「Display Active Users」パネル (DA)

許可ユーザーは「Display Active Users (DA)」パネルを使用して、シスプレックス内でアクティブなジョブ、ユーザー、開始タスク、およびイニシエーターに関する情報を表示できます。また、CPU 使用量やページング情報などのシステム・データも表示されます。
JES3 環境では、DA パネルに RMF が必要です。JES2 環境では、シスプレックス全体のデータおよび一部のカラムとアクションに RMF が必要です。
注: CPU% や SIO など、DA パネル上のいくつかの値は近似値です。詳細で正確なパフォーマンス・モニターが必要な場合は、RMF を使用してください。

コマンド・キーワード

任意の SDSF パネルから、DA コマンドを使用して「DA」パネルにアクセスします。

パラメーターを使用した表示のカスタマイズ

表 1 に示されているパラメーターを使用して、DA 表示を次のようにカスタマイズできます。
  • アドレス・スペースのタイプ: ジョブ (JOB)、TSO ユーザー (TSU)、開始タスク (STC)、またはイニシエーター (INIT)。
  • アドレス・スペースの位置: スワップイン (IN)、スワップアウト (OUT)、遷移中 (TRANS)、または準備完了 (READY)。
パラメーターの使用法は以下のとおりです。
  • 位置 および タイプ のパラメーターには、これらのアドレス・スペースが含まれます。
  • 限定 のパラメーターは、表示をこれらのタイプまたは位置に制限します。このカラム内の 1 つのパラメーターのみを使用してください。
  • なし のパラメーターは、これらのタイプまたは位置を除外します。
  • すべて のパラメーターは、すべてのアドレス・スペース、またはすべてのタイプ (ALLT) かすべての位置 (ALLP) を表示します。これらを他のパラメーターとともに使用することはできません。
例えば、次のコマンドは、スワップインされたアドレス・スペース (OIN) のみを表示し、TSO ユーザーは含まれません (NOTSU)。
DA OIN NOTSU
注: パラメーターの最大数は 4 個です。表示される情報は、ユーザーの権限、および FILTER、PREFIX、SYSNAME などのフィルターの設定によっても制限される場合があります。パラメーターが競合する場合は、最後のパラメーターが使用されます。
表 1. DA のパラメーター
位置 タイプ 限定 なし すべて
IN JOB OJOB NOJOB ALL
OUT TSU OTSU NOTSU ALLT
TRANS STC OSTC NOSTC ALLP
READY INIT OINIT NOINIT  
    OIN NOIN  
    OOUT NOOUT  
    OTRANS NOTRANS  
    OREADY NOREADY  

DA コマンドのアクション文字

DA コマンドのアクション文字を表 2 に示します。
表 2. DA コマンドのアクション文字
アクション文字 説明
// ブロック繰り返し。処理対象の最初の行に // を入力し、最後の行に別の // を入力します。
= 前のアクション文字または上書きを繰り返します。
+(n) NP カラムを展開します。n は 4 から20 です。(リセットするには、RESET を使用します。)
%(exec) REXX exec を実行します (ISPF のみ)。
/ 行のカラムの値を表示します (ISPF のみ)。
A 保留中のジョブを解放します。
C ジョブの取り消し。JES3 の場合は、出力データ・セットも処理します。以下のアクション文字を追加できます。
  • A - 自動リスタート・マネージャー (ARM) に定義されているジョブ
  • D - ダンプを取る
  • DA - ARM に定義されているジョブであり、ダンプを取る
  • DP - ダンプを取るが、ジョブの出力はパージしない (JES3 のみ)。
  • P - 印刷の準備ができているデータ・セットを印刷する (JES3 のみ)。
D ログ内のジョブ情報を表示します。以下のアクション文字を追加できます。
  • E - 行、ページ、レコード、およびカード数 (JES3 のみ)。
  • L - 長形式
  • SD - データが入っているスプール・データ・セットの DD 名 (JES3 のみ)。
  • SH - データが入っているスプール保留状況のスプール・データ・セットの DD 名 (JES3 のみ)。
  • SP - スプール区画名 (JES3 のみ)。
  • X - 拡張 (JES3 のみ)。
E ジョブを再処理します。以下を追加できます (JES2 のみ)。
  • C - 実行前にジョブを取り消して保留する
  • S - 現行ステップの完了後
  • SH - 現行ステップの完了後に再始動して保留する
H ジョブの保留。
JD ジョブの装置使用状況を表示します。(「Job Device」パネルにアクセスします。)
JM ジョブのメモリー使用量を表示します。(「Job Memory」パネルにアクセスします。)
JS ジョブ・ステップを表示します。(「Job Step」パネルにアクセスします。)
JY 遅延の理由を表示します。(「Job Delay」パネルにアクセスします。)
K MVS CANCEL コマンドを使用してアドレス・スペースを取り消します。
KD MVS CANCEL を使用して、アドレス・スペースを取り消してダンプを取ります。
L ログにあるジョブの出力状況をリストします。 JES3 の場合、これはライター・キューにあるジョブ出力です。以下のアクション文字を追加できます。
  • B - SNA/NJE 出力 (JES3 のみ)。
  • H - 保留キュー上の出力 (JES3 のみ)。
  • L - 長形式
  • T - TCP/IP ジョブ出力 (JES3 のみ)。
N エンキューを表示します。
P ジョブを取り消して、その出力をパージします。
PP 保護されたジョブを取り消して、その出力をパージします (JES2 のみ)。
Q 出力グループ内のすべてのデータ・セットの出力記述子を表示します。
R ジョブをリセットして再開します。(RMF)
RQ ジョブをリセットして静止します。(RMF)
S ジョブのデータ・セットを表示します。以下のアクション文字を追加できます。
  • B - ISPF の表示を使用する
  • E - ISPF の編集を使用する
  • J - ISPF の編集を使用して JCL を編集する
  • n - 表示を開始するデータ・セットの番号
W ジョブおよびメッセージ・ログをスピンします。(RMF)
X 出力データ・セットを印刷します。以下のアクション文字を追加できます。
  • C - 印刷後に印刷ファイルを閉じる (XC)
  • D - 「Open Print Data Set」パネルを表示する (XD または XDC)
  • F - 「Open Print File」パネルを表示する (XF または XFC)
  • S - 「Open Print」パネルを表示する (XS または XSC)
Y 開始タスクを停止します (システム停止)。(RMF)
Z MVS FORCE コマンドを使用してアドレス・スペースを取り消します。
? ジョブのデータ・セットのリストを表示します。(「Job Data Set」パネルにアクセスします。)

「DA」パネルでのカラム

「DA」パネルでのカラムを表 3 に示します。
表 3. 「DA」パネルでのカラム
カラム名 表題 (表示される) 説明 DELAY
JNAME JOBNAME 8 ジョブ名。これは固定フィールドです。FLD ステートメントまたは ISFFLD マクロでコーディングされている場合は、無視されます。  
STEPN StepName 8 ジョブ・ステップ名 (TSO ユーザーでは 、TSO ログオン・プロシージャー名)  
PROCS ProcStep 8 プロシージャー・ステップ名 (TSO ユーザーでは、端末 ID)  
JTYPE Type 1 4 アドレス・スペースのタイプ  
JNUM JNum1 6 JES ジョブ番号  
JOBID JobID 8 JES ジョブ ID  
OWNERID Owner 8 ジョブ所有者のユーザー ID、またはユーザー ID が RACF® に定義されていない場合はデフォルト値の ++++++++ または ????????  
JCLASS C 1 または 8 ジョブが実行のため選択されたときの JES 入力クラス。MAS に長いクラス名がある場合、デフォルトの幅は 8 まで拡大します。  
POS Pos 3 アドレス・スペースの位置  
DP DP 2 アドレス・スペースの ディスパッチング優先順位 (16 進)  
REAL Real 4 現在の 実記憶使用量 (フレーム数)  
PAGING Paging 6 アドレス・スペースの要求時ページング率  
EXCPRT SIO 6 アドレス・スペースの EXCP 率 (EXCP 数/秒)。この値は近似値であり、「ジョブ・デルタ EXCP 数 (RMF または ASCB からのもの) を時間間隔の合計で除算」という計算で算出されます。  
CPUPR CPU% 2 6 最新のインターバル中に測定した、このアドレス・スペースによって使用された CPU 時間、およびこのアドレス・スペースに代わって使用された CPU 時間のパーセント  
ASID ASID 4 アドレス・スペース ID  
ASIDX ASIDX 5 アドレス・スペース ID (16 進)  
EXCP EXCP-Cnt 9 そのアドレス・スペースにおける 現行ジョブ・ステップの EXCP 累計。16 進数のスケーリングを使用します。  
CPU CPU-Time 10 そのアドレス・スペースにより使用された、またそのアドレス・スペースに代わって使用された、現行ジョブ・ステップの CPU 時間累計 (秒)  
SWAPR SR 2 スワップアウトの理由コード  
STATUS Status 6 JES ジョブ状況  
SYSNAME RMF SysName 8 ジョブが実行されるシステムの名前  
SPAGING RMF SPag 4 ジョブが実行されているシステムのシステム要求時ページング率。この値は、システムのすべての行で同じです。  
SCPU RMF SCPU% 5 ジョブを処理しているシステムのシステム CPU パーセンテージ。この値は、システムのすべての行で同じです。  
WORKLOAD RMF Workload 8 ワークロード名  
SRVCLASS RMF SrvClass 8 サービス・クラス名  
PERIOD RMF SP 2 サービス・クラス期間  
RESGROUP RMF ResGroup 8 リソース・グループ名  
SERVER RMF Server 8 サーバー標識 (リソース・ゴールが守られていません)  
QUIESCE RMF Quiesce 7 静止標識 (アドレス・スペースが 休止しています)  
ECPU RMF ECPU-Time 10 そのアドレス・スペースにより、そのアドレス・スペースの内部で使用された、現行ジョブ・ステップの合計 CPU 時間 (秒)  
ECPUPR RMF ECPU% 6 そのアドレス・スペースによる、そのアドレス・スペースの内部での CPU 使用量  
CPUCRIT RMF CPUCrit 7 現行アドレス・スペース CPU 保護  
STORCRIT RMF StorCrit 8 現行アドレス・スペース・ストレージ保護  
RPTCLASS RMF RptClass 8 レポート・クラス  
MEMLIMIT RMF MemLimit 8 メモリー限度  
TRANACT RMF Tran-Act 10 トランザクションがアクティブである経過時間  
TRANRES RMF Tran-Res 10 トランザクションがスワップインされた経過時間  
SPIN RMF Spin 4 ジョブがスピンできるかどうかを示す標識 X
SECLABEL SecLabel 8 アドレス・スペースのセキュリティー・ラベル  
GCPTIME RMF GCP-Time 8 累算された汎用プロセッサー・サービス時間 (秒)  
ZAAPTIME RMF zAAP-Time 9 累積 IBM zEnterprise Application Assist Processor (zAAP) サービス時間 (秒)  
ZAAPCPTM RMF zACP-Time 9 zAAP に適格であった作業によって汎用プロセッサーで消費された CPU 時間 (秒)  
GCPUSE RMF GCP-Use% 8 最新の間隔において、アドレス・スペースが使用した汎用プロセッサー合計時間のパーセント。  
ZAAPUSE RMF zAAP-Use% 9 最新の間隔において、アドレス・スペースが使用した zAAP 合計時間 のパーセント。  
SZAAP RMF SzAAP% 6 最新の間隔における、システムの CPU 使用に関する zAAP のビュー。この値は、システムのすべての行で同じです。  
SZIIP RMF SzIIP% 6 ジョブを処理しているシステムの IBM z Integrated Information Processor (zIIP) 使用率。 これはシステム値であるため、システムのすべての行で同じです。  
PROMOTED RMF Promoted 8 アドレス・スペースが慢性のリソース競合により、現在プロモートされているかを示す  
ZAAPNTIM RMF zAAP-NTime 10 正規化された zAAP サービス時間 (秒)  
ZIIPTIME RMF zIIP-Time 9 zIIP で消費された CPU 時間 (秒)  
ZIIPCPTMRMF zICP-Time 9 zIIP に適格であった作業によって汎用プロセッサーで消費された CPU 時間 (秒)  
ZIIPNTIM RMF zIIP-NTime 10 正規化された zIIP サービス時間 (秒)  
ZIIPUSE RMF zIIP-Use% 9 最新の間隔において、アドレス・スペースが使用した zIIP 合計時間 のパーセント  
SLCPU RMF SLCPU% 6 最新の間隔内での、LPAR がシステムで使用中である時間のパーセンテージ。SLCPU% の値は、システムのすべての行で同じです。  
IOPRIOGRPRMF IOPrioGrp 9 WLM I/O 優先順位グループ  
JOBCORR JobCorrelator 32 ジョブ関連子のユーザー部分 (JES2 のみ)  
表についての注:
  1. デフォルトのフィールド・リストには含まれません。
  2. SDSF は CPU% カラム用の値を計算します。この値は、ユーザーが Enter (キー) を押してから次に Enter (キー) を押すまでの時間間隔における、1 ジョブが使用した CPU 時間と全ジョブが使用した CPU 時間の比率です。
  3. zAAP およびzIIP の情報が入っているカラムが表示されるのは、システムに適切な特殊プロセッサーの少なくとも 1 つ (zAAP または zIIP) が、パネルに表示されたシステムのスコープ内で構成されている場合のみです。「DA」パネルがいったん表示されると、表示されたシステムを (SYSNAME コマンドまたは FILTER コマンドで) 変更しても、SDSF がカラムを含めるか省略するかには影響しないことに注意してください。