artexget コマンド
目的
artexget コマンドは、指定のプロファイルまたはシステムから構成およびチューニング・パラメーターの情報をリストします。
構文
artexget [-v] [-d] [-p | -r | -n] [-l {dynamic | disruptive | reboot}] [-f {txt |csv | xml}] [-m comment] [-V version] [-g categories] [-g level] profile
artexget [-q] [-d] [-p | -r | -n] [-l {dynamic | disruptive | reboot}] [-f {txt |csv | xml}] [-m comment] [-V version] [-g categories] [-g level] profile
説明
artexget コマンドは、プロファイルまたはシステムから構成およびチューニング・パラメーターの情報をリストします。
オプション -p、-r、または -n のいずれも指定しない場合、このコマンドはパラメーターと値の対を引数 profile から出力します。
-r オプションを指定した場合、このコマンドはシステムからパラメーターの現行値を出力します。
-n オプションを指定した場合、このコマンドは、次のシステム再起動後にパラメーターの値を出力します。
-p オプションを指定した場合、このコマンドは、プロファイル内の applyType
属性値に基づいて、パラメーターの現行値または次のシステム再起動後のパラメーターの値のいずれかを出力します。
このコマンドで、選択基準に基づいてパラメーターのサブセットをリストすることもできます。
選択基準を指定しない場合、このコマンドはプロファイル内にリストされたすべてのパラメーターのリストを出力します。
動的選択基準 (-l dynamic
) を指定した場合、このコマンドは、変更を有効にするためにリブートや中断を伴うアクションを必要としないパラメーターのリストを出力します。中断を伴うアクションとしては、サービスの停止と再開、またはファイルシステムのアンマウントとマウントなどがあります。中断を伴う選択基準 (-l disruptive
) を指定した場合、このコマンドは、変更を有効にするために中断を伴うアクションを必要とするパラメーターのリストを出力します。選択基準リブート (-l reboot
) を指定した場合、このコマンドは、変更を有効にするためにリブートを必要とするパラメーターのリストを出力します。
このコマンドは、出力結果を異なる 3 つのフォーマットで stdout
に表示します。
この出力結果は、リダイレクター (>) を使用してファイルに保存できます。
出力フォーマットを何も指定しない場合、出力結果は XML 形式で表示されます。
コンマ区切り値 (CSV) 形式 (-f csv
) を指定した場合は、CSV 形式で表示され、これを使用してスプレッドシートで開くことができます。
テキスト形式 (-f txt
) を指定した場合、出力は読み取り可能な、テーブルの形式で表示されます。
プロファイルにはユーザー・コメントとバージョンを追加できます。-m オプションをコメントとともに指定すると、そのコメントが出力プロファイルに含まれます。-V オプションをユーザー改訂番号とともに指定すると、出力プロファイルのバージョン番号が更新され、改訂番号がユーザーの指定した改訂番号に変更されます。それ以外の場合、出力プロファイルのバージョン番号の改訂番号は 1 つ増分されます。
指定のプロファイルは、相対パスまたは絶対パスを使用してローカル・ファイルシステムに置かれるか、LDAP (Lightweight Directory Access Protocol) サーバーに置かれる場合があります。
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-d | artexset コマンドの -d フラグと共に使用されると、パラメーターのすべてのインスタンスを同じ値に設定するプロファイルを作成します。 出力プロファイルには、-d フラグが使用されない場合に同じ値を共用することになるすべてのインスタンスに使用するパラメーターのみが含まれます。したがって、その他のパラメーターはプロファイルから除去されます。 |
-f | 出力フォーマットを指定します。-f フラグには、以下の変数があります。
|
-g categories | 指定されたコンマ区切りのカテゴリー・リストに関するデバッグ・メッセージを表示します。このオプションは新規のカタログ・ファイルを作成する際に役立ちます。以下のカテゴリーを使用できます。
注: デフォルト・カテゴリーは ALL です。
|
-g level | デバッグ・トレースの詳細度を 0 (デバッグ・トレースなし) から 3 (最大詳細レベル) の範囲で整数で指定します。デフォルト・レベルは 0 です。 |
-l { dynamic | disruptive | reboot } | 出力結果にどのチューナブル値をリストするかを示します。
-l フラグには次のオプションがあります。
|
-m comment | これを使用すると、ユーザーはプロファイルにコメントを追加できます。 -m フラグを使用すると、指定されたコメントが前のコメントを上書きします。これはオプション・フラグです。 |
-n | 次のシステム再起動後にパラメーターの値をリストします。 -p、-r、または -n オプションを指定しないと、プロファイルによって記述されるチューナブル値がリストされます。 |
-p | プロファイル内の applyType 属性値に基づいて、パラメーターの現行値または次のシステム再起動後のパラメーターの値のいずれかをリストします。 |
-q | これを使用すると、ユーザーは致命的でない警告メッセージを無視することができます。無視されたメッセージは、画面上に表示されません。これはオプション・フラグです。
注: このフラグは、-v フラグと一緒には使用できません。
|
-r | 稼働中のシステムでの現行値をリストします。 |
-v | artexget コマンドの処理中に実行される AIX コマンドによって生成される警告メッセージとエラー・メッセージを表示します。メッセージは、stderr に表示されます。これはオプション・フラグです。
注: このフラグは、-q フラグと共には使用できません。
|
-V version | 結果プロファイルのユーザー改訂番号を設定します。デフォルトにより、エントリー・プロファイルのユーザー改訂番号が増分されます。フラグ -V を使用すると、指定されたユーザー改訂番号が、プロファイルのバージョン番号内の既存の改訂番号を上書きします。 |
パラメーター
項目 | 説明 |
---|---|
profile | これは必須ファイルです。指定されたファイルにはチューナブル・パラメーターのリストが含まれます。 標準入力のプロファイル名として - (ダッシュ) を指定することができます。 |
終了状況
項目 | 説明 |
---|---|
0 | コマンドは正常に完了しました。 |
>0 | エラーが発生しました。 |
セキュリティー
アクセス制御: このコマンドは、実行 (x) アクセス権を root ユーザーとセキュリティー・グループのメンバーだけに与えます。このコマンドは、トラステッド・コンピューティング・ベース (TCB) 内のプログラムとしてインストールします。 setuid (SUID) ビットが設定されている root ユーザーがこのコマンドを所有する必要があります。
- aix.security.user.audit
- aix.security.role.assign
- aix.security.group.change
- aix.security.user.change
アクセスされるファイルは以下のとおりです。
モード | ファイル |
---|---|
rw | /etc/passwd |
rw | /etc/security/user |
rw | /etc/security/user.roles |
rw | /etc/security/limits |
rw | /etc/security/environ |
rw | /etc/group |
rw | /etc/security/group |
r | /usr/lib/security/artexget.default |
x | /usr/lib/security/artexget.sys |
監査イベント:
イベント | 情報 |
---|---|
USER_Create | ユーザー |
例
次の例では、LDAP サーバーに保管される profile1.xml
プロファイルからパラメーターと値の対を出力する方法を説明します。
artexget ldap://profile1.xml
次の例では、次のシステム再起動後に、local_profile.xml
プロファイルを使用してシステムからパラメーターの値を出力する方法を説明します。
artexget -n local_profile.xml
次の例では、local_profile.xml
プロファイルを使用して、システムからパラメーターの現行値をテキスト形式で出力する方法を説明します。
artexget -r -f txt local_profile.xml