SetSubnetPrioTosMask ステートメント
SetSubnetPrioTosMask ステートメントは、IPv4 Type of Service (ToS) バイトまたは IPv6 Traffic Class のマッピングをアウトバウンド・インターフェース装置および仮想 LAN (VLAN) のユーザー優先順位の値に定義する場合に使用します。 これは、QDIO モードで構成されている OSA-Express® を使用する、インターフェースの優先順位をマップします。 このステートメントを指定しない場合は、TCP/IP は、現在 IPv4 (RFC 791) 用に定義されているすべて のインターフェースについて、システム・デフォルトの ToS または Traffic Class マスクと優先順位を使用します。
現行の IPv4 ToS バイト・フォーマットでは、最初の 3 バイトは優先ビット (例えば、優先順位) として定義されています。したがって、このステートメントが無指定の場合、サブネット ToS マスクのデフォルトは、11100000 です。 このデフォルトのマスクは IPv6 Traffic Class にも適用されます。
- キュー直接入出力 (QDIO) 装置のみが、優先順位をサポート可能です。
- それぞれの TCP/IP スタックには、最大 16 個の SetSubnetPrioTosMask ステートメントを指定できます。
ToS 優先順位
00000000 4
00100000 4
01000000 3
01100000 2
10000000 1
10100000 1
11000000 1
11100000 1
ToS バイトまたは Traffic Class は、パケットの優先順位を判別するために他のネットワーク装置 (例えば、ルーターや交換機) によっても使用されます。
ガイドライン: Enterprise Extender が ToS バイトを設定していた場合は、これによってその設定はオーバーライドされます。
ヒント: ToS、またはゼロで構成される Traffic Class 値を使用するアウトバウンド・パケットは、ワークロード・マネージャーのサービス・クラスの重要度レベルを使用して、アウトバウンドの OSA-Express データの優先順位付けを可能にします。OSA-Express QDIO インターフェースでワークロード・マネージャーのサービス・クラスの重要度レベル値を使用することについて詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成ガイド」に記載されている、ワークロード・マネージャーのサービス・クラスを使用したアウトバウンド OSA-Express データの優先順位付けに関する情報を参照してください。
構文
>>-SetSubnetPrioTosMask--| Place Braces and Parameters on Separate Lines |->< Place Braces and Parameters on Separate Lines |--+-{-----------------------------------+----------------------| +-| SetSubnetPrioTosMask Parameters |-+ '-}-----------------------------------' SetSubnetPrioTosMask Parameters .-SubnetAddr --0.0.0.0-. |--+----------------------+--SubnetTosMask --mask---------------> '-SubnetAddr --address-' .----------------------------------------------------------. V .-PriorityTosMapping 4tos 0----------------------------. | >----+------------------------------------------------------+-+--| '-PriorityTosMapping --priority tos--+---------------+-' '-user_priority-'
パラメーター
- SubnetAddr
- ローカル・サブネット・インターフェース・アドレス。これは IPv4 アドレスまたはインターフェース名にすることができます。
0 という値は、すべてのインターフェースでマスクが同一であることを表します。デフォルトは、すべてのインターフェースです。すべてのインターフェースは、0 の値を指定するのと同じです。つまり、このパラメーターを指定しないのと同じです。要件: インターフェース名を指定する場合は、TCP/IP プロファイル内の以下のいずれかのステートメントに指定された名前と一致していなければなりません。
- IPv4 インターフェース用の LINK ステートメント
- IPv4 または IPv6 インターフェース用の INTERFACE ステートメント
- SubnetTosMask
- SubnetTosMask には、ToS または Traffic Class マスク用の、
左寄せされた 8 ビットが含まれています。例えば、101 は 10100000 になります。
デフォルト値はありません。
要件: これは、必須のパラメーターです。
- PriorityTosMapping
- 各優先順位と ToS または Traffic Class 値とのマッピングを表す 3 つの値。各マッピングの最初の値は、
装置優先順位レベルを表す 1 桁の整数であり、2 番目の値は、ToS または
Traffic Class 値を表す左寄せされた 8 ビット、
3 番目の値は、ユーザー優先順位 (0
から 7 で 0 が最低優先順位) を表すオプションの整数です。
ユーザー優先順位は、仮想 LAN (VLAN) 優先順位とも呼ばれています。
制約事項:
- ToS または Traffic Class 値についてこのパラメーターを指定しない場合は、 その値は、装置優先順位の値 4、ユーザー優先順位の値 0 にマップされます。
- 最高 32 個の PriorityTosMapping パラメーターを指定できます。
結果: 仮想 LAN (VLAN) のユーザー優先順位を指定すると、 フレームは IEEE 802.1Q 仕様に基づいて送信されます。これによって、VLAN 優先順位とメンバーシップ情報を使ってイーサネット・フレームにタグ付けするための標準方式が確立されます。 具体的には、VLAN 優先順位にタグ付けされたフレームを使用して、パケットの優先順位を交換機に伝えます。このフレームは VLANID に対しては NULL 値を持ちます。VLAN のタグ付けされた完全なフレームは、優先順位とヌル以外 の VLANID を保有します。IEEE 802.1Q 標準をサポートしない交換機、あるいはこのようなタイプの フレームに対して適切に構成されていない交換機がネットワーク内にある場合は、このフレームは交換機によってドロップされることがあります。
例
SetSubnetPrioTosMask
{
SubnetAddr NSQDIO3
SubnetTosMask 11100000
PriorityTosMapping 1 11100000 7
PriorityTosMapping 1 11000000 7
PriorityTosMapping 2 10100000 6
PriorityTosMapping 2 10000000 5
PriorityTosMapping 2 01100000 5
PriorityTosMapping 3 01000000 3
PriorityTosMapping 4 00100000 2
PriorityTosMapping 4 00000000 0
}
SetSubnetPrioTosMask
{
SubnetTosMask 11100000
PriorityTosMapping 1 11100000
PriorityTosMapping 1 11000000
PriorityTosMapping 1 10100000
PriorityTosMapping 1 10000000
PriorityTosMapping 2 01100000
PriorityTosMapping 2 01000000
PriorityTosMapping 3 00100000
PriorityTosMapping 4 00000000
}