ユーザー PROCLIB の指定

ジョブ、開始タスク (STC)、およびタイム・シェアリング・ユーザー (TSU) の 変換処理の一環として、JES2 がインストール・プロシージャー・ライブラリーを使用するように指定できます。 このライブラリーは、変換される JCL が参照できる一連の共通 JCL プロシージャーです。 これらのプロシージャー・ライブラリーである PROCLIB は、JES2 PROC の 中で、あるいは JES2 PROCLIB 初期設定ステートメントを指定して定義できます。 JES2 を再始動せず、オペレーター・コマンドを使用して、JES2 初期設定ステートメントで定義された PROCLIB を表示、更新、および削除します。また、PROCLIB 初期設定ステートメントにエラーがあっても、JES2 の始動が 妨げられることはありません。 これらの理由により、PROCLIB 初期設定ステートメントは、ユーザー PROCLIB を定義するための 推奨方法となっています。 PROCLIB 初期設定ステートメントについて、詳しくは、 「z/OS JES2 初期設定およびチューニング 解説書」を参照してください。

JES2 カタログ式プロシージャーでユーザー PROCLIB を定義する場合、開始コマンドによって変更が可能なシンボリック・データ・セット名を使用することが重要です。 そうしないと、ユーザー PROCLIB が脱落している場合、実稼働システムに対して 変更を行うためにはバックアップ・システムを IPL しなければなりません。

パフォーマンスおよび保全性を確保するためには、次のことを行ってはなりません
  • 追加のエクステントの割り振りまたはエクステントの解放
  • PROCLIB データ・セットの圧縮
  • PROCLIB を含むボリュームの断片化解除 (移動)
以下の JES2 プロシージャーの例を使用して、障害の発生時にオペレーターがユーザー PROCLIB データ・セット名を変更できます。 JES2 始動時にユーザー PROCLIB が欠落しているために障害が発生した場合は、JES2 を再始動し、 欠落している SYS1.PROCLIB ステートメントを指定してください。
図 1. 更新された JES2 プロシージャーの例
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//*             EXAMPLE OF AN UPDATED JES2 PROCEDURE               *
//*                                                                *
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//JES2    PROC DSN1='SYS1.PROCLIB',    * STANDARD PROCLIB.         *
//        DSN2='SYS1.PROCLIB2',        * SYSTEM SUPPORT PROCS.     *
//        DSN3='SYS1.PROCSPP',         * PROG. PRODUCT PROCS.      *
//        DSN4='SYS2.PROCLIB',         * USER PROCLIB.             *
//        STEPLIB='SYS1.JES2.SHASLNKE',   * JES2 PGM LIBRARY       *
//        PGN=20,                      * PERFORM FOR JES2          *
//        MBR=HASIPARM,TYPE=CTS        * DEFAULT NAME ALTERNATE    *
//*                                    * PARM, TYPE (HAS/NJE/CTS)  *
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//* MODIFIED JES2 START PROCEDURE                                  *
//*  CHANGES -                                                     *
//*    ADDITIONAL PROCLIBS - 1) SYS1.PROCLIB  (SYSTEM PROCLIB)     *
//*                          2) SYS1.PROCLIB2 (SPECIAL PROCS)      *
//*                          3) SYS1.PROCSPP  (P.P. PROCS)         *
//*                          4) SYS2.PROCLIB  (USER PROC'S)        *
//*    SELECT VERSION OF JES VIA TYPE=HAS/NJE/CTS                  *
//*    CHANGED TO USE SYS1.PROCLIB FOR JES2 INIT. PARMS            *
//*    LAST CHANGE - 10/14/86.                                     *
//*                                                                *
//******************************************************************
//*                                                                *
//IEFPROC EXEC PGM=&TYPE.JES20,TIME=1440,
//        PERFORM=&PGN,     DUMMY PERFORM FOR TRACKING
//        PARM=(WARM,NOREQ)  SPECIFY START OPTIONS
//STEPLIB  DD  DSN=&STEPLIB,DISP=SHR  (MUST BE AUTHORIZED)
//*                                                                *
//******** DEFAULT PROCEDURE LIBRARIES LIST  ***********************
//*                                                                *
//PROC00    DD DSN=&DSN1,DISP=SHR
//          DD DSN=&DSN2,DISP=SHR
//          DD DSN=&DSN3,DISP=SHR
//          DD DSN=&DSN4,DISP=SHR
//*                                                                *
//******** INDIVIDUAL PROCXX CARDS FOR EACH PROCLIB. ***************
//*                                                                *
//PROC01    DD DSN=&DSN1,DISP=SHR    SPECIFIC DECLARATIONS
//PROC02    DD DSN=&DSN2,DISP=SHR    FOR USE WITH JOBPARM PROC=
//PROC03    DD DSN=&DSN3,DISP=SHR    PARAMETERS.
//PROC04    DD DSN=&DSN4,DISP=SHR    *
//HASPPARM  DD DSN=SYS1.PROCLIB(&TYPE.PARM;),DISP=SHR
//PARMBACK  DD DSN=SYS1.JESPARM(&MBR),DISP=SHR          /*ALTERNATE*/
//HASPLIST  DD DDNAME=IEFRDER                           /*LISTING */
//*                                                                *
注: JES2 プロシージャーで指定されているデータ・セット (すべての DD ステートメントなど) は、次のいずれかの方法で参照する必要があります。
  • マスター・カタログにカタログ (データ・セットに SYS1 以外の高位修飾子がある場合はユーザー・カタログでも可)
  • JCL DD ステートメントの UNIT= および VOL= の指定
  • SMS 管理のデータ (UNIT も VOLUME も指定しない) (JCL DD ステートメントの UNIT= と VOL= は無視される)