LTO データ・カートリッジ
このセクションでは、IBM® LTO データ・カートリッジの構造、操作、およびコンポーネントについて説明します。
IBM LTO 8 カートリッジは赤褐色で、上部に「Ultrium 8 - 12 TB」というシルク・スクリーン・ラベルが付いています。 IBM LTO 7 カートリッジは紫色で、上部に「Ultrium 7 - 6 TB」というシルク・スクリーン・ラベルが付いています。IBM LTO 6 カートリッジは黒色で、上部に「Ultrium 6 - 2.5 TB」というシルク・スクリーン・ラベルが付いています。IBM LTO 5 カートリッジは赤紫色で、上部に「Ultrium 5 - 1.5 TB」というシルク・スクリーン・ラベルが付いています。IBM LTO 4 カートリッジは緑色で、上部に「Ultrium 4 - 800 GB」というシルク・スクリーン・ラベルが付いています。IBM LTO 3 カートリッジは青灰色です。IBM LTO 2 カートリッジは紫色で、LTO 1 カートリッジは黒色です。WORM データ・カートリッジは、他のデータ・カートリッジと区別するために 2 色になっています。各 WORM カートリッジは、上部が同じ世代のデータ・カートリッジと同じ色ですが、下部はグレーです。
カートリッジのテープを処理するとき、LTO テープ・ドライブは、線形サーペント (蛇行) 記録フォーマットを使用します。 LTO 8 ドライブは 6656 トラックのデータを読み書きし、LTO 7 ドライブは 3584 トラックのデータを読み書きし、LTO 6 ドライブは 2176 トラックのデータを読み書きし、LTO 5 ドライブは 1280 トラックのデータを読み書きします。 LTO 8 および 7 ドライブは、一度に 32 トラックずつ読み書きを行います。LTO 6 および LTO 5 ドライブは、一度に 16 トラックずつ読み書きを行います。最初のトラックのセットが、テープの始め近くからテープの終わり近くまで書き込まれます。 その後、ヘッドが次のトラックのセットの位置に移動して戻りの動作が行われます。この処理は、すべてのトラックが書き込まれてテープがいっぱいになるまで、またはすべてのデータが書き込まれるまで続きます。 LTO テープ・ドライブおよびカートリッジの互換性について詳しくは、LTO テープ・ドライブに関するトピックを参照してください。
図 1 に、IBM LTO データ・カートリッジおよびそのコンポーネントを示します。
# | コンポーネント | # | コンポーネント |
---|---|---|---|
1 | LTO カートリッジ・メモリー | 4 | 書き込み保護スイッチ |
2 | カートリッジ・ドア | 5 | ラベル域 |
3 | 先行ピン | 6 | 挿入ガイド |
IBM LTO データ・カートリッジのすべての世代には、Linear Tape-Open・カートリッジ・メモリー (LTO-CM) チップ (図 1 の 1 を参照) が入っています。このチップには、カートリッジおよびテープに関する情報 (テープを作成した製造元の名前など) や、カートリッジの使用に関する統計的な情報が記録されます。LTO-CM は、カートリッジの効率を高めます。 例えば、LTO-CM にはデータ終了位置が格納されているので、次にそのカートリッジを挿入して Write コマンドを実行したときに、ドライブは素早く記録域を探し出して記録を開始することができます。 また、LTO-CM は、カートリッジの使用期間、ロード回数、累積エラー回数についてのデータも保持しているので、カートリッジの信頼性の判定にも役立ちます。 テープ・カートリッジをアンロードするたびに、テープ・ドライブはすべての関連情報をカートリッジ・メモリーに書き込みます。 LTO-CM の記憶容量は 4096 バイトです。
カートリッジ・ドア ( 2 ) は、カートリッジがドライブの外にある間にテープが汚れるのを防ぎます。 ドアの裏側で、テープは先行ピン 3 に取り付けられます。カートリッジをドライブに挿入すると、スレッド機構がピン (およびテープ) をカートリッジから引き出し、ドライブ・ヘッド上を通して、固定テープ巻取機構のリールにかけます。 これで、ヘッドはテープとの間でデータの読み取りおよび書き込みを行うことができます。
書き込み保護スイッチ ( 4 ) は、テープ・カートリッジにデータが書き込まれないように保護するものです。 ラベル域 ( 5 ) は、ラベルを貼り付ける場所です。 ここに貼り付けることができるのは、バーコード・ラベルのみです。 ラベルを貼り付けるときは、くぼんだラベル域にのみ貼り付けてください。 くぼんだ部分からラベルがはみ出していると、ロード時に内部ドライブまたは TS4500 テープ・ライブラリーで問題が発生する可能性があります。 挿入ガイド ( 6 ) は大きなノッチ状の部分で、カートリッジを正しくない向きに挿入するのを防ぎます。 バーコード・ラベル付きのテープ・カートリッジ、またはカスタム・ラベルをオーダーできます。
第 3 世代以降の世代の LTO データ・カートリッジの公称寿命は、ロードとアンロードのサイクルで 20,000 回です。