IP 構成ガイドの要約

本資料の目的: 本書には、z/OS® Communications Server 用に IP アドレス・スペース、サーバー、 およびアプリケーションを構成できるようにするためのガイダンス情報が記載して あります。本書は、次のように 2 巻に分冊されているうちの 1 冊です。

本書に記載されている情報は、IPv6 および IPv4 の両方をサポートします。明示的に注釈がない限り、情報は IPv4 ネットワーク・プロトコルについて 説明しています。 IPv6 サポートは、本文中で限定しています。

構成関連のデータ・セットおよびステートメントについての詳細は、「 z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。

構成時に使用されるコマンドについての詳細は、「 z/OS Communications Server: IP システム管理者のコマンド」を参照してください。

本書では、Communications Server のデータ・セットを、それぞれのデフォルトの SMP/E 配布ライブラリー名で参照しています。 しかし、お客様の実際のシステム環境では、SMP/E、インストール担当者、または管理スタッフが許可する範囲内で、これらのデータ・セットに別の名前を付けている場合もあります。 例えば、本書では、SEZAINST ライブラリー内のサンプルを単に SEZAINST と呼んでいます。実際のインストール済みシステムでは、データ・セット名として、SYS1.SEZAINST、CS390.SEZAINST、またはその他の高位修飾子を選択している場合があります。

本資料の対象読者: 本書は、TCP/IP、MVS™、z/OS UNIX、およびタイム・シェアリング・オプション拡張機能 (TSO/E) に精通しているプログラマーおよびシステム管理者を対象としています。

本書で使用されている規則および用語

TSO 環境と z/OS UNIX 環境の両方で使用できる、本書内のコマンドでは、以下の規則を使用しています。
  • TSO 環境でのコマンドの使用方法を記述する場合には、コマンドは大文字で示されています (例えば NETSTAT)。
  • z/OS UNIX 環境でのコマンドの使用方法を記述する場合には、コマンドは太字の小文字で提示されています (例えば netstat)。
  • 本文で一般的な方法でコマンドに言及している場合には、コマンドは頭文字だけ大文字で提示されています (例えば Netstat)。

本書に記載されている出口ルーチンはすべて、インストール・システム共通出口ルーチン です。 インストール・システム共通出口ルーチンは本書全体を通して、インストール・システム共通出口、出口ルーチン、および出口とも呼ばれます。

TPF ログオン・マネージャーは、VTAM® に含まれていますが、 アプリケーション・プログラムです。したがって、ログオン・マネージャーは VTAM とは別に文書化されています。

本書で使用されているサンプルには、リリースごとに更新されていないものもあります。 システムに適用する前に、サンプルを注意深くご確認ください。

注: 本資料では、リモート直接メモリー・アクセスによる共用メモリー通信 (SMC-R) に関する以下の用語を使用しているところがあります。
  • 変更の始まり「RoCE Express」。 これは IBM 10 GbE RoCE Express® 機能と IBM 10 GbE RoCE Express2 機能の両方を表す総称です。 この用語が本書で使用される場合、記述される処理は両方の機能に該当します。 処理が 1 つの機能にのみ該当する場合は、完全な用語、例えば IBM 10 GbE RoCE Express が使用されます。変更の終わり
  • RDMA ネットワーク・インターフェース・カード (RNIC)。 これは IBM® 10 GbE RoCE Express 機能変更の始まりまたは 10 GbE RoCE Express2 機能変更の終わりを指す場合に使用されます。
  • 変更の始まり共用 RoCE 環境。 これは、「RoCE Express」機能が複数のオペレーティング・システム・インスタンスで並行して使用可能であること、つまり共用可能であることを意味します。 フィーチャーは、単一オペレーティング・システム・インスタンスで使用した場合でも共用 RoCE 環境で作動するとみなされています。変更の終わり

本書で指定されている用語および略語の定義については、最新の IBM 用語を IBM Terminology Web サイトで参照できます。

注の明確化

従来「注」とされていた情報は、以下のように細分されます。
注記
補足詳細。
ヒント
操作実行のショートカットまたは代替方法を提供します。手引き。
ガイドライン
手順を実行する慣習的な方法。
規則
行わなくてはならないこと。操作の制限。
制限
特定の条件がサポートされないことを示します。製品または機能の制限。
要件
依存関係、前提条件。
結果
結果を示します。

構文図の見方

この構文規則の情報は、別に記載された独自の構文規則を持たないコマンドおよびステートメントすべてに適用されます。

構文図は、オペレーティング・システムがユーザーの入力を正しく解釈できるようにコマンドを指定する方法を示します。構文図は、左から右、上から下に、横方向の線 (メインパス) に従って読み取ります。

記号と句読点

以下のシンボルが構文図で使用されます。
シンボル
説明
►►
コマンド構文の始まりであることを示します。
コマンド構文が続いてきていることを示します。
|
コマンド構文のフラグメントまたは部分の始まりおよび終わりを示します。
►◄
コマンド構文の終わりであることを示します。

構文図に示されているコロン、セミコロン、コンマ、引用符、および負符号 (-) などの句読点は、すべて含める必要があります。

コマンド

TSO および z/OS UNIX の両方の環境で使用できるコマンドは、構文図で以下の規則を使用しています。
  • TSO 環境でのコマンドの使用方法を記述する場合には、コマンドは大文字で示されています (例えば NETSTAT)。
  • z/OS UNIX 環境でのコマンドの使用方法を記述する場合には、コマンドは太字の小文字で提示されています (例えば netstat)。

パラメーター

構文図では以下のタイプのパラメーターが使用されます。
必須
必須パラメーターは、メインパス上に記載されます。
オプション
オプションのパラメーターは、メインパスの下に記載されます。
デフォルト
デフォルト・パラメーターは、メインパスより上に記載されます。

パラメーターはキーワードまたは変数として分類されます。 TSO および MVS コンソール・コマンドでは、キーワードには大/小文字の区別がありません。大文字でも小文字でもコーディングすることができます。構文図でキーワードが大文字と小文字の両方で示されている場合は、大文字の部分はキーワードの省略形です (例えば OPERand)。

z/OS UNIX コマンドでは、キーワードは構文図に示されたとおりの大/小文字で入力する必要があります。

変数にはイタリック体の小文字で表示され、ユーザーが提供する 変数の名前または値を意味します。例えば、データ・セットは変数です。

構文例

以下の例では、PUt サブコマンドはキーワードです。必須の変数パラメーターは local_file で、オプションの変数パラメーターは foreign_file です。変数パラメーターをユーザー独自の値に置換してください。

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>>-PUt--local_file--+--------------+---------------------------><
                    '-foreign_file-'   

複数行になる場合

図が 1 行より長い場合、 第 1 行は単独の矢印で終わり、第 2 行は単独の矢印で始まります。

構文図を読む構文図をスキップする
>>-| The first line of a syntax diagram that is longer than one line |-->

>--| The continuation of the subcommands, parameters, or both |-><

必須オペランド

必須オペランドおよび値は、メインパスの線上に記載されます。 必須オペランドおよび値はコーディングする必要があります。

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>>-REQUIRED_OPERAND--------------------------------------------><

オプション値

オプションのオペランドおよび値は、メインパスの線の下に記載されます。オプションのオペランドおよび値は、コーディングしなくても構いません。

構文図を読む構文図をスキップする
>>-+---------+-------------------------------------------------><
   '-OPERAND-'   

複数のオペランドの選択

オペランドまたは値のグループの上で左に戻る矢印がある場合、それは、複数選択できること、または 1 つを繰り返し選択できることを意味します。

構文図を読む構文図をスキップする
>>-+---------------------------------------+-------------------><
   | .-,---------------------------------. |   
   | V                                   | |   
   '---+-REPEATABLE_OPERAND_OR_VALUE_1-+-+-'   
       +-REPEATABLE_OPERAND_OR_VALUE_2-+       
       +-REPEATABLE_OPER_OR_VALUE_1----+       
       '-REPEATABLE_OPER_OR_VALUE_2----'       

非英数字

図に英数字以外の文字 (小括弧、ピリオド、コンマ、等号など) の文字が表示されている場合は、 その文字も構文の一部としてコーディングしてください。この例では、OPERAND=(001,0.001) とコーディングします。

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>>-OPERAND--=--(--001--,--0.001--)-----------------------------><

構文図内のスペース

図にスペースが表示されている場合は、 スペースも構文の一部としてコーディングしてください。この例では、OPERAND=(001 FIXED) とコーディングします。

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>>-OPERAND--=--(--001-- --FIXED--)-----------------------------><

デフォルト・オペランド

デフォルト・オペランドおよび値は、メインパスより上に記載されます。オペランドを完全に省略すると、TCP/IP はデフォルトを使用します。

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   .-DEFAULT-.   
>>-+---------+-------------------------------------------------><
   '-OPERAND-'   

変数

イタリック体の小文字の単語はすべて variable です。構文に変数がある場合、本文で定義された、許容される名前または値に置換する必要があります。

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>>-variable----------------------------------------------------><

構文のフラグメント

構文に構文のフラグメントが含まれることがあります。 長すぎたり、複雑すぎたり、反復の多い構文図を分割して示します。構文のフラグメント名は大/小文字混合で、 図の中およびフラグメントの見出しに表示されます。フラグメントはメインの構文図の下に置かれます。

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>>-| Syntax fragment |-----------------------------------------><

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Syntax fragment

|--1ST_OPERAND--,--2ND_OPERAND--,--3RD_OPERAND------------------|