clctrl コマンド

目的

クラスターの管理に使用するシステム管理機能のセットを提供します。

構文

clctrl <subcommand> options

ここで <subcommand> は、{-start | -stop | -tune | -sec | -commit}

サブコマンド構文

保守のためにノードをオフラインにしたり、そのノードをオンラインに戻すには、次のように入力します。

clctrl [-n clustername]{-start | -stop} [-n clustername]{ -m node[,...] | -a}

クラスターのチューナブル属性値を表示または設定するには、次のように入力します。

clctrl - tune -h [tunable]

clctrl -tune [-n name | -u uuid] (-a | {-L | -x} [tunable] | {-o tunable})

clctrl -tune [-n name | -u uuid] (-D | {-d tunable} | {-o tunable=value}))

セキュリティーのチューナブル値を表示または設定するには、次のように入力します。

clctrl -sec { -l sec_level -s sec_alg } [-e] [ -t certificate_type [-c certificate_file -f privkey_file ]]

クラスター全体を通じて有効となる新しいクラスター・レベルを手動でコミットするには、次のように入力します。

clctrl [-n clustername] -commit

説明

clctrl コマンドは、クラスターの管理に使用する一連のサブコマンドを提供します。

-stop サブコマンドは、保守のために 1 つ以上のノードをオフラインにする場合に使用します。1 つのノードを停止すると、他のノードはそのノードがダウンしたと見なします。停止したノードはハートビート・メッセージの送受信を行わず、リブート操作を行っても、-start サブコマンドでクラスターに再結合するまでは、停止状態のままとなります。また、-stop サブコマンドは、ノードがパワーオフされている間に発行することで、リブート時にそのノードをクラスターに再結合させないようにすることができます。

-start サブコマンドは、保守のためにオフラインにしておいた 1 つ以上のノードをオンラインに戻す場合に使用します。 ノードを開始することにより、クラスターに再結合することができ、他のノードはそのノードが開始したと見なします。また、ノードがリブートされるときに、クラスターに再結合するように、ノードがパワーオフされている間に、-start サブコマンドを発行することもできます。

-tune サブコマンドは、クラスターのチューナブル値を表示または設定するために使用します。-tune サブコマンドは、以下のフラグにより制御されます。

項目 説明
-a すべてのチューナブルを、1 行に 1 つずつ表示します。
-D すべてのチューナブルをそれぞれのデフォルト値にリセットします。
-d tunable チューナブルをデフォルト値にリセットします。
-h コマンドとその引数に関するヘルプを表示します。
-h tunable チューナブルに関するヘルプを表示します。
-L tunable 1 つまたはすべてのチューナブルに関する情報を表形式でリストします。
-n name チューナブルが属するクラスターまたはノード・エンティティーの名前を指定します。この名前は固有でなければなりません。そうでない場合は、エンティティーを識別するために -u uuid フラグを使用する必要があります。
-o tunable チューナブルの現行値を表示します。
-o tunable=value チューナブルを指定された値に設定します。
-u uuid クラスターまたはノード・エンティティーの UUID を指定します。 -u オプションも -n オプションも指定されない場合は、呼び出し中のノードが想定されます。
-x tunables 1 つまたはすべてのチューナブルに関する情報をコンマ区切り形式でリストします。
-sec サブコマンドは、セキュリティーのチューナブル値を表示または設定するために使用します。-sec サブコマンドは、以下のフラグにより制御されます。
項目 説明
-c 非対称鍵の証明書ファイルへのパスを指定します。
-e すべてのセキュリティーのチューナブル値を、1 行に 1 つずつ表示します。
-f 非対称鍵の秘密鍵ファイルへのパスを指定します。
-l セキュリティーのレベルを設定します。 0 の値はセキュリティーを使用不可にします。1-3 の値はセキュリティーを使用可能にし、値に応じたレベルに設定します。デフォルトのセキュリティー・レベルは 2 です。
-s 対称鍵を生成するのに使用されるアルゴリズムのタイプを指定します。値として、AES、DES、または 3DES に指定できます。NULL の値に設定すると、セキュリティーが使用可能の場合、使用不可にします。デフォルト値は AES です。
-t 非対称鍵の証明書タイプを指定します。値として、Self Signed Certificates (自己署名証明書)、Open SSL Certificates (Open SSL 証明書) または SSH Certificates (SSH 証明書) に設定できます。デフォルト値は Self Signed Certificates です。

-commit サブコマンドは、すべてのノードで CAA ソフトウェアのレベルを更新した後、クラスター全体を通じて有効となる新しいクラスター・レベルを手動でコミットします。 CAA ソフトウェアは新しいクラスター・レベルを自動的にコミットします。しかし、新しいクラスター・レベルの自動コミットが失敗する場合、システム管理者が新しいクラスター・レベルを手動でコミットする必要がある場合があります。

  1. 保守を行うために fileserver1 という名前のノードをオフラインにします。
    clctrl -stop -n clustername -m fileserver1
  2. 保守の完了後にノードをオンラインに戻します。
      clctrl -start -n clustername -m fileserver1
  3. 保守を行うためにすべてのノードをオフラインにします。
    clctrl -stop -n clustername -a
  4. 保守の完了後にすべてのノードをオンラインに戻します。
    clctrl -start -n clustername -a
  5. クラスター・チューナブルに関するすべての情報を表形式で表示するには、次のように入力します。
    clctrl -tune -L
  6. チューナブル repos_mode に関するヘルプを表示するには、次のように入力します。
    clctrl -tune -h repos_mode
  7. クラスターのチューナブル値を表示するには、次のように入力します。
    clctrl -tune -o repos_mode=e
  8. すべてのセキュリティー・チューナブルの現在値を表示するには、次のように入力します。
    clctrl -sec -e
  9. 対称鍵を生成するのに使用されるセキュリティーのアルゴリズムを設定するには、次のように入力します。
    clctrl -sec -s DES
  10. クラスター全体を通じて有効となる新しいクラスター・レベルを手動でコミットするには、次のように入力します。
    clctrl -commit
  11. クラスター通信モードをユニキャスト・モードに設定するには、次のように入力します。
    clctrl -tune -o communication_mode=u
  12. クラスター通信モードをマルチキャスト・モードに設定するには、次のように入力します。
    clctrl -tune -o communication_mode=m