変更の始まり

VARY TCPIP,,EXPORTPROF

VARY TCPIP,,EXPORTPROF コマンドを使用して、Configuration Assistant で使用する TCP/IP スタック・プロファイルをエクスポートします。エクスポートされたプロファイルは VARY TCPIP,,EXPORTPROF コマンドによって作成される z/OS® UNIX ファイル内に保存されます。その後、Configuration Assistant を使用してプロファイルをインポートできます。これにより、Configuration Assistant に対して変更の始まり既存の変更の終わり TCP/IP スタック・プロファイルを定義するための簡単な方法が提供されます。TCP/IP スタック・プロファイルをインポートした後、Configuration Assistant を使用してプロファイルを変更できます。

変更の始まりこのコマンドは、INCLUDE データ・セットを含む、エクスポートする TCP/IP プロファイル・データ・セットへのファイル・アクセスを持つすべての TCP/IP スタックに送信できます。
要件:
  • TCP/IP スタックは、プロファイル内のすべてのステートメントをサポートする z/OS Communications Server のリリースを実行している必要があります。
  • エクスポートするプロファイルに MVS™ システム・シンボルが含まれている場合、正しいシステム・シンボル値がインポートされるように、エクスポート対象の構成を持つスタックと同じ MVS イメージに対して VARY TCPIP,,EXPORTPROF コマンドを実行する必要があります。
変更の終わり

コマンドは、送信先のスタックのプロファイルを更新しないため、コマンド処理はシステム操作またはネットワーク構成に影響しません。ただし、標準の TCP/IP 構成構文検査がプロファイル・ステートメントに対して実行され、構文エラーが発生した場合はコマンドの処理が停止します。

規則:
  • このコマンドは、プロファイル・データ・セットで指定されたステートメントおよびパラメーターに必要な z/OS リリース上で呼び出す必要があります。
  • 構文エラーが発生した場合はコマンドが停止するため、すべての構文エラーが解決されるまでコマンドを数回起動することが必要な場合もあります。
  • 変更の始まりz/OS Communications Server: IP 構成解説書」の『構成ステートメントに関するステートメントの構文』の概要に記載されている構文規則および制限事項に、プロファイル・データ・セット内のステートメント、パラメーター、およびコメントが従うようにする必要があります。変更の終わり
ガイドライン: クラス OPERCMDS でリソース・プロファイル MVS.VARY.TCPIP.EXPORTPROF を定義した場合は、ユーザー ID にリソース・プロファイルへの CONTROL アクセスを付与することによって、ユーザーがコマンドを呼び出すことを許可します。
結果:
  • コマンドが成功すると、エクスポートされたプロファイルを含むファイルが作成されます。
  • コマンドは、送信先のスタックのプロファイルとの競合を検出したり報告したりしません。
  • コマンド自体は論理プロファイル・エラーを検出できませんが、Configuration Assistant がプロファイルをインポートするときにプロファイルが有効であることを確認します。
  • 変更の始まりBEGINROUTES や NETACCESS などの構成済み値の項目をサポートするプロファイル・ステートメントの場合、エクスポートされるプロファイル内に重複するすべての項目が作成されます。プロファイルが Configuration Assistant にインポートされると、重複する項目は状況が「不完全」で表示されます。重複する項目を検討して、保持する項目を決定する必要があります。重複する他の項目を手動で削除して、構成を完了する必要があります。変更の終わり

コマンド固有の構文エラー

以下に示す追加の構文エラーは VARY TCPIP,,EXPORTPROF コマンドに固有のものです。
  • GLOBALCONFIG SEGMENTATIONOFFLOAD および NOSEGMENTATIONOFFLOAD パラメーター

    SEGMENTATIONOFFLOAD および NOSEGMENTATIONOFFLOAD パラメーターは GLOBALCONFIG プロファイル・ステートメントで非推奨であるため、これらのパラメーターは IPCONFIG プロファイル・ステートメントでのみ受け入れられます。

  • IPCONFIG または IPCONFIG6 TCPSTACKSOURCEVIPA パラメーター

    IPCONFIG または IPCONFIG6 プロファイル・ステートメントで TCPSTACKSOURCEVIPA パラメーターが指定された場合、SOURCEVIPA パラメーターもステートメントで指定される必要があります。

  • SMFCONFIG プロファイル・ステートメント

    TYPE118 および TYPE119 の両方のパラメーターをこのステートメントに指定することはできません。Configuration Assistant では、両方のタイプの SMF レコードを構成することがサポートされていません。

  • SMFPARMS プロファイル・ステートメント

    このステートメントはサポートされていません。このステートメントの SMF レコード指定を SMFCONFIG プロファイル・ステートメントのパラメーターに変換する必要があります。

  • TRANSLATE プロファイル・ステートメント

    このステートメントはサポートされておらず、エクスポートされるプロファイルから除去する必要があります。

  • 変更の始まり項目を持たないプロファイル・ステートメント
    項目をサポートする以下のプロファイル・ステートメントの場合、項目を持たないステートメントの指定は構文エラーとして処理されます。
    • AUTOLOG
    • BEGINROUTES
    • BSDROUTINGPARMS
    • DEFADDRTABLE
    • HOME
    • IPSEC

      このステートメントについて構文エラーが生成されるのは、規則が定義されておらず、DVIPSEC や LOGENABLE などのグローバル・パラメーターが指定されていない場合のみです。

    • NETACCESS
    • SRCIP
    これらのステートメントは、エクスポートされるプロファイルから除去する必要があります。
    変更の終わり
変更の始まり

通常のプロファイル・ステートメント・サポートのバリエーション

VARY TCPIP,,EXPORTPROF コマンドは、以下のプロファイル・パラメーターを、通常の TCP/IP 構成処理で行うのとは異なる方法で処理します。

  • HOME ステートメントおよび SOURCEVIPA の考慮事項

    VARY TCPIP,,EXPORTPROF コマンドは、IPCONFIG SOURCEVIPA が指定されている場合に、エクスポートされるプロファイル内の HOME ステートメントからのみ SOURCEVIPA 情報を作成します。

    要件: HOME ステートメントに、実インターフェースのソース IP アドレスとして使用する静的 VIPA IP アドレスが含まれている場合、VARY TCPIP,,EXPORTPROF コマンドで指定されたプロファイル内で IPCONFIG SOURCEVIPA を指定する必要があります。
  • IPCONFIG ARPTO パラメーター

    IPCONFIG ARPTO パラメーターの値は秒単位から分単位に変換されて切り上げられます。これは Configuration Assistant では分単位の値しかサポートされないためです。

  • SACONFIG DISABLED パラメーター

    SACONFIG プロファイル・ステートメントで DISABLED パラメーターが指定された場合、そのステートメントの他のすべてのパラメーターは無視されます。これに対し、通常の TCP/IP 構成処理では他のパラメーターの値が保存されるため、それらは TCP/IP サブエージェントが次回有効になるときに有効になります。

変更の終わり

無視されるプロファイル・ステートメントおよびパラメーター

VARY TCPIP,,EXPORTPROF コマンドは、Configuration Assistant によってサポートされない以下のプロファイル・ステートメントまたはパラメーターを無視します。これを示すためにメッセージ EZZ0405I が発行されます。
  • BSDROUTINGPARMS

    TRUE/FALSE、cost_metric、および dest_addr パラメーターはすべてのインターフェースから無視されます。mtu および subnet_mask パラメーターは、プロファイル・ステートメント DEVICE および LINK によって定義される IPAQENET インターフェースおよび IPAQIDIO インターフェースでサポートされ、他のすべてのインターフェースでは無視されます。

  • DELETE
  • INTERFACE
    • LOOPBACK6 インターフェースの場合、DELADDR および DEPRADDR パラメーターは無視されます。
    • LOOPBACK6 以外のインターフェースの場合、DELETE、ADDADDR、DELADDR、DEPRADDR、ADDTEMPPREFIX、および DELTEMPPREFIX パラメーターは無視されます。
  • ITRACE
  • OSAENTA
  • PKTTRACE
  • STOP
  • VIPADYNAMIC
    • VIPADELETE
    • VIPADISTRIBUTE DELETE
    • VIPARANGE DELETE
    • VIPAROUTE DELETE

エクスポートされたプロファイル・ファイル

VARY TCPIP,,EXPORTPROF コマンドは、エクスポートされたプロファイルを /var/exportprof ディレクトリー内の z/OS UNIX ファイルに保管します。コマンドは、ファイル名を提供するメッセージ EZZ0070I を出します。ファイル名は次の形式です。

systemname.stackname.timestamp
ここで、
  • systemname は、コマンドが実行される MVS システム名です。
  • stackname は、以下のいずれかの値になります。
    • オプションの TCP/IP スタック名パラメーターとしてコマンドで指定される名前。
    • コマンドが送信された TCP/IP スタックの名前 (コマンドにスタック名が指定されなかった場合)。
  • timestamp は、ファイルが作成された時刻で、形式は YYYY.MM.DD.HH.MM.SS になります。時間を示す HH 値は 24 時間表示に基づきます。
変更の始まりコマンドによって、TCP/IP スタックの z/OS UNIX の uid および gid においてディレクトリーおよびファイルが作成され、以下に示すファイル・アクセス許可ビット値が設定されます。
  • /var/exportprof

    コマンドにより、ファイル・アクセス許可ビット値が 660 (-rw-rw----) のディレクトリーが作成されます。

  • z/OS UNIX ファイル

    コマンドにより、ファイル・アクセス許可ビット値が 640 (-rw-r-----) の個々の z/OS UNIX ファイルが作成されます。

変更の終わり

CINET 環境では、TCP/IP スタックに割り当てた z/OS UNIX uid および gid の値により、すべてのスタックがディレクトリーにアクセスできるようにする必要があります。

エクスポートされるプロファイル編成

エクスポートされるプロファイルで、プロファイル・ステートメント情報は、プロファイル・ステートメントを含むデータ・セットの下で通常グループ化されますが、以下のインターフェース構成を除きます。
  • DEVICE プロファイル・ステートメントによって構成されたネットワーク・インターフェース
    DEVICE プロファイル・ステートメントによって構成されるネットワーク・インターフェースの場合、インターフェースを完全に定義するための対応する LINK および HOME プロファイル・ステートメントも指定する必要があります。これらのインターフェースでは、すべてのプロファイル情報は、DEVICE ステートメントが指定されたデータ・セットの下でグループ化されます。このことは、ネットワーク・インターフェースについての以下のプロファイル・ステートメントに適用されます。
    • LINK
    • HOME
    • BSDROUTINGPARMS
    • START
  • INTERFACE プロファイル・ステートメントによって構成されたネットワーク・インターフェース

    いずれかのプロファイル・データ・セットの INTERFACE 名について START プロファイル・ステートメントが指定された場合、START 指定は INTERFACE ステートメントが指定されたデータ・セットの下でグループ化されます。

変更の始まり

フォーマット

構文図を読む構文図をスキップする
>>-Vary --TCPIP--,--+----------+--,--EXPOrtprof--,-------------->
                    '-procname-'                     

>--datasetname--+----------------+-----------------------------><
                '-,profile_stack-'   

変更の終わり
変更の始まり

パラメーター

procname
コマンドが送信される TCP/IP スタックの 1 から 8 文字の ID。procname 値を指定しない場合、開始できる TCP/IP アドレス・スペースは 1 つだけです。複数の TCP/IP アドレス・スペースが使用可能である場合に、procname 値を指定しないと、要求はエラー・メッセージを出して失敗します。
規則: このスタックは VARY TCPIP,,EXPORTPROF コマンドおよびプロファイル内のステートメントをサポートする必要があります。
EXPORTPROF
Configuration Assistant で使用する TCP/IP スタック・プロファイルをエクスポートするために、このパラメーターを指定します。プロファイル・ステートメントを datasetname 値で指定されるデータ・セットに指定します。
datasetname
エクスポートする TCP/IP プロファイル・ステートメントを含む基本データ・セットの名前。datasetname 値は、引用符を使用しないで指定された、カタログ式の完全修飾データ・セット名でなければなりません。 datasetname 値には、順次データ・セットまたは区分データ・セット (PDS) のメンバーのいずれかを指定できます。
結果: エクスポート処理には、任意の INCLUDE ステートメントで指定されるプロファイル・ステートメントが含まれます。
profile_stack
エクスポートされるプロファイルを所有する TCP/IP スタックの 1 から 8 文字の ID。このオプション・パラメーターが指定された場合、この値は出力 z/OS UNIX ファイルの名前の stackname 修飾子として使用されます。
変更の終わり
変更の始まり

以下の例は、コマンドを TCP/IP スタック TCPIP1 に送信し、MVS システム MVS1 上で起動します。コマンドは、データ・セット SYS1.TCPPARMS(TCPIP) の TCP/IP スタック・プロファイルをエクスポートします。プロファイルを所有する TCP/IP スタックのオプション名は指定されていません。
VARY TCPIP,TCPIP1,EXPO,SYS1.TCPPARMS(TCPIP)
EZZ0060I PROCESSING COMMAND: VARY TCPIP,TCPIP1,EXPO,SYS1.TCPPARMS(TCPIP) 
EZZ0067I VARY EXPORTPROF COMMAND BEGINNING                         
EZZ0300I OPENED INCLUDE FILE 'SYS1.TCPPARMS(PORT)' 
EZZ0300I OPENED INCLUDE FILE 'SYS1.TCPPARMS(INTFS)'                  
EZZ0300I OPENED EXPORTPROF FILE 'SYS1.TCPPARMS(TCPIP)'                   
EZZ0309I PROFILE PROCESSING BEGINNING FOR 'SYS1.TCPPARMS(TCPIP)'         
EZZ0309I PROFILE PROCESSING BEGINNING FOR SYS1.TCPPARMS(PORT)           
EZZ0316I PROFILE PROCESSING COMPLETE FOR FILE 'SYS1.TCPPARMS(PORT)'     
変更の始まりEZZ0304I RESUMING PROCESSING OF FILE 'SYS1.TCPPARMS(TCPIP)'
EZZ0309I PROFILE PROCESSING BEGINNING FOR SYS1.TCPPARMS(INTFS)
EZZ0316I PROFILE PROCESSING COMPLETE FOR FILE 'SYS1.TCPPARMS(INTFS)'
EZZ0304I RESUMING PROCESSING OF FILE 'SYS1.TCPPARMS(TCPIP)'
EZZ0316I PROFILE PROCESSING COMPLETE FOR FILE 'SYS1.TCPPARMS(TCPIP)'変更の終わり
EZZ0070I VARY EXPORTPROF COMMAND CREATED EXPORT FILE: MVS1.TCPIP1.2016.03.20.18.30.04
EZZ0053I COMMAND VARY EXPORTPROF COMPLETED SUCCESSFULLY                 
EZZ0069I VARY EXPORTPROF COMMAND COMPLETE

変更の始まりこの例で、エクスポートされたプロファイルは z/OS UNIX ファイル /var/exportprof/MVS1.TCPIP1.2016.03.20.18.30.04 に保存されます。変更の終わり

変更の終わり
変更の終わり