GLM 反復測定

「GLM 反復測定」プロシージャーでは、各被験者またはケースに対して同じ測定を数回行う場合に分散分析を行います。被験者間因子を指定すると、母集団がいくつかのグループに分けられます。この一般線型モデル・プロシージャーを使用して、被験者間因子と被験者内因子の両方の効果について、帰無仮説を検定できます。因子間の交互作用と個々の因子の効果を調べることができます。さらに、定数共変量の効果と被験者間因子と共変量の交互作用を含めることができます。

2 重多変量の反復測定計画の場合、従属変数は、被験者内因子のさまざまなレベルに対する複数の変数測定を表します。例えば、被験者ごとに 3 つの異なる時間に脈と呼吸の両方を測定できます。

「GLM 反復測定」プロシージャーでは、反復測定データに対する 1 変量と多変量の両方の分析を行います。検定は、釣り合い型モデルと不釣り合い型モデルの両方に対して実行できます。モデル内の各セルに同じ数のケースが含まれている場合、その計画は釣り合っています。 多変量モデルの場合は、モデルの効果による平方和と誤差平方和が、1 変量の分散分析に見られるスカラー形式ではなく、行列形式になります。この行列は SSCP (平方和と交差積) 行列と呼ばれます。「GLM 反復測定」では、仮説の検定の他に、パラメーターの推定も行います。

被験者間因子の仮説検定には、一般的に使用されている事前 対比を使用できます。さらに、全体的な F 検定で有意性が判明していれば、その後の検定を使用して、特定の平均値間の差を評価できます。推定周辺平均からはモデル内のセルの予測平均値を推定でき、これらの平均値のプロファイル・プロット (交互作用プロット) を使用して一部の関係を簡単に視覚化できます。

残差、予測値、Cook の距離、てこ比の値は、データ・ファイルに新規変数として保存し、仮定の確認に使用できます。また、残差の平方和と交差積の正方行列である残差 SSCP 行列、残差 SSCP 行列を残差の自由度で割った残差の分散共分散行列、および残差の分散共分散行列を標準化した形式である残差の相関行列も使用できます。

「WLS 重み」を使用すると、重み付き最小二乗法 (WLS) 分析の場合、観測値に異なる重みを与えるために使用する変数を指定し、それにより異なる測定精度を補正できる可能性があります。

: 12 人の生徒が不安度検定でのスコアに基づいて、高い不安度グループまたは低い不安度グループに割り当てられます。不安度は、被験者をグループ分けすることから、「被験者間因子」と呼ばれます。生徒にはそれぞれ学習課題に関する 4 つの試行が与えられ、各試行ごとのエラーの数が記録されます。各試行のエラーは別々の変数に記録され、被験者内因子 (試行) は 4 つの試行に対して 4 つのレベルで定義されます。試行の効果は有意であることがわかりますが、不安度別試行の交互作用は有意ではありません。

方法: 異なる仮説を評価する場合は、タイプ I、タイプ II、タイプ III、およびタイプ IV 平方和を使用できます。デフォルトはタイプ III です。

統計: その後の範囲検定と多重比較 (被験者間因子について): 最小有意差、Bonferroni、Sidak、Scheffé、Ryan-Einot-Gabriel-Welsch の多重 F、Ryan-Einot-Gabriel-Welsch の多重範囲、Student-Newman-Keuls、Tukey の HSD 検定、Tukey の b、Duncan、Hochberg の GT2、Gabriel、Waller Duncan の t 検定、Dunnett (片側と両側)、Tamhane の T2、Dunnett の T3、Games-Howell、および Dunnett の C。記述統計: すべてのセルにおけるすべての従属変数の観測平均値、標準偏差および度数、Levene の等分散性検定、Box の M、および Mauchly の球面性検定。

作図: レベルと広がり、残差、およびプロファイル (交互作用)。

GLM 反復測定データの考慮事項

「データ」。従属変数は量的である必要があります。被験者間因子では、男性と女性など、サンプルが個別のサブグループに分けられます。このような因子はカテゴリー型であり、数値または文字列値を持つことができます。被験者内因子は、「反復測定の因子の定義」ダイアログ・ボックスで定義されます。共変量は、従属変数に関連する量的変数です。反復測定分析の場合、これらは被験者内変数のそれぞれのレベルで常に一定でなければなりません。

データ・ファイルには、被験者の測定グループごとの変数セットが含まれている必要があります。このセットには、グループ内の測定の反復ごとに 1 つの変数があります。被験者内因子は、そのグループを対象に、反復回数に等しいレベル数で定義されます。例えば、体重測定を複数の異なる日に行うことができます。同じプロパティーの測定が 5 日間で行われた場合、被験者内因子は 5 つのレベルで日数 として指定できます。

被験者内因子が複数ある場合は、被験者ごとの測定回数が各因子のレベル数の積と等しくなります。例えば、1 日 3 回の測定を 4 日行うと、合計測定数は被験者ごとに 12 回となります。被験者内因子は、日数 (4)回数 (3) で指定できます。

仮定: 反復測定分析は、1 変量と多変量という 2 とおりの方法で行うことができます。

1 変量のアプローチ (分割プロットによるアプローチ、または混合モデルによるアプローチという名でも知られています) では、従属変数を被験者内因子のレベルに対する応答数と見なします。被験者の測定値は、多変量の正規分布からのサンプルでなければならず、分散共分散行列は、被験者間効果によって形成されるセル全体で同じです。従属変数の分散共分散行列で、特定の仮定が立てられます。分散共分散行列が循環形式である場合、1 変量アプローチに使用された F 統計量の妥当性は確実です (Huynh および Mandeville、1979)。

この仮定の検定には、Mauchly の球面性の検定を使用できます。この検定では、正規直交型の変換従属変数の分散共分散行列について球面性の検定を行います。反復測定分析の場合は、自動的に Mauchly の検定が表示されます。小さいサンプル・サイズの場合、この検定はそれほど有効ではありません。大きいサンプル・サイズでは、この検定は、結果に対する逸脱の影響が小さくても有意な場合があります。検定の有意性が大きい場合は、球面性の仮説を前提とするができます。ただし、有意性が小さく、球面性の仮定に反しているような場合には、自由度の分子と分母を調整して、1 変量 F 統計量を確認できます。「GLM 反復測定」プロシージャーでは、イプシロンという、この調整の 3 つの推定値を使用できます。自由度の分子と分母の両方にイプシロンを掛ける必要があり、F 比の有意性は新しい自由度を使用して評価する必要があります。

多変量のアプローチは、被験者の測定値を多変量の正規分布からのサンプルと見なし、分散共分散行列は、被験者間効果によって形成されるセル全体で同じです。セル全体で分散共分散行列が同じかどうかを検定する場合は、Box の M 検定を使用できます。

関連プロシージャー: 分散分析を行う前にデータを調べる場合は、「探索」プロシージャーを使用します。それぞれの被験者に関する反復測定がない 場合は、「GLM 1 変量」または「GLM 多変量」を使用します。 各被験者に対する測定が 2 種類 (例えば、事前検定や事後検定) しかなく、被験者間因子が存在しない場合は、「対応のあるサンプルの t 検定」プロシージャーを使用できます。

GLM 反復測定の取得

この機能を使用するには、Advanced Statistics オプションが必要です。

  1. メニューから次の項目を選択します。

    「分析」 > 「一般線型モデル 」 > 「反復測定...」

  2. 被験者内因子の名前とそのレベル数を入力します。
  3. 「追加」をクリックします。
  4. 被験者内因子ごとにこれらの手順を繰り返します。

    2 重多変量の反復測定計画の測定因子を定義するには、以下のようにします。

  5. 測定名を入力します。
  6. 「追加」をクリックします。

    因子と測定をすべて定義したら、以下のようにします。

  7. 「定義」をクリックします。
  8. リストの被験者内因子 (およびオプションとして、測定) の各組み合わせに対応する従属変数を選択します。

変数の位置を変更するには、上矢印と下矢印を使用します。

被験者内因子に変更を加える場合は、メイン・ダイアログ・ボックスを閉じずに、「反復測定の因子の定義」ダイアログ・ボックスを再度開くことができます。オプションとして、被験者間因子と共変量を指定できます。

このプロシージャーでは GLM: 反復測定 コマンド・シンタックスを貼り付けます。