TSO/E 出口
TSO/E には、多数の TSO/E 機能およびコマンド用の出口点があります。出口点で、機能やコマンドは、出口ルーチンが存在する場合はそれを呼び出します。出口ルーチンを作成して、特殊な処理を実行したり、機能やコマンドの 操作方法をカスタマイズしたりできます。出口処理を完了すると、制御はもとのコマンドや機能に戻ります。
出口を使用すると、デフォルト値を変更したり、TSO/E の機能やコマンドを拡張したりできます。出口を作成できる機能とコマンド、 その機能用またはコマンド用として TSO/E に用意されている出口、 およびそれぞれの 出口の用途を一覧表にして次の図に示します。出口名に命名規則が適用される場合は、 どのような名前にする必要があるかもこの表に示してあります。それぞれの出口に関する完全な情報については、「z/OS TSO/E カスタマイズ」 を参照してください。
処理 | 出口 | 出口の用途 |
---|---|---|
ALLOCATE コマンド | 初期設定 |
ユーザーが出すコマンドを検査し、変更するか、疑似オペランドを提供する。 |
終了 |
終結処理を実行する。 代替戻りコードを指定する。 | |
ALTLIB コマンド | 初期設定 |
ユーザーが出すコマンドを変更する。 |
終了 |
終結処理を実行する。 | |
アプリケーション・マネージャー | 機能の初期設定前 ICQAMFX1 | ユーザーのアプリケーション使用権限を検査し、アプリケーション用のデータ・セットを割り振り、会計情報を収集する準備をします。 |
機能の終了後 ICQAMFX2 | 機能の初期設定前出口が割り振ったデータ・セットを解放し、会計データを要約する。 | |
パネル表示前 |
表示するパネルのデフォルト値を設定する。 | |
パネル表示後 |
ユーザーがパネルで入力した情報の妥当性を検査します。 | |
CANCEL | この表の OUTPUT コマンドの項を参照。 | |
CLIST 処理 | 組み込み関数 |
インストール先作成の組み込み関数を追加する。 |
ステートメント |
インストール先作成の CLIST ステートメントを追加する。 | |
CONSOLE コマンド | 解析前 |
ユーザーが出したコマンドを検査し、必要であれば、変更する。 |
アクティブ化 |
連絡域を設定し、アクティブ化要求を終了させ、ユーザーが指定した設定値を変更して、 ユーザーに対して CONSOLE コマンド権限を許可または拒否する。 | |
80% のメッセージ容量 IKJCNX50 | 送信請求メッセージ・テーブルまたは非送信請求メッセージ・テーブルの 80% が満たされると、処置を行う。 | |
100% のメッセージ容量 IKJCNX64 | 送信請求メッセージ・テーブルまたは非送信請求メッセージ・テーブルの 100% が満たされると、処置を行う。 | |
非アクティブ化 |
終結処理を実行する。 | |
CONSPROF コマンド | 初期設定 |
ユーザーが出すコマンドを検査して、必要であれば変更し、ご使用システム独自の部分でプロファイルを更新し、CONSOLE コマンドの権限をユーザーに許可するか拒否する。 |
表示前 |
コンソール・プロファイル表示メッセージ IKJ55351I に情報を追加するか、IKJ55351I の代わりに、 ご使用のシステムが定義したメッセージを出す。 | |
終了 |
終結処理を行い、コンソール・プロファイルのご使用システム独自の部分を永続位置に保管する。 | |
EDIT コマンド | RENUM、MOVE、および COPY サブコマンド | ユーザーがサブコマンドを出すときに、常に、 そのサブコマンドが行番号を処理する方法をカスタマイズする。 |
構文検査プログラム | ご使用のシステムが提供する構文検査プログラム用の出口を作成する。この出口では、ユーザーが EDIT コマンドで指定した情報を オプション・ワードに入れる。 | |
EXEC コマンド | 初期設定 IKJCT43I | ユーザーが出すコマンドを変更する。 |
終了 IKJCT43T | クリーンアップを実行し、CLIST または REXX exec のプログラム制御特性のデフォルト値を設定します。 | |
FREE コマンド | 初期設定 IKJEFD21 | ユーザーが出すコマンドを検査し、変更するか、疑似オペランドを提供する。 |
終了 IKJEFD22 | 終結処理を実行する。 | |
情報センター機能 | ADRS | ユーザーが 情報センター機能から ADRS オプションを選択する時に必ず、パネルの表示やデータ・セットの割り振りなどの処理を追加します。 |
NAMES サービス | 情報センター機能ユーザーがネーム・サービスを使用する時に必ず、専用ディレクトリーと マスター・ディレクトリーに対して行った変更を記録します。 | |
LISTBC コマンド | 初期設定 |
後続の出口用に環境を初期設定するか、ユーザーの コマンド使用を制限するか、ユーザーがコマンドに指定した オペランドを変更する。 |
表示前 |
個々のユーザー・ログを使用する場合、特殊フォーマットの提供、メッセージに対する診断情報の追加、および出力装置の特殊機構の サポートを行います。 | |
リスト前 |
個々のユーザー・ログを使用する場合、ユーザー・ログ・データ・セット名を変更し、読み取り前出口に備える。 | |
読み取り前 |
個々のユーザー・ログを使用する場合、入出力を調整する。 | |
割り振り前 |
個々のユーザー・ログを使用する場合、ユーザー・ログ・データ・セットを割り振る。 | |
障害 |
個々のユーザー・ログを使用する場合、入出力障害の後に障害処理と終結処理を行う。 | |
終了 |
終結処理または特別な終了処理を行う。 | |
ログオンおよび ログオフ処理 | ログオン・プロンプト前 |
TSO/E ログオン処理を調整する。ログオン・パラメーターとシステ ム特性の検査、変更、または提供、ログオン要求の取り消し、独自の JCL ステートメントの 提供、または独自のフルスクリーン・ログオン・パネルの表示を 行います。 |
ログオン・プロンプト前 |
IKJEFLD の機能と以下の認可機能を実行する。 最初の TSO/E コマンドを指定する、ジョブおよび SYSOUT クラスを戻す、RACF® を回避する、 相対ブロック・アドレス (RBA) を戻す、ログオフ出口にデータを渡す、 現行ログオン・セッションのセキュリティー・ラベルを指定する、 翻訳される情報の表示に使用される各国語を指定する、 コンソール・プロファイルを設定する。 | |
ログオン表示前 |
ログオン・パネルの情報を更新し、ご使用のシステムのログオン・パネル上に定義されたフィールドを処理する。 | |
ログオン表示後 |
ログオン・パネル上のフィールドの妥当性検査を行い、処理して、 再度プロンプトを出して、ユーザーに情報の入力を要求し、 ヘルプ画面の表示も要求する。 | |
ログオン・プロンプト後 |
ログオン処理に関連する JCL ステートメントの検査、修正、 追加を行う。 | |
ログオフ |
TSO/E ログオフ処理を調整する。会計情報の収集、UADS および RACF データベース更新の制御、および再ログオンの制御を行う。 | |
OPERATOR SEND サブコマンド | この表の SEND コマンドの項を参照。 | |
OUTDES コマンド | 初期設定 |
ユーザーが出すコマンドを検査し、変更するか、疑似オペランドを提供する。 |
終了 |
終結処理を実行する。 | |
OUTPUT、 STATUS、および CANCEL コマンド | IKJEFF53 | ユーザーによるバッチ・ジョブ処理方法とその出力方法を調整する。 |
PARMLIB コマンド | 初期設定 |
ユーザーが出すコマンドを変更する。 |
終了 |
終結処理を実行する。 | |
PRINTDS コマンド | 初期設定 |
特定のオペランドの固定デフォルト値を調整する。ユーザーのコマンド使用 を制限するか、またはユーザーがこのコマンドに指定したオペランドを変更する。 |
終了 |
終結処理を実行する。 | |
RECEIVE | この表の TRANSMIT コマンドの項を参照。 | |
REXX 処理 | 環境初期設定前 IRXINITX | 初期設定ルーチンが制御を受け取ってから新しい言語処理プログラム環境を初期設定するまでの間に、 処理を実行する。 |
環境初期設定後 IRXITTS または IRXITMV | 言語処理プログラム環境を初期設定してから、初期設定ルーチンが制御を戻すまでの間に、 処理を実行する。 | |
環境の終了 IRXTERMX | 言語処理プログラム環境が終了する前に、処理を実行します。 | |
exec の処理 | REXX exec が実行される前に、特殊処理を実行します。 | |
exec の初期設定 | REXX 変数にアクセスし、更新を行う。 | |
exec の終了 | REXX 変数にアクセスし、更新を行う。 | |
アテンション処理 | TSO/E に組み入れられた環境で、 特殊なアテンション処理を実行する。 | |
SEND コマンド OPERATOR |
初期設定 |
後続出口の環境の初期設定、SYS1.PARMLIB のデフォルト値の変更、ユーザーのコマンド使用の制限、さまざまなユーザー・ログ・データ・セット名の提供、および宛先ユーザーのユーザー ID を変更することによるメッセージの再経路指定を行う。 |
表示前 |
個々のユーザー・ログを使用する場合に、特殊フォーマットの提供、診断情報の追加、および出力装置の特殊機構のサポートを行う。 | |
保管前 |
個々のユーザー・ログを使用する場合に、ユーザー・ログ・データ・セット名を 指定変更し、特殊入出力をサポートし、オープン操作と書き込み操作を行う。LISTBC 読み取り前出口と一緒に使用する場合は、メッセージの処理またはメッセージへの情報 (シーケンス番号など) の追加、メッセージの圧縮、お よびパラメーターの変更を行う。 | |
障害 |
個々のユーザー・ログを使用する場合、入出力障害の後に障害処理と終結処理を行う。 | |
終了 |
終結処理または特別な終了処理を行う。 | |
セッション・マネージャー | 初期設定 | どのストリームをモニターしたいか、およびユーザーのフルスクリーン・プログラム実行時にセッション・マネージャーが行モード出力をログに記録するかどうかを示す。 |
ストリームのモニター | 初期設定出口で指定した個々のストリームをモニターし、必要な処理を実行する。 | |
終了 | セッション・マネージャーが終了する前に、特殊な処理を行う。 | |
STATUS | この表の OUTPUT コマンドの項を参照。 | |
SUBMIT コマンド | IKJEFF10 | 実行要求された JCL ステートメントを検査して、それらを受け入れる か、拒否するか、あるいは修正します。 |
TEST コマンド | 初期設定 |
ユーザーが出すコマンドを変更する。 |
終了 |
終結処理を実行する。 | |
サブコマンド 初期設定 IKJEGCIE | ユーザーが出したサブコマンドを変更する。 | |
サブコマンド 終了 IKJEGCTE | 終結処理を実行する。 | |
TESTAUTH コマンド | 初期設定 |
セキュリティー検査を行う。 |
終了 |
終結処理を実行する。 | |
サブコマンド 初期設定 IKJEGASI | ユーザーが出したサブコマンドを変更する。 | |
サブコマンド 終了 IKJEGAST | 終結処理を実行する。 | |
TRANSMIT コマンド および RECEIVE コマンド | 共通出口: |
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各種の TRANSMIT 出口と RECEIVE 出口を一緒に使用して、さまざまな
タイプの処理を実行します。これらの出口を使用して、伝送活動をモニターしたり、TRANSMIT および RECEIVE の操作方法を調整したりするこ
とができます。例えば、出口を使用して以下の処理を行うことができます。
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TSOLIB コマンド | 初期設定 |
ユーザーが出すコマンドを変更する。 |
終了 |
終結処理を実行する。 |