chrsrc コマンド
目的
リソースまたはリソース・クラスの永続属性値を変更します。
構文
- コマンド・ラインで入力される。
chrsrc -s "selection_string" [ -a | -N { node_file | "-" } ] [-v] [-h] [-TV] resource_class attr=value…
chrsrc -r [-v] [-h] [-TV] resource_handle attr=value…
- 入力ファイルで定義済み。
chrsrc -f resource_data_input_file -s "selection_string" [-a | -N { node_file | "-" } ] [-v] [-h] [-TV] resource_class
chrsrc -f resource_data_input_file -r [-v] [-h] [-TV] resource_handle
- コマンド・ラインで入力される。
chrsrc { -c | -C domain_name… } [-v [-a] [-h] [-TV] resource_class attr=value…
- 入力ファイルで定義済み。
chrsrc -f resource_data_input_file { -c | -C domain_name… } [-v] [-a] [-h] [-TV] resource_class
説明
chrsrc コマンドは、リソースまたはリソース・クラスの永続 属性値を変更します。デフォルトでは、このコマンドは、リソース の永続 属性値を変更します。resource_handle とリンクしているリソースの永続属性値のみを変更する には、-r フラグを使用します。 selection_string と一致するすべてのリソースの永続属性値を変更するには、 -s フラグを使用します。 リソース・クラス の永続属性値を変更するには、 -c フラグを使用します。
selection_string に複数のノード名を指定する代わりに、-N node_file フラグを使用して、 ノード名がファイルにあることを表すことができます。標準入力からノード名を読み取るには、-N "-" を使用します。
chrsrc コマンドは、動的属性や read_only と指定されている永続属性を変更できません。 コマンド・ラインまたは resource_data_input_file で指定されたすべての属性名が永続属性として定義されていること、 および read_only と指定されていない ことを検証するには、-v フラグを使用します。 chrsrc コマンドを -v フラグを指定して実行する場合、 指定された属性は変更されず、永続であること、 および read_only と指定されていないことが検証されるに過ぎません。 chrsrc -v を実行して、 コマンド・ラインまたは resource_data_input_file で指定した属性が有効であることを検証した後は、 chrsrc コマンドを -v フラグを指定しないで実行して、 属性値を実際に変更できます。 ただし、chrsrc -v を実行して属性が「合格」したからといって、 属性を変更できる保証があるわけではないということに注意してください。 指定されたリソースを制御する、基礎となるリソース・マネージャーによって、 chrsrc コマンドで変更できる属性が判別されます。-v フラグを指定しないで chrsrc を実行した後で、 指定された属性が変更できなかったかどうか、エラー・メッセージで示されます。
システムにクラスター・システム・マネージメント (CSM) がインストールされている場合は、 CSM 定義のノード・グループをノード名の値として使用して、複数のノードを参照できます。 CSM ノード・グループの処理と CSM nodegrp コマンドの使用については、 「CSM: Administration Guide」および「CSM: Command and Technical Reference」を参照してください。
フラグ
- -a
- このコマンドをクラスター内のすべてのノードに適用することを指定します。 CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数は、クラスターのスコープを決定します。 CT_MANAGEMENT_SCOPE が設定されていない場合は、まず管理ドメイン・スコープが選択され (管理ドメインが存在する場合)、 次にピア・ドメイン・スコープが選択され (ピア・ドメインが存在する場合)、その後でローカル・スコープが選択されます。 このような選択は、コマンドに対してスコープが有効になるまで行われます。 最初に見つかった有効なスコープに対して、このコマンドが 1 回実行されます。 例えば、管理ドメインとピア・ドメインの両方が存在し、かつ CT_MANAGEMENT_SCOPE が設定されていない場合、 このコマンドは管理ドメインに適用されます。 このコマンドをピア・ドメインに適用したい場合は、CT_MANAGEMENT_SCOPE を 2 に設定してください。
- -c
- resource_class の永続属性値を変更します。
- -C domain_name…
- 管理サーバー上で定義された 1 つ以上の RSCT ピア・ドメインにおいて、グローバル・リソース・クラスのクラス属性を変更します。
グローバル・クラスは、ドメインに関する情報が入ったリソース・クラス用
のピア・ドメインおよび管理ドメインで使用されます。
管理サーバーで定義した全ピア・ドメインのグローバル・リソース ・クラスのクラス属性を変更するには、 -C ではなく -a フラグを指定した -c フラグを使用します。
- -f resource_data_input_file
- リソース 属性情報が入っているファイルの名前を指定します。
- -N { node_file | "-" }
- ファイルまたは標準入力からノード名を読み取ることを指定します。
ノード名がファイルにあることを示すには、-N node_file を使用します。
- node_file ファイルでは、1 行につき 1 つのノード名を指定します。
- 1 桁目に番号記号 (#) を付けると、その行がコメントであることを示すことができます。
- ノード名の左のブランク文字はすべて無視されます。
- ノード名の右のブランク文字はすべて無視されます。
CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数は、クラスターのスコープを決定します。 CT_MANAGEMENT_SCOPE が設定されていない場合は、まず管理ドメイン・スコープが選択され (管理ドメインが存在する場合)、 次にピア・ドメイン・スコープが選択され (ピア・ドメインが存在する場合)、その後でローカル・スコープが選択されます。 このような選択は、コマンドに対してスコープが有効になるまで行われます。 最初に見つかった有効なスコープに対して、このコマンドが 1 回実行されます。 例えば、管理ドメインとピア・ドメインの両方が存在し、かつ CT_MANAGEMENT_SCOPE が設定されていない場合、 このコマンドは管理ドメインに適用されます。 このコマンドをピア・ドメインに適用したい場合は、CT_MANAGEMENT_SCOPE を 2 に設定してください。
- -r
- resource_handle と一致する特定のリソースの永続属性値を変更します。
- -s "selection_string"
- selection_string と一致するすべてのリソースの永続属性値を変更します。selection_string は、
二重引用符か単一引用符で囲む必要があります。selection_string に二重引用符が含まれている
場合は、それを単一引用符で囲んでください。例えば、次のとおりです。
-s 'Name == "testing"'
-s 'Name ?= "test"'
選択文字列にリストできるのは、永続属性だけです。選択文字列を指定する方法については、「RSCT: Administration Guide」を参照してください。
- -v
- コマンド・ラインまたは入力ファイルで指定されたすべての属性名が永続属性であること、 および read_only と指定されていない ことを検証します。 このフラグを使用するとき、chrsrc コマンドはどの永続属性値も変更 しません。
- -h
- コマンドの使用状況ステートメントを標準出力に書き込みます。
- -T
- コマンドのトレース・メッセージを標準エラーに書き込みます。ユーザーのソフトウェア・サービス組織専用です。
- -V
- コマンドの詳細メッセージを標準出力に書き込みます。
パラメーター
- attr=value…
- 1 つ以上の属性ペアおよびその属性に関連する値を指定します。attr は、定義済みの永続属性名のいずれかです。lsrsrcdef コマンドを使用すると、
指定されたリソースに対する定義済みの永続属性とそれらのデータ・タイプのリストを表示することができます。value には、関連する属性に適したデータ・タイプを指定する必要があります。例えば、
NodeNumber を Uint32 データ・タイプとして定義している場合は、正の数値を入力します。
chrsrc コマンドに -f フラグを付けて実行する場合は、このパラメーターを指定しないでください。
- resource_class
- リソース・クラス名を指定します。lsrsrcdef コマンドを使用して、定義済みリソース・クラス名を表示します。
- resource_handle
- 変更したいリソースにリンクしているリソース・ハンドルを指定します。lsrsrc コマンドを使用して、有効なリソース・ハンドルを表示します。リソース・ハンドルは、二重引用符で囲む必要があります。例えば次のとおりです。
"0x4017 0x0001 0x00000000 0x0069684c 0x0d4715b0 0xe9635f69"
セキュリティー
chrsrc を実行するには、ユーザーは chrsrc で指定された resource_class の書き込み権限を必要とします。権限は、接続先システム上のアクセス制御リスト (ACL) ファイルで指定されています。ACL ファイルとその変更方法については、「RSCT: Administration Guide」を参照してください。
終了状況
- 0
- コマンドが正常に実行されました。
- 1
- RMC でエラーが発生しました。
- 2
- コマンド・ライン・インターフェース (CLI) スクリプトでエラーが発生しました。
- 3
- コマンド・ラインに間違ったフラグが指定されました。
- 4
- コマンド・ラインに間違ったパラメーターが指定されました。
- 5
- コマンド・ラインの入力に誤りがあるため、RMC でエラーが発生しました。
- 6
- 選択文字列と一致するリソースが見つかりませんでした。
環境変数
- CT_CONTACT
- CT_CONTACT 環境変数にホスト名または IP アドレスが設定されていると、 このコマンドは指定されたホスト上の Resource Monitoring and Control (RMC) デーモンと連絡を取ります。環境変数が設定されていない場合、このコマンドは、コマンドが実行されているローカル・システム の RMC デーモンと連絡を取ります。このコマンドによって表示または変更されるリソース・クラスまたはリソースは、 接続が確立されているシステム上にあります。
- CT_IP_AUTHENT
- CT_IP_AUTHENT 環境変数が存在する場合は、RMC デーモンは、IP ベース・ネットワーク認証を使用して、CT_CONTACT 環境変数が設定されている IP アドレスで指定されるシステム上の RMC デーモンと連絡を取ります。CT_CONTACT が IP アドレスに設定されている場合のみ、CT_IP_AUTHENT が意味を持ちます。CT_IP_AUTHENT はドメイン・ネーム・システム (DNS) サービスに依存しません。
- CT_MANAGEMENT_SCOPE
- リソースおよびリソース・クラスをモニターし、制御するために、
RMC デーモンによるセッションに使用される管理有効範囲を決定します。管理有効範囲は、リソースおよびリソース・クラスのモニターおよび制御が可能なターゲット・ノードのセットを決定します。有効な値は以下のとおりです。
- 0
- Local 有効範囲を指定します。
- 1
- Local 有効範囲を指定します。
- 2
- ピア・ドメイン の有効範囲を指定します。
- 3
- 管理ドメイン の有効範囲を指定します。
この環境変数が設定されていない 場合は、Local 有効範囲が使用されます。
実装上の固有な条件
このコマンドは、AIX® 用の Reliable Scalable Cluster Technology (RSCT) ファイルセットの一部です。
標準出力
-h フラグが指定されている場合は、このコマンドの使用状況ステートメントが標準出力に書き込まれます。 詳細メッセージは、すべて標準出力に書き出されます。
標準エラー
トレース・メッセージはすべて、標準エラーに書き込まれます。
例
- Name が c175n05 に等しいリソースの IBM.Foo というリソース・クラス内の、Int32、
Uint32 および SD というリソース永続属性
を変更するには、次のように入力します。
chrsrc -s 'Name == "c175n05"' IBM.Foo ¥ Int32=-9999 Uint32=9999¥ SD='["testing 1 2 3",1,{2,4,6}]'
- Name が c175n で始まるリソースの IBM.Foo
リソース・クラス内にある、Int32、Uint32、および SD というリソース属性
を、次のような内容の resource_data_input_file を使用して変更するには、
次のように入力します。PersistentResourceAttributes:: resource 1: Int32 = -9999 Uint32 = 9999 SD = ["testing 1 2 3",1,{2,4,6}]
chrsrc -f /tmp/IBM.Foo.chrsrc ¥ -s 'Name ?= "c175n"' IBM.Foo
- リソース・ハンドルが "0x0001 0x4005 0x35ae868c 0x00000000 0xfeef2948 0x0d80b827"
に等しいリソースのリソース永続属性 Name を変更するには、
次のように入力します。
chrsrc -r "0x0001 0x4005 0x35ae868c 0x00000000 0xfeef2948 0x0d80b827" Name="c175n05"
- クラスター内の node1.linwood.com ノードおよび node2.linwood.com ノード上で、
Name が Test_Name であるリソースに対して、/u/joe/common_nodes ファイルを使って、
IBM.Foo リソース・クラス内の Int32、Uint32、および SD リソース永続属性を変更するには、次のように入力します。
さらに次のように入力します。# common node file # node1.linwood.com main node node2.linwood.com backup node #
chrsrc -s 'Name == "Test_Name"' -N /u/joe/common_nodes IBM.Foo ¥ Int32=-9999 Uint32=9999 ¥ SD='["testing 1 2 3",1,{2,4,6}]'
場所
- /opt/rsct/bin/chrsrc