alog コマンド

目的

標準入力から作成される固定サイズのログ・ファイルを作成し、保持します。

構文

ログ・ファイルの内容を表示する

alog -f LogFile [ -o ] 指定したログ・ファイルにデータを記録する

alog -f LogFile | [ [ -q ] [ -s Size ] ]

指定したログ・タイプの詳細値を表示する

alog -t LogType -V

指定したログ・タイプの属性を変更する

alog -C -t LogType [ -f LogFile ] [ -s Size ] [ -w Verbosity ]

指定したログ・タイプの現行の属性を表示する

alog -L [ -t LogType ]

alog コマンドの使用方法を表示する

alog -H

説明

alog コマンドは、標準入力を読み取り、標準出力に書き出し、固定サイズ・ファイルに出力をコピーします。 このファイルは循環ログとして扱われます。 ファイルがいっぱいになると、最も古い既存のエントリーが新しいエントリーで上書きされます。

alog コマンドは、コマンド・ラインに指定されたログ・ファイル、または alog 構成データベース内に定義されているログを処理します。 alog 構成データベース内に定義されているログは、LogType により識別されます。 定義済みの各 LogTypeFileSize、および Verbosity 属性は、LogType と共に alog 構成データベースに格納されます。 odmadd コマンドを使うと、alog 構成データベースに新しい LogType を追加できます。 alog コマンドは、alog 構成データベース内に定義されている LogType の属性を変更できます。

フラグ

項目 説明
-C 指定した LogType の属性を変更します。 指定した LogTypeFileSize、および Verbosity 属性を変更するには、-C フラグを -f-s、および -w フラグと共に使用します。 -t LogType フラグは必須です。
注: -C フラグと -sSize フラグを一緒に使用すると、ODM 内のサイズの値のみが変更され、実際のログ・ファイルのサイズは変更されません。

-C フラグを使うと、alog コマンドは、標準出力またはログ・ファイルに標準入力をコピーしません。

コンソール・ログ・タイプの属性を変更するために -C フラグを使用する場合は、 コンソール・ログ・ファイルもまた変更され、新規の値を使用するためにコンソール・デバイス・ドライバーが更新されます。 これは alog -C の通常のオペレーションからの逸脱であり、特別の形式設定をコンソール・ログ・ファイル内で適応させるために行われます。

注: alog の属性を変更するには、root ユーザー権限を持っていなければなりません。

-f LogFile ログ・ファイルの名前を指定します。 指定されたログ・ファイルが存在しない場合は、新たに作成されます。 alog コマンドは、ログ・ファイルへの書き込みができないときは、/dev/null に書き込みます。 -f LogFile フラグを -C および -t フラグと共に使うと、alog 構成データベース内に定義されている LogTypeFile 属性を変更できます。
-H alog コマンドの使用方法を表示します。
-L alog 構成データベース内に現在定義されているログ・タイプを出力します。 -L フラグを -t LogType フラグと共に使用すると、指定した LogType の属性が出力されます。FileSize、および Verbosity 属性の現在の値が、次のようにコロンで区切って表示されます。

<File>:<Size>:<Verbosity>

-L フラグを使うと、alog コマンドは、標準出力または File に標準入力をコピーしません。

-o ログ・ファイルの内容をリストします。ログ・ファイルの内容を先頭から順番に標準出力に書き出します。
-q 標準入力をログ・ファイルにコピーしますが、標準出力には書き出しません。
-s Size ログ・ファイルのサイズ限度をバイト単位で指定します。ログ・ファイル用のスペースは、そのログ・ファイルが作成された時に予約されます。新規ログ・ファイルの作成時に Size 属性を指定しなかった場合は、最小サイズの 4096 バイトが使用されます。ログ・ファイルが既に存在している場合は、そのサイズが変更されます。指定したサイズは、4096 バイトの整数倍に丸められます。ログ・ファイルの最大サイズは 2 GB です。指定されたサイズが 2 GB より大きい場合は、2 GB と見なされます。 ログ・ファイルのサイズを小さくした場合、エントリーが新しいサイズ限度内に収まらないと、最も古いエントリーが削除されます。ログ・ファイルのサイズを変更するには、そのログ・ファイルに対する書き込み許可を持っていなければなりません。

alog 構成データベース内に定義されている LogTypeSize 属性を変更するには、-s Size フラグを -C および -t フラグと共に使用します。ODM 内のサイズの値のみが変更されます。実際のログ・ファイルのサイズは変更されません。新しい Size 属性値は、次回のログ・ファイル作成時に使用されます。

-t LogType alog 構成データベース内に定義されているログを識別します。 alog コマンドは、alog 構成データベースからログのファイル名とサイズを取り出します。LogFile が存在しない場合は、新たに作成されます。

指定された LogType に関する情報を alog 構成データベースから入手できない場合、または alog コマンドが LogFile に書き込めない場合は、alog コマンドは /dev/null に書き込みます。

-f フラグを使用して LogType および LogFile を指定した場合は、LogFile が使われ、LogType は無視されます。

-V alog 構成データベース内に定義されている LogTypeVerbosity 属性の現在の値を、標準出力に書き出します。LogType を指定しなかった場合、または指定した LogType が定義されていない場合は、標準出力になにも書き出されません。

-t LogType および -V フラグを伴う alog コマンドを使って出力した値を、alog コマンドに出力を入力するコマンドで使用することにより、そのパイプに書き込むデータの詳細度を制御できます。

-w Verbosity これは -C および -t フラグと共に使用するもので、alog 構成データベース内に定義されている LogTypeVerbosity 属性を変更します。

Verbosity 属性に指定できる値は、0 から 9 までです。この値が 0 の場合は、alog コマンドは LogFile に何も情報をコピーしません。標準出力には、すべての情報が書き出されます。値が 0 以外である場合は、alog コマンドの標準入力に入力されたすべての情報が、LogFile と標準出力にコピーされます。

  1. 現在の日付と時刻を sample.log という名前のログ・ファイルに記録するには、次のように入力します。
    date | alog -f /tmp/sample.log
  2. ログ・ファイル /tmp/sample.log の内容を出力するには、次のように入力します。
    
    alog -f /tmp/sample.log -o
  3. /tmp/sample.log という名前のログ・ファイルのサイズを 8192 バイトに変更するには、次のように入力します。
    echo "resizing log file" | alog -f /tmp/sample.log -s 8192
  4. 新しいログ・タイプ sample を alog 構成データベースに追加するには、alog.add ファイルを次のフォーマットで作成します。
    
    SWservAt:
        attribute="alog_type"
        deflt="sample"
        value="sample"
     
    SWservAt:
        attribute="sample_logname"
        deflt="/tmp/sample.log"
        value="/tmp/sample.log"
     
    SWservAt:
        attribute="sample_logsize"
        deflt="4096"
        value="4096"
     
    SWservAt:
        attribute="sample_logverb"
        deflt="1"
        value="1"

    alog.add ファイルが作成された後で、次のように入力します。

    
    odmadd alog.add

    このコマンドにより、alog.add ファイルが SWservAt データベースに追加されます。

  5. alog 構成データベース内で、ログ・タイプ sample のログ・ファイルの名前を /var/sample.log に変更するには、次のように入力します。
    
    alog -C -t sample -f /var/sample.log
  6. ブート・ログのサイズを 8192 バイトに変更し、ODM 内の新規サイズに反映させるには、次のように入力します。
    alog -C -t boot -s 8192
    echo "Changed log size" | alog -t boot -s 8192

ファイル

項目 説明
/etc/objrepos/SWservAt ソフトウェア・サービス支援属性オブジェクト・クラス