パフォーマンス

IBM® XIV® Storage System のパフォーマンス・フィーチャーには、全体のロード・バランシング、インテリジェント・キャッシュ、および 1 Gb イーサネット接続が含まれます。

全体のロード・バランス

IBM XIV Storage System アーキテクチャーの基本理念は、システム内のすべてのハードウェア・コンポーネントに、処理およびデータの保管 (論理ボリュームに関連付けられる) を均等に配分することです。

全体のロード・バランスの最適な状態は、すべての環境で、またシステム内でどのような種類の構成変更 (ハードウェア障害による変更を含む) を行った場合でも保持されます。そのため、そこから派生する非常に高いパフォーマンス・パラメーターをフルにスケーリングすることができます。

さらに、IBM XIV Storage System の負荷分散は、システムを拡張した場合も維持されます。 モジュールが追加されると、既にシステムに書き込まれているデータは、拡張されたシステム内のすべてのモジュールおよびディスク・ドライブに均等にデータが分散するように再配分されます。 再配分プロセス全体で、システム内にデータのコピーが少なくとも 2 つ保持されます。 これらの再配分プロセス中および完了後にも、信頼性、可用性、およびパフォーマンスへの影響はありません。

IBM XIV Storage System でのデータ配分は、システムのストレージ・リソース全体のボリュームすべてを最適に仮想化することと同等です。 この仮想化の下では、システム内で実行された入出力アクティビティーは、使用可能な物理リソースをいつでも最大限に活用します。 特定のボリュームに送信された書き込みあるいは読み取り要求は、すべての CPU 能力、内部帯域幅、およびディスク容量を利用し、ほとんどのボトルネックを除去します。

パフォーマンス向上のためのインテリジェント・キャッシング

IBM XIV Storage System は、キャッシュ管理の拡張アルゴリズムおよび分散キャッシュの使用によってインテリジェント・キャッシング機能を提供します。

IBM XIV Storage System で採用されているアルゴリズムは、キャッシュ・メモリー内でのデータのプロモーション、降格、およびデステージングのための革新的なアプローチを使用します。 また、システムは、高効率の新規プリフェッチ・ルーチンを使用します。 これらのアルゴリズムはデータを要求したホストには透過的です。 結果として、システムが処理するデータ要求の応答時間および待ち時間が短縮されます。

さらに、それぞれのデータ・モジュールまたはインターフェース・モジュールは、ローカル・ディスクのデータのみをキャッシュします。 これには、キャッシュとキャッシュされているドライブ間の接続帯域幅を非常に高くすることができるという利点があります。 さらに、それぞれのデータ・モジュールおよびインターフェース・モジュールは、その全処理能力を 独立キャッシュの管理に充てるため、またその独立キャッシュは、そのローカル・ディスクのデータのみを処理するため、パフォーマンスを低下させることなく、より小さいスロットを自由に使用することができます。 IBM XIV Storage System は、4 KB の小さいキャッシュ・スロットと 1 MB の大きいキャッシュ・スロットを使用して、キャッシュ・メモリーを高効率で使用できるようにします。 キャッシュ・スロット・サイズは、システムが自動的に決め、キャッシュされている領域に含まれるデータのアクセス・パターンに基づいて変えられます。