非線型正準相関分析 (OVERALS)
非線型正準相関分析は、最適尺度法によるカテゴリー正準相関分析に相当します。この手続きの目的は、カテゴリー変数の複数の組が互いにどのように類似しているかを判断することです。非線型正準相関分析の略語は OVERALS です。
標準正準相関分析は多重回帰分析を拡張したものですが、変数の第 2 組には単一の応答変数ではなく、複数の応答変数が含まれます。この分析の目的は、低次元空間で、2 組の数値変数間の関係における分散を可能な限り記述することです。最初に、線型結合が最大の相関を持つように、各組の変数が線型的に結合されます。この組み合わせにより、先行する結合との相関がなく、考えられる最大の相関を持つ後続の線型結合が決定されます。
最適尺度法は、標準分析を次の 3 点で拡張したものです。第 1 に、OVERALS では、3 組以上の変数を使用することができます。第 2 に、変数は、名義変数、順序変数、数値変数のいずれかとして尺度化することができます。したがって、変数間の非線型関係を分析することができます。最後に、変数の組間の相関を最大化するのではなく、オブジェクト・スコアによって定義された未知の折衷組に対して、変数の組が比較されます。
例: 最適尺度法によるカテゴリー正準相関分析を使用して、職種と教育年数が格納された 1 組の変数と、居住地区と性別が格納された別の 1 組の変数の関係を図示することができます。この例では、教育年数と居住地区がそれ以外の変数よりも判別に役立つことがわかります。また、最初の次元では、教育年数が最も判別に役立つこともわかります。
統計と作図: 度数、重心、反復の記述、オブジェクト・スコア、カテゴリー数量化、重み付け、成分負荷、単一適合と多重適合、オブジェクト・スコア・プロット、カテゴリー軸プロット、成分負荷プロット、カテゴリー重心プロット、変換プロット。
非線型正準相関分析データの考慮事項
「データ」。カテゴリー変数 (名義尺度水準または順序尺度水準) をコード化するには整数を使用します。出力を最小限に抑えるには、1 で始まる連続した整数を使用して各変数をコード化します。数値レベルで尺度化される変数を連続した整数に再割り当てすることはできません。数値レベルで尺度化される各変数について出力を最小限に抑えるには、それぞれの値から最小観測値を減算して 1 を加算します。小数値については、小数点以下が切り捨てられます。
仮定: 変数は 2 つ以上の組に分けることができます。分析対象の変数は、多重名義変数、単一名義変数、順序変数、または数値変数として尺度化されます。この手続きで使用される次元の最大数は、変数の最適尺度水準によって異なります。すべての変数が順序変数、単一名義変数、または数値変数として指定されている場合、次元の最大数は、観測値の数から 1 を減算した数値と変数の総数のうち、小さい方の数値になります。ただし、変数が 2 組しか定義されていない場合、小さい方の組の変数の数が次元の最大数になります。一部の変数が多重名義変数の場合、次元の最大数は、多重名義カテゴリーの総数に非多重名義変数の数を加算し、そこから多重名義変数の数を減算した数値になります。例えば、分析で 5 つの変数を使用し、そのうちの 1 つが 4 つのカテゴリーを持つ多重名義変数である場合、次元の最大数は (4 + 4 – 1) で 7 になります。この最大値よりも大きな値を指定しても、この最大値が使用されます。
関連プロシージャー: 各組に変数が 1 つだけ含まれている場合、非線型正準相関分析は、最適尺度法による主成分分析と同等になります。これらの各変数が多重名義変数の場合、この分析は多重応答分析に相当します。2 組の変数があり、一方の組に変数が 1 つだけ含まれている場合、この分析は最適尺度法によるカテゴリー回帰分析と同等になります。
非線型正準相関分析を行うには
この機能を使用するには、SPSS® Statistics Professional Edition または Categories オプションが必要です。
- メニューから次の項目を選択します。
- 「すべての変数が多重名義」または「一部の変数が多重名義でない」を選択します。
- 「多重グループ」を選択します。
- 「定義」をクリックします。
- 2 組以上の変数を定義します。第 1 の組に含める変数を選択します。「次へ」をクリックして次の組に移動し、第 2 の組に含める変数を選択します。さらに組を追加することができます。前に定義した変数の組に戻るには、「前」をクリックします。
- 選択した各変数の値範囲と測定尺度 (最適尺度水準) を定義します。
- 「OK」をクリックします。
- オプション:
- 1 つ以上の変数を選択して、オブジェクト・スコア・プロットのポイント・ラベルを指定します。各変数によって個別のプロットが作成され、その変数の値がラベルとして各ポイントに付けられます。これらのプロット・ラベル変数ごとに、範囲を定義する必要があります。ダイアログ・ボックスを使用する場合、1 つの変数を分析とラベル付けの両方で使用することはできません。分析で使用される変数を使用してオブジェクト・スコア・プロットにラベルを付ける場合は、「変換」メニューの「計算」機能を使用して、その変数のコピーを作成してください。この新しい変数を使用して、プロットにラベルを付けてください。また、コマンド・シンタックスを使用することもできます。
- 解で必要となる次元の数を指定します。通常、変動の大部分を記述するために必要な最小限の次元数を選択します。分析で 3 つ以上の次元を使用する場合、最初の 3 つの次元の 3 次元プロットが作成されます。その他の次元は、図を編集することによって表示することができます。
この手続きでは、OVERALSのコマンド・シンタックスが貼り付けられます。