スロットル
スロットル は、サポートされるオブジェクトの入出力をシステムが処理しているときに使用されるリソースの量を制御するためのメカニズムです。システムは、ホスト、ホスト・クラスター、ボリューム、コピー・オフロード操作、およびストレージ・プールで、スロットルをサポートします。スロットル限度が定義されていると、システムはそのオブジェクトの入出力を処理するか、または入出力の処理を遅らせて重要度の高い入出力操作のためにリソースを解放します。
システムは、ボリュームの入出力操作の処理を遅延させるためのスロットルもサポートします。ストレージ・システムが多種多様なアプリケーションにストレージを提供している場合、より重要度の高い入出力を扱う実動ボリュームが、操作の優先順位の低いボリュームと競合する場合があります。例えば、バックアップ操作またはアーカイブ操作に使用されるボリュームでは入出力集中型のワークロードが発生し、実動ボリュームから帯域幅を奪う可能性があります。ボリューム・スロットルを使用して、このようなタイプのボリュームの入出力を制限し、実動ボリュームの入出力操作に影響が出ないようにすることができます。
Microsoft Windows Server 2012 上のオフロード・データ転送 (ODX) や、VMware ホスト上の XCOPY/WRITESAME 機能など、コピー・オフロード機能が有効に設定されているシステムに対しても、スロットルを作成できます。コピー・オフロードは、特定タイプのホストの操作をストレージ・システムにオフロードすることにより、ホストを解放し、コピー・プロセスを高速化します。これらの機能を有効にしたシステムの場合、管理者はスロットルを定義し、コピー・オフロードの処理を遅らせて、さらに重要なその他の操作のために帯域幅を解放することができます。コピー・オフロード用にスロットルを定義した場合、スロットルはシステム全体にわたって適用されます。システム上の他のスロットルと同様に、IOPS スロットルか帯域幅スロットル、またはその両方を設定できます。ただし、コピー・オフロード操作には帯域幅スロットルの方が効果的です。
ストレージ・プールにスロットルを定義して、バックエンド・ストレージ・システムの入出力操作を制御することができます。 ストレージ・プール・スロットルは、バックエンド・ストレージへの過大な負荷を避けるために使用でき、仮想ボリュームと一緒に使用できます。
ボリューム、ホスト、ホスト・クラスター、コピー・オフロード、およびストレージ・プールのスロットルは、管理 GUI で構成することも、コマンド・ライン・インターフェース (CLI) を使用して構成することもできます。