VARY TCPIP,,SYSPLEX

VARY TCPIP,,SYSPLEX コマンドを使用して、TCP/IP スタックのシスプレックス構成を変更します。

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>>-Vary --TCPIP--,--+----------+--,----------------------------->
                    '-procname-'      

>--SYSplex,--+-LEAVEgroup------------------------------------------------+-><
             +-JOINgroup-------------------------------------------------+   
             +-DEACTivate,DVIPA=dvipa------------------------------------+   
             +-REACTivate,DVIPA=dvipa------------------------------------+   
             +-QUIesce,POrt=portnum--+---------------------------------+-+   
             |                       '-,JOBNAME=jobname-+------------+-' |   
             |                                          '-,ASID=asid-'   |   
             +-QUIesce,JOBNAME=jobname--+------------+-------------------+   
             |                          '-,ASID=asid-'                   |   
             +-QUIesce,TARGET--------------------------------------------+   
             +-RESUME,POrt=portnum--+---------------------------------+--+   
             |                      '-,JOBNAME=jobname-+------------+-'  |   
             |                                         '-,ASID=asid-'    |   
             +-RESUME,JOBNAME=jobname--+------------+--------------------+   
             |                         '-,ASID=asid-'                    |   
             '-RESUME,TARGET---------------------------------------------'   

パラメーター

procname
TCP/IP アドレス・スペースの ID。procname 値を指定しない場合、開始される TCP/IP アドレス・スペースは 1 つだけです。複数の TCP/IP アドレス・スペースが使用可能である場合に、procname 値を指定しないと、要求はエラー・メッセージを出して失敗します。
SYSplex
TCP/IP スタックの DVIPA シスプレックス特性の変更を要求します。
LEAVEgroup
TCP/IP スタックにシスプレックス・グループから離脱するように要求します。

これにより、スタックがシスプレックス・グループから離脱し、動的 DVIPA をすべて削除し、その構成済みの VIPADYNAMIC 定義をすべて非アクティブにします。 VIPADYNAMIC 構成情報は、SYSPLEX,JOINGROUP コマンドにより利用される可能性があるため保存されています。

シスプレックス・グループを再結合するには、VARY TCPIP,,SYSPLEX,JOINGROUP オペレーター・コマンドを実行する必要があります。これはスタックの保管された VIPADYNAMIC 構成の再処理も行います。

ガイドライン: これは、このシスプレックス・メンバーが正しく機能しておらず、唯一の代替手段がスタックを強制的にダウンさせることだとオペレーターが判断した場合の、最後の手段としてのみ実行してください。詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成ガイド」のシスプレックス問題の検出とリカバリーに関する情報を参照してください。

ヒント: Netstat VIPADCFG/-F レポートを使用すると、保管された VIPADYNAMIC 構成を表示できます。

JOINgroup
TCP/IP スタックにシスプレックス・グループを結合するように要求します。

このコマンドを実行すると、VTAM® が実行されていない場合、または DELAYJOIN パラメーターが GLOBALCONFIG SYSPLEXMONITOR に設定されて OMPROUTE が初期化されていない場合は、VTAM (および DELAYJOIN が設定されている場合は OMPROUTE) が初期化されるまで結合は行われません。スタックがシスプレックス・グループから離脱した後にこのコマンドを実行すると、スタックの保管された VIPADYNAMIC 構成の再処理も行われます。

GLOBALCONFIG SYSPLEXMONITOR ステートメントに NOJOIN を構成している場合、JOINgroup コマンドによって NOJOIN がオーバーライドされます。JOINgroup コマンドを発行すると、VTAM が動作中で、OMPROUTE が初期化されている場合 (GLOBALCONFIG SYSPLEXMONITOR に DELAYJOIN パラメーターも構成されている場合) は、TCP/IP スタックがシスプレックス・グループに結合します。

ヒント: Netstat VIPADCFG/-F レポートを使用すると、JOINgroup コマンドを実行する前に保管された構成を表示できます。

制約事項: Sysplex Problem Detection クリーンアップ機能が正常に機能せずにメッセージ EZZ9675E が出された場合、または保管された VIPADYNAMIC 構成を処理して TCP/IP シスプレックス・グループを結合する前回の試行が失敗してメッセージ EZD1194 が出された場合は、このコマンドを使用してスタックにシスプレックス・グループの再結合を要求することはできません。いずれかが起こった場合は、シスプレックス・グループを再結合する前にスタックを再始動する必要があります。

DEACTivate
TCP/IP スタックに動的 VIPA を非アクティブにするように要求します。動的 VIPA を非アクティブにすると、DVIPA は削除されたが、DVIPA の構成は保管されると示されます。
DVIPA=dvipa
dvipa は、このスタックで VIPADEFINE または VIPABACKUP により現在定義されている動的 VIPA (DVIPA) の IPv4 アドレス、IPv6 アドレス、または IPv6 インターフェース名です。DVIPA は、ACTIVE、 BACKUP、または MOVING の状況になります。
スタックは DVIPA を非アクティブにし、このスタックによるその DVIPA の配布を終了します。DVIPA 構成と VIPADISTRIBUTE 定義は保管され、非アクティブにされた DVIPA は DVIPA の最大数 (スタック上で定義可能) に向かってカウントされ続けます。このスタック上に DVIPA への既存の接続があり、これらの接続を維持できる別のスタックがある場合は、DVIPA は最後の接続が終了するまで QUIESCING 状況に保持され、その後 DVIPA は非アクティブにされます。
ガイドライン:
  • スタックがシスプレックス・グループの一部であるときにアクティブな DVIPA を非アクティブにすると、構成済みのバックアップ・スタックがその DVIPA を引き継ぎます。(この DVIPA のバックアップとして機能するスタックでは、OMPROUTE がアクティブでなければなりません。これで DVIPA を引き継ぐときに、このスタックが新規所有者であることを通知することができます)。
  • シスプレックス・ディストリビューター DVIPA を非アクティブにしても、DVIPA は別のスタックからの配布のターゲットとしてマークされます。アプリケーションがスタックでアクティブである限り、新規接続要求はそれに配布されます。
  • スタックがシスプレックス・グループの一部であるときにバックアップの DVIPA を非アクティブにすると、そのスタックは DVIPA を引き継ぐことができません。
  • このコマンドは、スタックがシスプレックス・グループから離脱した後に実行できます。スタックがグループ外であるときはスタックの DVIPA 定義はすべて非アクティブであるため、DVIPA は非活動状態と示されます。スタックが後にグループを再結合し、その VIPADYNAMIC 構成を復元する場合は、DVIPA は非活動状態のままです。
  • 非活動状態の DVIPA は、VARY TCPIP,,SYSPLEX,REACTIVATE コマンドを使用して再活動化することができます。
制約事項: BIND、SIOCSVIPA または SIOCSVIPA6 ioctl、MODDVIPA ユーティリティーで作成された VIPARANGE DVIPA を非アクティブにすることはできません。
REACTivate
非アクティブにされた動的 VIPA をその保管された構成を使用して再定義するように TCP/IP スタックに要求します。
DVIPA=dvipa
dvipa は、非アクティブにされた動的 VIPA (DVIPA) の IPv4 アドレス、IPv6 アドレス、または IPv6 インターフェース名です。
スタックは DVIPA とその DVIPA の配布を、DVIPA が非アクティブにされたときに保管された構成に基づいて再確立します。
ガイドライン:
  • スタックがシスプレックス・グループの一部であるときに VIPADEFINE DVIPA を再活動化すると、スタックは DVIPA を引き継ぎます。
  • スタックがシスプレックス・グループの一部であるときに VIPABACKUP DVIPA を再活動化すると、スタックは再度 DVIPA の適格なバックアップを取りますが、通常、DVIPA を直ちに活動化することはありません。 ただし、以下の条件が満たされると、この動作に対する例外が発生します。
    • 再活動化された DVIPA の VIPABACKUP プロファイル・ステートメントが MOVEABLE パラメーターを指定した。
    • DVIPA がシスプレックスの他の場所でアクティブでない。
  • このコマンドは、スタックがシスプレックス・グループから離脱した後に実行できます。スタックがグループ外であるときはスタックの DVIPA 定義はすべて非アクティブであるため、DVIPA は再活動されていると示されます。スタックが後にグループを再結合し、その VIPADYNAMIC 構成を復元する場合は、DVIPA 定義は復元されます。
QUIesce
指定されたアプリケーションまたは特定の TCP/IP スタック上のすべてのアプリケーションを DVIPA シスプレックス・ディストリビューターのワークロード・バランシングから静止するように要求します。このコマンドを実行すると、シスプレックス・ディストリビューターは新規の TCP 接続要求を指定されたアプリケーションに送付しません。これらのアプリケーションに対する既存の接続に影響はありません。このコマンドは、アプリケーションが静止されるローカル・システム上で実行する必要があります。このコマンドは、新規の TCP 接続要求を特定のアプリケーションまたはターゲット・システムから一時的に外したい場合に有効です。例えば、特定のアプリケーションまたはシステムをシャットダウンする場合です (メンテナンスのためなど)。シャットダウンする前にこのコマンドを実行すると、アプリケーションは既存のワークロード要求をすべて適切に完了することができます。PORT、JOBNAME、または TARGET パラメーターを QUIESCE キーワードの後に指定する必要があります。
POrt=portnum
ポート番号のパラメーターは、1 から 65535 の範囲内の整数です。これはオプションです。 このポート番号にバインドされているアプリケーションは、DVIPA シスプレックス・ディストリビューターのワークロード・バランシングから除外されます (新規 TCP 接続要求をシスプレックス・ディストリビューターから受け取りません)。portnum 値に、異なる jobname 値または asid 値を持つ、ポートにバインドされているアプリケーションのインスタンスが複数あるポートが指定されている場合、JOBNAME 値、または JOBNAME 値と ASID 値を指定して、静止される固有のアプリケーション・インスタンスを識別する必要があります。PORT または TARGET パラメーターを QUIESCE キーワードの後に指定する必要があります。
JOBNAME=jobname
jobname 値は、Quiesce コマンドが関連付けられるアプリケーションの MVS™ ジョブ名を指定します。
  • JOBNAME パラメーターが PORT キーワードなしで指定されている場合は、この jobname 値または asid 値を持つすべてのアプリケーションが、それらがバインドされるポートに関係なく静止されます。
  • jobname 値に、同じジョブ名を持つアプリケーションのインスタンスが複数あるが異なる asid 値を持つジョブ名が指定されている場合は、ASID パラメーターも指定する必要があり、一致するジョブ名を持つすべてのアプリケーション・インスタンスが使用しているポートに関係なく静止されます。
  • アプリケーションが実行される環境により、特定のクライアントまたはサーバー・アプリケーションに関連付けられるジョブ名が決定されます。
  • jobname 値の長さは、最大 8 文字です。また、この値はオプションです。
ガイドライン:
  • バッチ・ジョブとして実行依頼されたアプリケーションは、バッチ・ジョブ名を使用します。
  • MVS オペレーター・コンソールから START コマンドを使用して開始されたアプリケーションに関連付けられるジョブ名は、以下のように決定されます。
    • START コマンドがカタログ式プロシージャー・ライブラリーのメンバー名で実行された場合 (S APP1 など)、ジョブ名はそのメンバー名です (APP1 など)。
    • START コマンドのメンバー名が開始されたタスクの ID で修飾される場合 (S APP1.ABC など)、ジョブ名はその開始されたタスクの ID です (ABC など)。
    • JOBNAME パラメーターを START コマンドで使用しても、ジョブ名を識別することができます (S APP1,JOBNAME=XYZ など)。
    • JOBNAME パラメーターは、JOB カードに含めることもできます。
  • TSO ユーザー ID から実行されるアプリケーションは、その TSO ユーザー ID をジョブ名として使用します。
  • z/OS® シェルから実行されるアプリケーションは、通常、ログオンしたユーザー ID の末尾に 1 文字を追加したジョブ名を使用します。
  • 許可ユーザーは、z/OS シェルからアプリケーションを実行し、_BPX_JOBNAME 環境変数を使用してそのジョブ名を設定できます。 この場合、環境変数に指定される値はジョブ名です。
  • INETD で開始された z/OS UNIX アプリケーションは、通常、INETD サーバーの末尾に 1 文字を追加したジョブ名を使用します。
ASID=asid
asid 値はオプションです。この値は、静止されるアプリケーションに関連付けられる 16 進アドレス・スペース ID を指定します。portnum 値に、ポートにバインドされているアプリケーションのインスタンスが複数あるポートが指定されていて、jobname 値が固有でない場合は、asid 値を指定して、このポート、ジョブ名、および asid 値と一致するすべてのアプリケーション・インスタンスを静止することができます。
ガイドライン:
  • このコマンドは、アプリケーション・インスタンスが実行されているシステムと TCP/IP スタックで実行する必要があります。
  • このコマンドは、1 つの TCP/IP スタックのアプリケーション・インスタンスに適用されます。サーバーを CINET 環境の複数のスタック上で静止する必要がある場合、このコマンドは各スタックで実行する必要があります。
  • シスプレックス・ディストリビューターの時刻指定の類似性が終了します。 既存の接続は影響を受けません。
  • 静止状態は、アプリケーションのアクティブなリスニング・ソケットに関連付けられます。アプリケーションがリサイクルされるか、アプリケーションがクローズして指定されたポートで新規のリスニング・ソケットをオープンする場合、そのソケットは静止状態にはなりません。
  • 指定されていないアドレスにアプリケーションがバインドされる場合、配布済みの DVIPA を宛先 IP アドレスとして使用していない接続要求を引き続き受け取ることができます。
  • PORT= オプションで静止したアプリケーションは、RESUME コマンドを実行して再開することができます。

規則: アプリケーションが PORT= オプションまたは JOBNAME= オプションの後に、これらのアプリケーションがあるスタックに対する静止 TARGET オプションを使用して静止された場合は、PORT= オプションまたは JOBNAME= オプションを使用して各アプリケーションを再開することはできません。その代わりに、TARGET オプションを使用して TCP/IP スタック全体を再開する必要があります。

ヒント:
  • Netstat ALL コマンドを QUIESCED DEST|NO のように実行すると、どのアプリケーションが静止されたかを判別できます。
  • アプリケーションが静止した場合、Netstat VDPT 表示のレディー・カウント (Rdy) フィールド (シスプレックス・ディストリビューターのルーティング・スタックで実行) が減分されます。他のアプリケーションがこのターゲット TCP/IP スタック上のこのポートで listen していない場合は、カウントはゼロです。
TARGET
この TCP/IP スタック上のすべてのアプリケーションを DVIPA シスプレックス・ディストリビューターのワークロード・バランシングから静止するように要求します。既存の接続に影響はありません。
ガイドライン:
  • このコマンドは、静止されるシステムと TCP/IP スタックで実行する必要があります。
  • このコマンドは、1 つの TCP/IP スタックに適用されます。CINET 環境で複数の TCP/IP スタックがあるシステム全体を静止する必要がある場合は、システム上の各 TCP/IP スタックに対してコマンドを実行する必要があります。
  • シスプレックス・ディストリビューターの時刻ベースの類似性が終了します。 既存の接続は影響を受けません。
  • シスプレックス・ディストリビューターは新規の配布 DVIPA TCP 接続要求をこの TCP/IP スタックに送付しない一方、配布 DVIPA アドレスを宛先 IP アドレスとして指定しない TCP 接続はこの TCP/IP スタックにより処理され続けます。
  • TARGET の QUIESCE (静止) 状態は、この TCP/IP スタック上で実行されるすべてのアプリケーション (既存および新規) に対して、TCP/IP スタックがリサイクルされるか、V TCPIP,,RESUME,TARGET コマンドが実行されるまで持続します。
  • TCP/IP スタック全体が TARGET オプションを使用して静止される場合、各アプリケーションのワークロード配分を再開することはできません。ただし、V TCPIP,,RESUME,TARGET コマンドを使用して TCP/IP スタック全体の配分を再開することはできます。
  • TCP/IP スタック全体が TARGET オプションを使用して静止される場合、そのターゲット・スタック上の各アプリケーションの静止は無視されます。
ヒント:
  • Netstat ALL コマンドを QUIESCED DEST|NO のように実行すると、どのアプリケーションが静止されたかを判別できます。
  • TCP/IP スタックが静止した場合、Netstat VDPT 表示のレディー・カウント (Rdy) フィールド (シスプレックス・ディストリビューターのルーティング・スタックで実行) が、このターゲット TCP/IP スタックに関連するすべての項目でゼロになります。
RESUME
指定されたアプリケーションまたは TCP/IP スタックに関連付けられるすべてのアプリケーションに DVIPA シスプレックス・ディストリビューターのワークロード・バランシングのために再開するように要求します (新規 TCP 接続要求に対して有効になります)。PORT、JOBNAME、または TARGET 値を RESUME キーワードの後に指定する必要があります。
POrt=portnum
portnum 値は、1 から 65 535 の範囲内の整数です。このポート番号にバインドされているアプリケーションは、DVIPA シスプレックス・ディストリビューターのワークロード・バランシングのために再開されます。portnum 値に、ポートにバインドされているアプリケーションのインスタンスが複数あるポートが指定されている場合は、JOBNAME 値、または JOBNAME 値と ASID 値を指定して、再開される固有のアプリケーション・インスタンスを識別する必要があります。PORT 値または TARGET 値を RESUME キーワードの後に指定する必要があります。
JOBNAME=jobname
jobname 値は、RESUME コマンドが関連付けられるアプリケーションの MVS ジョブ名を指定します。
  • JOBNAME パラメーターが PORT キーワードなしで指定されている場合は、この jobname 値または asid 値を持つすべてのアプリケーションが、それらがバインドされるポートに関係なく再開されます。
  • jobname 値に、同じジョブ名を持つアプリケーションのインスタンスが複数あるが異なる asid 値を持つジョブ名が指定されている場合は、ASID パラメーターも指定する必要があり、一致するジョブ名を持つすべてのアプリケーション・インスタンスがポート値に関係なく再開されます。
  • アプリケーションが実行される環境により、特定のクライアントまたはサーバー・アプリケーションに関連付けられるジョブ名が決定されます。
  • jobname 値の長さは、最大 8 文字です。また、この値はオプションです。
ガイドライン:
  • バッチ・ジョブとして実行依頼されたアプリケーションは、バッチ・ジョブ名を使用します。
  • MVS オペレーター・コンソールから START コマンドを使用して開始されたアプリケーションに関連付けられるジョブ名は、以下のように決定されます。
    • START コマンドがカタログ式プロシージャー・ライブラリーのメンバー名で実行された場合 (S APP1 など)、ジョブ名はそのメンバー名になります (APP1 など)。
    • START コマンドのメンバー名が開始されたタスクの ID で修飾される場合 (S APP1.ABC など)、ジョブ名はその開始されたタスクの ID になります (ABC など)。
    • JOBNAME パラメーターを START コマンドで使用しても、ジョブ名を識別することができます (S APP1,JOBNAME=XYZ など)。
    • JOBNAME 値は、JOB カードに含めることもできます。
  • TSO ユーザー ID から実行されるアプリケーションは、その TSO ユーザー ID をジョブ名として使用します。
  • z/OS シェルから実行されるアプリケーションは、通常、ログオンしたユーザー ID と末尾に 1 文字を追加して組み合わせたジョブ名を使用します。
  • 許可ユーザーは、z/OS シェルからアプリケーションを実行し、_BPX_JOBNAME 環境変数を使用してそのジョブ名を設定できます。 この場合は、この環境変数に指定した値がジョブ名となります。
  • INETD で開始された z/OS UNIX アプリケーションは、通常、INETD サーバーの末尾に 1 文字を追加したジョブ名を使用します。
ASID=asid
オプションの asid 値は、静止されるアプリケーションに関連付けられる 16 進アドレス・スペース ID を定義します。portnum 値に、ポートにバインドされているアプリケーションのインスタンスが複数あるポートが指定されていて、ジョブ名が固有でない場合は、asid 値を指定して、この portnumjobname、および asid 値と一致するすべてのアプリケーション・インスタンスを静止することができます。
TARGET
この TCP/IP スタック上のすべてのアプリケーションを DVIPA シスプレックス・ディストリビューターのワークロード・バランシングのために再開するように要求します。PORT または TARGET を RESUME キーワードの後に指定する必要があります。
ガイドライン:
  • このコマンドは、静止されたスタック上または静止されたアプリケーション・インスタンスが実行されているスタック上で実行する必要があります。
  • このコマンドは、1 つの TCP/IP スタックのアプリケーション・インスタンスに適用されます。サーバーを CINET 環境の複数のスタック上で再開する必要がある場合、このコマンドは各スタックで実行する必要があります。
  • TARGET オプションを使用した RESUME コマンドだけが、TARGET オプション・コマンドの後に有効です。

スタックにそのすべての動的 VIPA の削除とシスプレックス・グループからの離脱を要求する場合:
   VARY TCPIP,,SYSPLEX,LEAVEGROUP  
   EZZ0060I PROCESSING COMMAND: VARY TCPIP,,SYSPLEX,LEAVEGROUP     
   EZZ0053I COMMAND SYSPLEX,LEAVEGROUP COMPLETED SUCCESSFULLY
スタックにシスプレックス・グループの結合とその動的 VIPA の復元を要求する場合:
   VARY TCPIP,,SYSPLEX,JOINGROUP 
   EZZ0060I PROCESSING COMMAND: VARY TCPIP,,SYSPLEX,JOINGROUP     
   EZD1178I THE VARY TCPIP,,SYSPLEX,JOINGROUP COMMAND WAS ACCEPTED
   EZD1176I TCPCS HAS SUCCESSFULLY JOINED THE TCP/IP SYSPLEX GROUP
   EZD1192I THE VIPADYNAMIC CONFIGURATION WAS SUCCESSFULLY RESTORED FOR stack_name 
スタックに動的 VIPA の非アクティブ化とその構成の保管を要求する場合:
   VARY TCPIP,,SYSPLEX,DEACTIVATE,DVIPA=203.1.1.99
   EZZ0060I PROCESSING COMMAND: VARY TCPIP,,SYSPLEX,DEACTIVATE,DVIPA=203.1.1.99     
   EZD1197I THE VARY TCPIP,,SYSPLEX,DEACTIVATE,DVIPA COMMAND COMPLETED SUCCESSFULLY
 
スタックに非アクティブにされた動的 VIPA の復元を要求する場合:
   VARY TCPIP,,SYSPLEX,REACTIVATE,DVIPA=203.1.1.99
   EZZ0060I PROCESSING COMMAND: VARY TCPIP,,SYSPLEX,REACTIVATE,DVIPA=203.1.1.99     
   EZD1189I THE VARY TCPIP,,SYSPLEX,REACTIVATE,DVIPA COMMAND COMPLETED SUCCESSFULLY
DVIPA シスプレックス・ディストリビューターのワークロード・バランシングに対して、同じ jobname 値と asid 値を持つポート 500 で listen しているすべてのアプリケーション・インスタンスの静止をスタックに要求する場合:
  VARY TCPIP,,SYSPLEX,QUIESCE,PORT=500
  EZZ0060I PROCESSING COMMAND: VARY TCPIP,,SYSPLEX,QUIESCE,PORT=500
  EZZ0053I COMMAND SYSPLEX,QUIESCE COMPLETED SUCCESSFULLY
DVIPA シスプレックス・ディストリビューターのワークロード・バランシングに対して、スタックに特定の共用ポートのアプリケーション・インスタンスの静止を要求する場合:
  VARY TCPIP,,SYSPLEX,QUIESCE,PORT=23,JOBNAME=job1,ASID=71
  EZZ0060I PROCESSING COMMAND: VARY TCPIP,,SYSPLEX,QUIESCE,PORT=23,JOBNAME=JOB1,ASID=71
  EZZ0053I COMMAND SYSPLEX,QUIESCE COMPLETED SUCCESSFULLY
DVIPA シスプレックス・ディストリビューターのワークロード・バランシングに対して、スタックにすべてのアプリケーション・インスタンスの静止を要求する場合:
  VARY TCPIP,,SYSPLEX,QUIESCE,TARGET
  EZZ0060I PROCESSING COMMAND: VARY TCPIP,,SYSPLEX,QUIESCE,TARGET
  EZZ0053I COMMAND SYSPLEX,QUIESCE COMPLETED SUCCESSFULLY
DVIPA シスプレックス・ディストリビューターのワークロード・バランシングに対して、ポートに関係なく同じ jobname 値と asid 値を持つすべてのアプリケーション・インスタンスの静止をスタックに要求する場合:
VARY TCPIP,,SYSPLEX,QUIESCE,JOBNAME=job2
  EZZ0060I PROCESSING COMMAND: VARY TCPIP,,SYSPLEX,QUIESCE,JOBNAME=JOB2
  EZZ0053I COMMAND SYSPLEX,QUIESCE COMPLETED SUCCESSFULLY
DVIPA シスプレックス・ディストリビューターのワークロード・バランシングに対して、同じ jobname 値と asid 値を持つポート 500 で listen しているすべてのアプリケーション・インスタンスの再開をスタックに要求する場合:
  VARY TCPIP,,SYSPLEX,RESUME,PORT=500
  EZZ0060I PROCESSING COMMAND: VARY TCPIP,,SYSPLEX,RESUME,PORT=500
  EZZ0053I COMMAND SYSPLEX,RESUME COMPLETED SUCCESSFULLY
DVIPA シスプレックス・ディストリビューターのワークロード・バランシングに対して、スタックに特定の共用ポートのアプリケーション・インスタンスの再開を要求する場合:
  VARY TCPIP,,SYSPLEX,RESUME,PORT=23,JOBNAME=job1,ASID=71
  EZZ0060I PROCESSING COMMAND: VARY TCPIP,,SYSPLEX,RESUME,PORT=23,JOBNAME=JOB1,ASID=71
  EZZ0053I COMMAND SYSPLEX,RESUME COMPLETED SUCCESSFULLY
DVIPA シスプレックス・ディストリビューターのワークロード・バランシングに対して、スタックにすべてのアプリケーション・インスタンスの再開を要求する場合:
  VARY TCPIP,,SYSPLEX,RESUME,TARGET
  EZZ0060I PROCESSING COMMAND: VARY TCPIP,,SYSPLEX,RESUME,TARGET
  EZZ0053I COMMAND SYSPLEX,RESUME COMPLETED SUCCESSFULLY
DVIPA シスプレックス・ディストリビューターのワークロード・バランシングに対して、ポートに関係なく同じ jobname 値と asid 値を持つすべてのアプリケーション・インスタンスの再開をスタックに要求する場合:
VARY TCPIP,,SYSPLEX,RESUME,JOBNAME=job2 
  EZZ0060I PROCESSING COMMAND: VARY TCPIP,,SYSPLEX,RESUME,JOBNAME=JOB2
  EZZ0053I COMMAND SYSPLEX,RESUME COMPLETED SUCCESSFULLY

使用法

RACF® プロファイル名 MVS.VARY.TCPIP.SYSPLEX への CONTROL アクセスに対するユーザー ID を許可することで、ユーザーに対してコマンドを呼び出す権限を与えることができます。