chcluster コマンド

目的

クラスター構成を変更します。

構文

ノード・エンティティー、共用ディスク・エンティティー、またはバックアップ・リポジトリー・エンティティーを追加または削除することによってローカル・サイトのクラスター・トポロジーを変更するには、次の構文を使用します。
chcluster [ -m [+|-]nodename{[cle_ip=addr1[,cle_ip=addr2][,...],cle_uuid=UUID,cle_globid=id]} [,...] ]
                 [ -d [+|-]shareddisk[,...] ] [ -b [+|-]backupdisk[,...] ] [-n cluster_name ]変更の始め[-p [+|-]comdisk]変更の終わり [-v]
リモート・サイトを含めるようにクラスター・トポロジーを拡張するには、次の構文を使用します。
chcluster -S sitename -r remote_reposdisk -m nodename [-s multi_cast_addr] [-n cluster_name ] [-v]
ノード・エンティティーを追加または削除することによってリモート・サイトのクラスター・トポロジーを変更するには、次の構文を使用します。
chcluster -S sitename -m [+|-]nodename [-n cluster_name] [-v]
バックアップ・リポジトリー・エンティティーを追加または除去することによってサイトのクラスター・トポロジー・エンティティーを変更するには、次の構文を使用します。
chcluster  -b [+|-]backupdisk[,...]  [-@ contact_node -S sitename] [-n cluster_name] [-v]
サイト・エンティティーの属性を変更するには、次の構文を使用します。
chcluster -S sitename{[cle_name=new_name,cle_prio=prio]}
ノード・エンティティーの属性を変更するには、次の構文を使用します。
chcluster -m nodename{[[+|-]cle_ip=addr1[,cle_ip=addr2][,...] | cle_hostname=name]} [ -S sitename ] [-v]

説明

chcluster コマンドは、クラスター構成を変更します。

chcluster コマンドは、Storage Area Network (SAN) の共用ディスクおよびノードのクラスター構成への追加またはクラスター構成からの除去、あるいは複数のサイトにまたがるようにするための既存のクラスターの拡張を行います。 別のサイトを作成する場合、リモート・サイト名、リモート・リポジトリー・ディスク名、およびリモート・サイト・マルチキャスト・アドレス (オプション) とともに、リモート・ノードを 1 つだけ指定します。 追加のリモート・ノードは、リモート・サイトの作成後に追加することができます。

フラグ

項目 説明
-@ at_node ディスクの汎用固有 ID (UUID) が置かれているノードを指定します。このノードは、ディスクが置かれているサイトと同じサイト内にある、到達可能なノードでなければなりません。 このフラグは、ローカル・サイトの変更の場合はオプションですが、リモート・サイトの変更の場合は必須です。 このフラグが適用されるのは、-b フラグによって指定されたディスクのみです。
-b [+|-] backupdisk [,...] hdisk5hdisk6 などの SAN 共用ストレージ・デバイスのコンマ区切りリストを指定します。これらのディスクは、クラスターの中央リポジトリーのバックアップとして使用されます。 中央リポジトリーがアクセス不能な場合、このリストにあるディスクは交換用として使用されます。 これらのデバイスは、サイト内のすべてのノードからアクセスできる必要があります。
-d [+|-] shareddisk [,....] クラスター構成に追加する、またはクラスター構成から除去する必要がある共用ストレージ・デバイス名をコンマ区切りのリストで指定します。 chcluster コマンドの実行時に共用ディスクがオープンしていてはいけません。 このディスクは、コマンドを実行しているノードのローカル・サイト内になければなりません。
-m [+|-]node[,...] クラスター構成に追加する、またはクラスター構成から除去する必要があるノード名をコンマ区切りのリストで指定します。
以下のノード情報は、ノードがクラスターに追加される場合にのみ指定することができます。
cle_uuid
メモがクラスター全体で固有のものである場合に使用されるノード UUID を指定します。 ノード UUID を指定しないと、自動的に生成されます。
cle_globid
ノードの簡略 ID を指定します。この ID は固有の符号なしの整数でなければなりません。値はゼロより大きくなければなりません。簡略 ID を指定しないと、自動的に生成されます。
以下のノード属性を、引数とともに指定できます。
cle_ip

ノードのゲートウェイ・アドレスを指定します (クラスターが複数のサイトにまたがる場合)。通常、この属性は、外部ノードからこのノードに到達するために使用するアドレスです。この属性は、IPv4 または IPv6 のいずれかの形式で指定できます。

+ 符号とそれに続く値を指定して新規ノードをクラスターに追加する場合は、そのノードは指定された値でクラスターに追加されます。

既存のノードが + 符号とそれに続く属性で指定される場合は、新規の属性がノードに追加されます。

既存のノードが - 符号とそれに続く属性で指定される場合は、指定された属性がノードから削除されます。

cle_hostname

ノードの新規ホスト名を指定します。

-n name 変更する必要があるクラスターの名前を指定します。 このフラグを省略した場合、デフォルトのクラスターが使用されます。
変更の始め-p [+|-] comdisk変更の終わり 変更の始めSAN 共有ストレージ・デバイス (例えば、hdisk5 および hdisk6) を指定します。 これらのディスクは、ネットワークがダウンしている際のノード間通信のために、共有ストレージ・プール・クラスターによって使用されます。

正符号 (+) を指定するか、またはいずれの符号も指定しないと、ストレージ・デバイスが共有ストレージ・プール・クラスターに追加されます。 負符号 (-) を指定すると、ストレージ・デバイスは共有ストレージ・プール・クラスターから削除されます。

変更の終わり
-v 冗長モードを指定します。
-r +remote_reposdisk リモート・サイトのリポジトリーとして使用されるリモート・ディスクの名前を指定します (最初のリモート・ノードとして認識される)。このフラグは、リモート・サイトを作成する場合にのみ使用されます。
-s +multi_cast_addr リモート・サイトに使用されるマルチキャスト・アドレスを指定します。このフラグを省略した場合、デフォルトのマルチキャスト・アドレスが生成されます。
-S +sitename 指定されたエンティティーに関連付けられているサイトの名前を指定します。 現在、クラスターがサポートするサイトは 2 つだけです。このフラグを省略した場合、実行中のノードのサイトが使用されます。
以下のサイト情報は、サイト作成時にのみ指定できます。
cle_uuid
ノードがクラスター全体で固有のものである場合に使用されるサイト UUID を指定します。サイト UUID を指定しないと、自動的に生成されます。
cle_globid
サイトの簡略 ID。この ID は固有の符号なしの整数でなければなりません。値はゼロより大きくなければなりません。簡略 ID を指定しないと、自動的に生成されます。
以下のサイト属性は、サイト作成時に指定できます。
cle_prio
サイトの優先順位を指定します。値が小さくなると優先順位は高くなります。この優先順位は、リポジトリー・メタデータの同期化のコンテキスト内で主に使用されます。2 つのサイトが分割され、リポジトリー・データが非同期状態になった場合は、高い優先順位のサイトのデータが、低い優先順位のサイトにコピーされて上書きされます。
サイトがすでに存在する場合は、下記の属性を変更することができます。
cle_name
サイトの新しい名前を指定します。
cle_prio
サイトの新しい優先順位を指定します。
その他の値を変更することはできません。

  1. 共用ディスクをクラスター構成に追加するには、次のように入力します。
    chcluster -n mycluster -d +hdisk20,+hdisk21
  2. 共用ディスクをクラスター構成から除去するには、次のように入力します。
     chcluster -n mycluster -d -hdisk20,-hdisk21
  3. クラスター構成にノードを追加するには、次のように入力します。
    chcluster -n mycluster -m +nodeD,+nodeE
  4. クラスター構成からノードを除去するには、次のように入力します。
    chcluster -n mycluster -m -nodeD,-nodeE
  5. サイトをクラスター構成に追加するには、次のように入力します。
    chcluster -n mycluster -S +remotesite -m +nodeZ -r +hdisk5
    ここで、hdisk5 は、nodeZ ノードで認識されるディスクの名前です。
  6. 既存のサイトの名前を変更するには、次のように入力します。
    chcluster -n mycluster -S remotesite{cle_name=myremotesite}
    
  7. クラスター内の既存のノードの名前を変更するには、次のように入力します。
    chcluster -n dynamicCluster –m rosy{cle_hostname=pinky}
  8. バックアップ・ディスク hdisk1hdisk2 をローカル・サイトに追加するには、次のコマンドを入力します。
    chcluster -S Local -b +hdisk1,+hdisk2
  9. バックアップ・ディスク hdisk1hdisk2 をローカル・サイトから除去するには、次のコマンドを入力します。
    chcluster -S Local -b -hdisk1,-hdisk2
  10. バックアップ・ディスク hdisk3hdisk4 をリモート・サイトに追加するには、次のコマンドを入力します。
    chcluster -S Remote -b +hdisk3,+hdisk4 -@ remote_node
  11. バックアップ・ディスク hdisk3hdisk4 をリモート・サイトから除去するには、次のコマンドを入力します。
    chcluster -S Remote -b -hdisk3,-hdisk4 -@ remote_node