chpath コマンド

目的

パスの操作状況をマルチパス入出力 (MPIO) 可能デバイスに変更するか、またはパスに関連付けられている属性を MPIO 可能デバイスに変更します。

構文

chpath -l Name -s OpStatus [ -p Parent ] [ -w Connection ] [ -i PathID ]

chpath -l Name -p Parent [ -w Connection ] [ -P ] -a Attribute=Value [ -a Attribute=Value ... ] [ -g ]

chpath -l Name -i PathID [ -P ] -a Attribute=Value [ -a Attribute=Value ... ]

chpath -h

説明

chpath コマンドは、パスの操作状況を指定されたデバイス (-l Name フラグ) に変更するか、または特定のパスに関連付けられている 1 つ以上の属性を、指定されたデバイスに変更します。 必要とされる構文は、行われる変更によって多少異なります。

上に示した最初の構文は、特定のデバイスへの 1 つ以上のパスの操作状況を変更します。 変更するパスのセットは、以下の基準と一致する一連のパスを選んで取得します。
  • ターゲット・デバイスが指定されたデバイスと一致する。
  • 親デバイスが指定された親 (-p Parent) と一致する (親が指定されている場合)。
  • 接続が指定された接続 (-w Connection) と一致する (接続が指定されている場合)。
  • パスのステータスが PATH_AVAILABLE である。

パスの操作状況は、MPIO パス選択の一部としてのパスの使用方法を参照します。 enable という値は、 パスが使用されることを示し、disable はパスが使用されないことを示します。 パスを disable に設定すると、それは既に進行中の入出力にではなく、将来の入出力に影響を与えることに注意する必要があります。 したがって、パスを使用不可にすることはできますが、 進行中だった入出力がすべて完了するまで、未解決の入出力は引き続きそのパスに存在します。 そのため、パスに対して -s disable が指定されていて、さらにそのパス上に未解決の入出力がある場合は、この事実が出力されます。

パスを使用不可にすると、その影響はデバイス・ドライバー・レベルでのパス選択に現れます。 そのパスの path_status は、デバイス構成データベース内では変更されません。 lspath コマンドを使用して、パスの現在の操作状況を調べる必要があります。

上に示した 2 番目の構文は、ある特定のパスに関連付けられている 1 つ以上のパス固有の属性を、特定のデバイスに変更します。 1 回の chpath コマンド呼び出しで複数の属性を変更できますが、それらの属性はすべて単一のパスに関連付けられているものでなければならないことに注意してください。 言い換えると、1 回の chpath コマンド呼び出しでは複数のパスにまたがった属性変更は行えないということです。 複数のパスにまたがって属性を変更するには、chpath コマンドを個別に (つまり、変更するパスごとに 1 回ずつ) 呼び出さなければなりません。

フラグ

項目 説明
-a Attribute=Value 変更する属性およびその属性の新規の値を識別します。 Attribute は、パス固有属性の名前です。 Value は、Attribute の現在の値を置き換える値です。 複数の属性を変更するために、-a Attribute=Value の複数のインスタンスを指定できます。
-g ロックされたデバイスでパスの変更操作を強制的に実行します。
-h コマンドの使用法のメッセージを表示します。
-i PathID この変更の影響を受けるパスの ID を示します。このフラグは、パスを一意的に識別するために使用されます。
-l Name 変更の影響を受けるパスのターゲット・デバイスの論理デバイス名を指定します。 このフラグはすべての場合に必須です。
-p Parent 変更するパスの修飾に使用する親デバイスの論理デバイス名を示します。 このフラグは、属性を変更する場合は必須ですが、操作状況を変更する場合はオプションです。
-P ODM オブジェクト・クラスでパスの特性を永久に変更します。パスを実際に変更するわけではありません。 この変更の影響がパスに及ぼされるのは、このパスが次にいったん構成解除されてから構成されるとき (次のブート時である可能性が高い) です。
-w Connection 変更するパスの修飾に使用する接続情報を示します。 このフラグは、操作状況の変更の場合はオプションです。 属性変更の場合は、そのデバイスの指示された親へのパスが 1 つだけであれば、このフラグはオプションです。 その親からそのデバイスへのパスが複数存在する場合は、変更する特定のパスを識別するためにこのフラグは必須です。
-s OpStatus 指定されたパスの、変更後の操作状況を示します。 パスの操作状況は、デバイス・ドライバー・レベルで保守されます。 これは、パス選択の実行時にこのパスを考慮するかどうかを決定します。このフラグに指定可能な値は次のとおりです。
enable
MPIO パス選択の場合の操作状況は enabled であるという意味のマークになります。 このステータスのパスは、パス選択の実行時に、使用できるパスであると見なされます。 パスの使用可能化は、パスを失敗条件からリカバリーする唯一の方法であることに注意してください。
disable
MPIO パス選択の場合の操作状況は disabled であるという意味のマークになります。 このステータスのパスは、パス選択の実行時に、使用できるパスではないと見なされます。
このフラグは、操作状況の変更の場合は必須です。 -a Attribute=Value フラグと一緒に使用すると、使用方法エラーが生成されます。

セキュリティー

特権制御 : このコマンドに対する実行アクセス権を持つのは、root ユーザーと system グループのメンバーだけです。

監査イベントは以下のとおりです。
イベント 情報
DEV_Change chpath コマンド・ライン

  1. scsi0hdisk1 ディスク・デバイス間のパスを使用不可にするには、次のように入力します。
    chpath -l hdisk1 -p scsi0 -s disable
    以下のいずれかと同様のメッセージがシステムによって表示されます。
    
    paths disabled
    または
    some paths disabled
    最初のメッセージは、scsi0 から hdisk1 へのすべての PATH_AVAILABLE パスが正常に使用不可になったことを示します。2 番目のメッセージは、scsi0 から hdisk1 への PATH_AVAILABLE パスのうち、一部しか正常に使用不可にならなかったことを示します。

ファイル

項目 説明
/usr/sbin/chpath chpath コマンドが入っています。

関連情報

lspath コマンド、mkpath コマンド、rmpath コマンド。