き込みます。

  1. 固定優先順位レベルを 40 に変更し、ログ・ファイルの最大長に関する現在の設定を表示し、デフォルト・オブジェクトをメイン・メモリーにピンし、その新しい設定をすぐには有効にしないようにするには、次のように入力します。
    
    cthatstune -p 40 -l VIEW -m DEFAULT
  2. 新規設定 (直前に cthatstune で変更した設定) を有効にするには、次のように入力します。
    cthatstune -r
  3. 固定優先順位レベルを通常レベルに変更し、プログラム・セグメントおよびデータ・セグメントをメイン・メモリーにピンし、その新しい設定をすぐに有効にするには、次のように入力します。
    cthatstune -p 0 -m TEXT,DATA -r
  4. filesys_net のハートビート頻度を 2 に、他のすべてのネットワークのハートビート頻度は 4 に変更し、さらに他のすべてのネットワークの感度をデフォルト値に変更して、その新しい設定をすぐに有効にするには、次のように入力します。
    cthatstune -f filesys_net:2,:4 -s :DEFAULT -r
  5. filesys_net のハートビート頻度をデフォルト値に、service_net のハートビート頻度を 3 に変更し、すべてのネットワークの感度を 8 に変更し、さらにトポロジー・サービス・サブシステム全体をメイン・メモリーにピンし、その新しい設定をすぐに有効にするには、次のように入力します。
    cthatstune -f filesys_net:DEFAULT,service_net:3 -s :8 -m PROC -r
    これは次の方法でも行えます。
    
    cthatstune -f filesys_net:DEFAULT,service_net:3
    cthatstune -s :8
    cthatstune -m PROC
    cthatstune -r
  6. ネットワーク通信グループ CG3 の期間を 2345 ミリ秒に変更するには、次のように指定します。
    cthatstune -f CG3:2.345
  7. ネットワーク通信グループ CG3 の猶予期間を 30500 ミリ秒に変更するには、次のように指定します。
    cthatstune -g CG3:30.5

場所

/opt/rsct/bin/cthatstune
cthatstune コマンドが含まれています。