NSLOOKUP オプション

NSLOOKUP の構成オプションによって、ネーム・サーバー照会の操作と結果が決まります。 このオプションは、コマンド・モード照会、対話モード照会、 または user_id.NSLOOKUP.ENV データ・セットで指定することができます。 NSLOOKUP オプションを最初の NSLOOKUP コマンドに組み込む場合は、この オプションの直前に (-) オペランドを置く必要があります。対話モードで NSLOOKUP オプションを指定する場合は、SET サブコマンドをこのオプションの直前に 置く必要があります。NSLOOKUP オプションを user_id.NSLOOKUP.ENV データ・セットで 指定するのはオプションです。オプション値をリセットするのであれば、そのオプションの前 で SET サブコマンドを使用します。(-) オペランドは、 user_id.NSLOOKUP.ENV データ・セットでは有効な先行 オプション では ありません。

例えば、ドメイン・ネーム fourex.oz について、ネーム・サーバー (NS) の タイプ・レコード・ルックアップをコマンド・モードで指定するには、次のように入力します。
nslookup -querytype=ns fourex.oz
同じ要求を対話モードで実行依頼するには、次の順序で入力します。
nslookup
set querytype=ns
fourex.oz
querytype の NS を NSLOOKUP コマンドのデフォルト・オプションにするには、 次のいずれかのステートメントを user_id.NSLOOKUP.ENV データ・セットに入れます。
  • set querytype=ns
  • querytype=ns

オプションのデータ・セット user_id.NSLOOKUP.ENV は、NSLOOKUP オプションのみを 含んでおり、NSLOOKUP デフォルトを定義します。user_id.NSLOOKUP.ENV データ・セットが 存在する場合、NSLOOKUP オプションはそのデータ・セットから読み取られ、何らかの照会が 行われる前に実行されます。それぞれのオプションは、別々の行に入力する必要があります。ブランク行は無視されます。

次の例は、user_id.NSLOOKUP.ENV データ・セットの内容を示しています。
set domain=powers.oz
querytype=HINFO
set norecurse
vc
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オプション

|--+-all---------------------+----------------------------------|
   +-class--=--class---------+   
   | .-nod2-.                |   
   +-+-d2---+----------------+   
   | .-nodebug-.             |   
   +-+-debug---+-------------+   
   | .-nodefname-.           |   
   +-+-defname---+-----------+   
   +-domain--=--name---------+   
   | .-noignoretc-.          |   
   +-+-ignoretc---+----------+   
   | .-53------------.       |   
   +-+-port--=--port-+-------+   
   | .-A------------------.  |   
   +-+-querytype--=--type-+--+   
   | .-recurse---.           |   
   +-+-norecurse-+-----------+   
   +-retry--=--limit---------+   
   +-root--=--name-----------+   
   | .-search---.            |   
   +-+-nosearch-+------------+   
   |              .-/------. |   
   |              V        | |   
   +-srchlist--=----domain-+-+   
   +-timeout--=--interval----+   
   | .-novc-.                |   
   '-+-vc---+----------------'   

all
内部状態変数の現行値を印刷できるようにします。このオプションは、NSLOOKUP の内部状態を変更しません。
class=class
照会により戻される情報のクラスを設定します。クラスは簡略記号で示します。このオプションの最短省略形は cl です。
d2
追加デバッグ・モードを使用可能にするように、NSLOOKUP に指示します。 d2 を使用して、デバッグ・モードも使用可能にすることができます。
注: 逆照会を使用しているときにホストのすべての別名を入手する には、d2 オプションを設定する必要があります。
nod2
追加デバッグ・モードを使用不可にするように、NSLOOKUP に指示します。 デフォルトは、nod2 です。
debug
それぞれの照会とそれに対応する応答ごとに、デバッグ情報を印刷するように NSLOOKUP に 指示します。最短省略形は、deb および nodeb です。
nodebug
それぞれの照会とそれに対応する応答ごとに、デバッグ情報を印刷しないように NSLOOKUP に 指示します。このオプションは、d2 を使用不可にします。 最短省略形は、nodeb です。これはデフォルトです。
defname
デフォルトのドメイン・ネームを照会の中の非修飾ドメイン・ネームに付加するように、NSLOOKUP に 指示します。この値はデフォルトです。 検索リストも有効にしている場合、照会が解決されるまで、または検索リスト内にドメイン・ネームがなくなるまで、検索リストで指定したドメイン・ネームも付加されていきます。

デフォルトのドメイン・ネームは、最初に、TCPIP.DATA データ・セットから取得します が、domain=name オプションを使用して変更することができます。このオプションの最短省略形は def です。

nodefname
デフォルトのドメイン・ネームを照会の中の非修飾ドメイン・ネームに付加しないよう に、NSLOOKUP に指示します。

このオプションを指定すると、その照会の中で指定されたドメイン・ネームは、変更せずにサーバーに 渡されます。有効にしていても、検索リストは使用されません。このオプションの最短省略形は nodef です。

domain=name
デフォルトのドメイン・ネームを name に設定します。最初は、デフォルトの ドメイン・ネームは TCPIP.DATA データ・セットから取得します。name の妥当性は検査 されません。このオプションは、検索リストの更新も行います。検索リストには、指定されたドメインと デフォルトのドメインの親 (デフォルト名に 2 つ以上のコンポーネントがある場合) が含まれています。例えば、デフォルトのドメインが wurrup.forex.oz の場合、 検索リストには wurrup.forex.oz および forex.oz が含まれます。 別の検索リストを指定するには、SET srchlist コマンドを使用します。このオプションの最短省略形は do です。
ignoretc
切り捨てられる応答の取り扱いについて、NSLOOKUP に指示します。 ネーム・サーバーは、照会の完全な応答が 1 つの UDP パケットに入りきらなかったため、切り捨て られたことを応答ヘッダーに示します。

ignoretc を指定すると、ネーム・サーバーによって切り捨て条件が応答に設定されている場合、 それを無視するように NSLOOKUP に指示します。

NSLOOKUP は、長さが 512 文字を超える応答は扱いません。512 文字を超える応答は、切り捨てられ、 内部切り捨てフラグが設定されます。この条件は、debug オプションが使用可能な場合にのみ 現れます。このオプションの最短省略形は ig です。

noignorectc
切り捨て標識を設定して応答を送信する場合は、TCP 接続を使用して照会を自動的に再試行する ように NSLOOKUP に指示します。これがデフォルトです。このオプションの最短省略形は noig です。
port=port
ネーム・サーバーに連絡する際に使用するポート番号を指定します。 ドメイン・ネーム・システムは事前割り当てのサービスであり、ポート 53 に割り振られています。NSLOOKUP はデフォルトでポート 53 を使用しますが、ポート・オプションによって別のポートを アクセスするように指定することができます。このオプションの最短省略形は po です。
querytype=type
照会によって戻される情報のタイプを指定します。初期の照会タイプは A (アドレス情報) です。有効な照会タイプの詳細については、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。

NSLOOKUP は、タイプ NULL に関する照会を生成することはできません。ただし、タイプ NULL のリソース・レコードを含んでいる応答を受け入れることはできます。 この場合、NSLOOKUP は NULL レコードで戻されたバイト数を表示します。特定のドメイン・ネームについて のすべてのリソース・レコードを戻すようなグローバルな照会は、ワイルドカード値の ANY によって指定 することができます。このオプションの最短省略形は q です。

NSLOOKUP は、type=type オプションを querytype=type オプションの同義語として 受け入れます。

recurse
ネーム・サーバーを照会する際に、再帰的な照会を NSLOOKUP に指示します。このオプションの最短省略形は rec です。これがデフォルトです。
norecurse
再帰的な照会を戻さないように指定します。このオプションの最短省略形は norec です。
retry=limit
要求の再送回数を指定します。要求が送信され、応答のタイムアウト期間の期限が切れる と、limit で指定された値を超えるまで、要求が再送されます。limit で指定 された値によって、ネーム・サーバーに連絡する試行回数が決まります。limit の デフォルト値は、TCPIP.DATA データ・セットから取り出します。

limit を 0 に設定すると、NSLOOKUP はネーム・サーバーと連絡できなくなります。この結果、エラー・メッセージ no response from server が出されます。

NSLOOKUP の再試行のアルゴリズムでは、limit 値およびタイムアウト期間の両方を使用 しています。このオプションの最短省略形は ret です。

root=name
ルート・サーバーの名前を指定します。デフォルトでは、ルート・サーバー は ns.nic.ddn.mil です。
search
検索リストが使用できるように、NSLOOKUP に指示します。 このオプションの最短省略形は sea です。
nosearch
検索リストを使用不可にするように、NSLOOKUP に指示します。 このオプションの最短省略形は nosea です。
srchlist=[domain/domain⁄...]
ホスト名の解決を試みているときに、非完全修飾ドメイン名に付加されるドメイン名を 1 つから 3 つまで指定します。指定した各ドメイン・ネームは、一致するものが見つかるまで、または試みるドメイン・ネームがなくなるまで、順番に試みられます。

また、このオプションは、デフォルトのドメインを、検索リストに指定する最初のドメイン・ネームに 設定するようにも指示します。このオプションの最短省略形は srchl です。

timeout=interval
要求のタイムアウト待ちを秒数で指定します。interval のデフォルトは、TCPIP.DATA データ・セットから取り出します。このオプションの最短省略形は t です。
vc
照会をネーム・サーバーまたはデータグラム (UDP) へ移送するために、 バーチャル・サーキット (TCP 接続) を使用することを指定します。 デフォルトは、TCPIP.DATA データ・セットから取り出します。
novc
照会をネーム・サーバーまたはデータグラムへ移送するために、 バーチャル・サーキットを使用しないことを指定します。このオプションがデフォルトです。