VARY TCPIP,,DATTRACE

VARY TCPIP,,DATTRACE コマンドは、ソケット・データをトレース (変換) して物理ファイル構造 (PFS) に入れたり、出したりするのに使用します。TCP ソケットと UDP ソケットの場合、このコマンドは以下のレコードの作成も行います。
  • アプリケーションに関連付けられたソケットで最初に送受信されたデータを示す API データ・フロー開始状態フィールドを持つ開始レコード。
  • ソケットがクローズしたことを示す API データ・フロー終了状態フィールドを持つ終了レコード。

フォーマット

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>>-Vary--TCPIP,--+----------+----------------------------------->
                 '-procname-'   

>--,--DATtrace--+------+--| TRACE |----------------------------><
                +-,ON--+              
                '-,OFF-'              

TRACE

   .-FULL----------------------.     .-JOBNAME=*--------.      
|--+---------------------------+--,--+------------------+--,---->
   |         .-200-----------. |     '-JOBNAME=job_name-'      
   '-ABBREV=-+---------------+-'                               
             '-abbrev_length-'                                 

   .-IP=*---------------------.  .-PORTNum=*-----------.   
>--+--------------------------+--+---------------------+--------|
   '-IP=-+-| IPv4_address |-+-'  '-PORTNum=port_number-'   
         '-| IPv6_address |-'                              

IPv4_address

                 .-,SUBNet=255.255.255.255-.   
|--ipv4_address--+-------------------------+--------------------|
                 +-,SUBNet=subnet_mask-----+   
                 '-/num_mask_bits----------'   

IPv6_address

                 .-/128----------.   
|--ipv6_address--+---------------+------------------------------|
                 '-/prefixLength-'   

パラメーター

procname
サーバーまたはアドレス・スペースを開始するために使用したプロシージャー・ライブラリー内のメンバーの名前。
ON
ソケット・データ・トレースをオンにし、以前に定義したすべての設定値を消去して、デフォルト設定だけをリフレッシュします。
オフ
ソケット・データ・トレースをオフにします。
ABBREV
ソケット・データの切り捨てられた部分をトレースすることを指定します。0 から 65535 の範囲の長さを指定するか、またはデフォルト値 200 を使用できます。 ABBREV パラメーターは、トレース・ファイルに保管するデータのボリュームを削減するために使用することができます。
FULL
すべてのソケット・データをトレースすることを指定します。
JOBNAME
トレースするアプリケーション・アドレス・スペー スの名前を指定します。デフォルト (*) では、全ジョブが対象になっています。
IP
関連ソケットの送信元アドレスと宛先アドレスの両方と比較する IP アドレス (小数点付き 10 進表記の 32 ビット IPv4 アドレス、またはコロン付き 16 進表記の 128 ビット IPv6 アドレスのいずれか) を指定します。 ソケットの送信元アドレスまたは宛先アドレスのいずれかが指定 IP アドレスと一致した場合は、そのデータがトレースされます。IP オプションを省略するか、 アスタリスク (*) を指定すると、すべての IP アドレスがトレースされます。

IPv6 アドレスを指定した場合は、オプションの prefixLength (1 から 128 の範囲) が指定できます。 IPv4 アドレスと、IPv4 に マップされた IPv6 アドレスは、同一アドレスとして処理されます。デフォルトの prefixLength は 128 です。IPv4 アドレスを指定した 場合は、/num_mask_bits を使用することができます。num_mask_bits と SUBNET の 両方を同時に指定することはできません。両方を指定すると、エラー・メッセージが表示されます。

注: IP アドレス選択を DATTRACE と一緒に使用することは、お勧めしません。
PORTNUM
関連ソケットの送信元ポート番号および宛先ポート番号と比較するポート番号を指定します。ポート番号は、1 から 65535 の範囲の整数にする必要があります。 送信元ポートまたは宛先ポートのいずれかが指定ポート番号と一致した場合は、そのデータがトレースされます。PORTNUM オプションを省略するか、アスタリスク (*) を指定すると、送信元ポートまたは宛先ポートに基づいたパケットのフィルタリングは行われません。

規則: PORTNUM オプションを指定すると、RAW プロトコル・タイプを使用するパケットはトレースされません。PORTNUM パラメーターは TCP プロトコルと UDP プロトコルにのみ適用されます。

SUBNET
IP=ipv4_address パラメーターで指定した IP アドレスの ホスト部分とネットワーク部分に適用されるサブネット・マスクを指定します。サブネット・マスクは、小数点付き 10 進表記 で、IP=ipv4_address パラメーターと一緒に指定する必要があります。IPv4 アドレスを指定した 場合は、/num_mask_bits を使用することができます。num_mask_bits と SUBNET の 両方を同時に指定することはできません。両方を指定すると、エラー・メッセージが表示されます。

次の VARY コマンドを使用して、すべてのジョブ名に対してデータ・トレースを開始することができます。
  • IPv4 アドレッシング: v tcpip,,dat,jobname=*,ip=9.67.113.61/32
  • IPv6 アドレッシング: v tcpip,,dat,full,jobname=*,ip=C5::1:2:3:4/126
Netstat CONFIG/-f コマンドを使用して、データ・トレースを表示することができます。次の例は、単一項目のデータ・トレースを示したものです。
Data Trace Setting:
   Jobname: *                   TrRecCnt: 0000000000    Length: FULL
   IpAddr:  *                   SubNet: 255.255.255.255
   PortNum: *
次の例は、複数項目のデータ・トレースを示したものです。
Data Trace Setting:
 JobName: *           TrRecCnt: 00000000  Length: FULL
 IpAddr/PrefixLen:  10.1.1.1/24
 PortNum: *
  
 JobName: *           TrRecCnt: 00000000  Length: FULL
 IpAddr/PrefixLen:  5555:4444::2222/128
 PortNum: *

使用法

  • RACF® プロファイル名 MVS™.VARY.TCPIP.DATTRACE への CONTROL アクセスに対するユーザー ID を許可することで、ユーザーに対してコマンドを呼び出す権限を与えることができます。