NetView SNMP コマンド

NetView® から SNMP 要求を出すには、SNMP コマンドを使用します。 SNMP コマンドは、SNMP エージェントでネットワーク管理情報を照会するための NetView プログラム を、SNMP マネージャー機能に与えます。

NetView SNMP コマンドは、SNMP 照会エンジンを使用してエージェントに SNMP 要求を出し、 エージェントが戻す SNMP 応答を処理します。SNMP コマンドは、SNMPv1 の要求の実行をサポートします。

SNMP コマンドでは、IPv6 アドレスの使用はサポートされていません。

注: z/OS® Communications Server SNMP エージェント は、SNMPv1、SNMPv2c、および SNMPv3 の要求をサポートします。

形式:

MIB 変数の取得:

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>>-SNMP--+-Get------+--host_name--community_name---------------->
         '- GETNext '                              

   .----------.   
   V          |   
>----var_name-+------------------------------------------------><

MIB 変数の設定:

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                                        .-----------------.   
                                        V                 |   
>>-SNMP Set--host_name--community_name----var_name--value-+----><

ASN.1 変数名の検出:

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>>-SNMP MIBvname--asn.1 name-----------------------------------><

トラップ転送:

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>>-SNMP TRAPson--net_mask--net_desired-------------------------><

トラップ転送の停止:

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>>-SNMP TRAPSOFf--filter_id------------------------------------><

ノードの PING:

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>>-SNMP PING--host_name----------------------------------------><

パラメーター:

SNMP 要求タイプ
Get
特定の管理情報ベース (MIB) 変数についての要求を SNMP エージェントに送信します。
GETNext
指定された var_name の後、アルファベット順で次の MIB 変数についての 要求を SNMP エージェントに送信します。
Set
特定の MIB 変数を設定するための要求を SNMP エージェントに送信します。
MIBvname
ASN.1 MIB オブジェクトのテキスト名を要求します。
TRAPson
SNMP 照会エンジンがトラップ・ポートで SNMP トラップを listen して、 それを NetView プログラムに転送するように要求します。このプログラムは、トラップが生じたときに、 トラップ情報を表示します。
TRAPSOFf
SNMP 照会エンジンがトラップ・ポートでの SNMP トラップの listen を 停止し、NetView プログラムへのトラップの転送をやめるようにします。
PING
照会エンジンから特定のノードまでの、最小往復応答時間を取得します。
変数
host_name
要求を送信する宛先ホストを指定します。ホストは、その名前で、または小数点付き 10 進表記の IP アドレスで、指定することができます。
community_name
指定された変数を宛先 SNMP エージェントでアクセスするのに使用するコミュニティー名を 指定します。
注: コミュニティー名には大文字小文字の区別があります。NetView コンソールから出される SNMP コマンドは、大文字に変換されます。REXX exec から出された場合は、大文字には変換されません。
var_name
検索または設定する 1 つ以上の MIB 変数名を指定します。 テキスト名または ASN.1 表記 (例えば、sysDescr.0 または 1.3.6.1.2.1.1.1.0) を指定することが できます。SNMP 照会エンジンは、それぞれの要求ごとに最大 10 変数を受け入れることができます。

シーケンスの一部として定義されたすべての MIB 変数は、複数のオカレンスを持つことができる 変数を表しています。これらの変数は、変数のどのオカレンスが要求されているのかを識別するために、 変数名の末尾にインスタンス ID を付加する必要があります。

value
SET 機能により設定される値を指定します。NetView コンソールからの Set コマンドでは、 値を二重引用符ではなく、単一引用符で囲みます。パネルからの場合は、引用符なし、単一引用符 (’)、または二重引用符 (”) を 指定することができます。引用符なしと単一引用符は同じ働きをします。二重引用符を指定した場合は、値の一部として二重引用符が付きます。
asn.1_name
オブジェクト ID の ASN.1 表記を使用して、MIB オブジェクトを指定します。指定できる変数は 1 つだけです。それ以外の引数は無視されます。
net_mask
着信トラップの IP アドレスで評価されるネットワーク・マスクを、小数点付き 10 進表記で指定します。小数点付き 10 進数の IP アドレスは、このマスクを用いて AND 処理されます。
net_desired
そこからトラップを受信するネットワークを指定します。
filter_id
トラップ・フィルター ID を指定します。

SNMP TRAPSON コマンドを使用してトラップ要求する と、要求番号または filter_id が戻されます。SNMP 照会エンジンはこれを TRAPSON 要求と 関連付けます。トラップの受信を停止するには、この filter_id を TRAPSOFF 要求 で指定します。

使用法:

  • NetView を開始して停止する場合は、SNMP 照会エンジンに対しても同じことを行う必要があります。
  • NetView コマンド機能のコマンド行から SNMP コマンドを出すと、 すべての入力は SNMP 照会エンジンに送信される前に大文字 (標準の NetView 形式) に変換されます。
  • CLIST から SNMP コマンドを出すと、入力は、CLIST から渡されたときのままの大/小文字表記 (例えば、大/小文字混合) で渡されます。
  • 照会エンジンに渡される変数のテキスト名は、MIBDESC.DATA ファイルの項目と比較されます。この比較では、大文字小文字の区別はありません。
  • GET、GETNext、または SET コマンドで、複数の変数を指定した場合は、 それらの変数はすべて 1 つの SNMP PDU にパッケージされてエージェントに送信されます。
  • 複数の SNMP 要求を出した場合、応答を受信する順番は要求を出した順番とは異なることがあります。
  • SNMP エージェントは、任意のインターフェースを介して SNMP 要求を受信することができます。
  • SNMP 照会エンジンでは、先行ゼロのある数値は 8 進数値として扱います。そのため、先行ゼロは使用しないようにしてください。
  • 誤ったコミュニティー名で SNMP 要求を出すと、同じホストから、filter_id は同じ でもタイム・スタンプの異なる複数の AUTHENTICATION FAILURE トラップを受け取る可能性があります。これは、SNMP 照会エンジンはホストから応答を受信しない場合には要求を再試行し、そのたびごとにホストが AUTHENTICATION FAILURE トラップを生成してしまうためです。

戻りコード:

次の表は、SNMP によって生成される戻りコードのリストです。
戻りコード 説明
1 DSIGET からのエラー。続行不可能。
2 指定された機能が正しくない。
3 SNMP 機能が欠落している。
4 パラメーターが不十分である。
5 変数名が欠落している。
6 変数値が欠落している。
7 ホスト名が欠落、または正しくない。
8 コミュニティー名が欠落している。
9 SNMPIUCV がアクティブでない。
10 DSIMQS からのエラー。
11 net_mask または希望するネットワークが正しくない。
12 トラップ filter_id の欠落、または正しくない。
1001+ コマンド正常終了 - 1000 を超えるすべての戻りコード

:

  • MIB 変数の検索
    例えば、以下のことが分かっている場合、
    hostname            -  anyhost
    IP address          -  129.34.222.72
    community name      -  public
    variable name       -  sysDescr.0
    asn.1 variable name -  1.3.6.1.2.1.1.1.0
    variable name       -  sysObjectID.0
    asn.1 variable name -  1.3.6.1.2.1.1.2.0
    variable name       -  sysUpTime.0
    asn.1 variable name -  1.3.6.1.2.1.1.3.0
    次の SNMP GET コマンドを出すことができます。
    snmp get 129.34.222.72 public 1.3.6.1.2.1.1.1.0
    snmp get 129.34.222.72 public sysDescr.0
    snmp get anyhost public 1.3.6.1.2.1.1.1.0
    snmp get anyhost public sysDescr.0
    snmp get anyhost public sysObjectID.0
    snmp get anyhost public sysUpTime.0
    snmp get anyhost public sysDescr.0 sysObjectID.0 sysUpTime.0
    最後の SNMP GET コマンドが終了すると、次のようなメッセージを受け取ります。
    SNM050I SNMP Request 1001 from NETOP accepted, sent to Query Engine
    応答が NetView プログラムに (非同期的に) 到達すると、 複数行メッセージとして応答が次の形式で表示されます。
    図 1. SNMP 要求の応答
    SNM040I SNMP Request 1001 from NETOP Returned the following response:
    SNM042I Variable name: 1.3.6.1.2.1.1.1.0
    SNM043I Variable value type: 9
    SNM044I Variable value: AIX 2.2.1 SNMP Agent Version 1.0
    SNM042I Variable name: 1.3.6.1.2.1.1.2.0
    SNM043I Variable value type: 3
    SNM044I Variable value: 1.3.6.1.4.1.2.1.1
    SNM042I Variable name: 1.3.6.1.2.1.1.3.0
    SNM043I Variable value type: 8
    SNM044I Variable value: 98800
    SNM049I SNMP Request 1001 end of response
  • 次の MIB 変数の検索
    例えば、以下のことが分かっている場合、
    hostname            -  anyhost
    IP address          -  129.34.222.72
    community name      -  public
    variable name       -  ifAdminStatus (in ifTable)
    asn.1 variable name -  1.3.6.1.2.1.2.2.1.7
    SNMP GETNext コマンドを次のいずれかの方法で出すことができます。
    snmp getnext 129.34.222.72 public 1.3.6.1.2.1.2.2.1.7.0
    snmp getnext 129.34.222.72 public ifAdminStatus.0
    snmp getnext anyhost public 1.3.6.1.2.1.2.2.1.7.0
    snmp getnext anyhost public ifAdminStatus.0
    GETNext コマンドは GET コマンドと同様に終了し、次のような非同期応答を受け取ります。
    SNM040I SNMP Request 1001 from NETOP Returned the following response:
    SNM042I Variable name: 1.3.6.1.2.1.2.2.1.7.1
    SNM043I Variable value type: 1
    SNM044I Variable value: 1
    SNM049I SNMP Request 1001 end of response

    この例では、変数の最初のインスタンスは、1 以上の状況を持っています (7.1 で終了)。

    次に、GETNext コマンドを以下いずれかの方法で出すことができます。
    snmp getnext 129.34.222.72 public 1.3.6.1.2.1.2.2.1.7.1
    snmp getnext 129.34.222.72 public ifAdminStatus.1
    snmp getnext anyhost public 1.3.6.1.2.1.2.2.1.7.1
    snmp getnext anyhost public ifAdminStatus.1
    GETNext コマンドは GET コマンドと同様に終了し、次のような非同期応答を受け取ります。
    SNM040I SNMP Request 1002 from NETOP Returned the following response:
    SNM042I Variable name: 1.3.6.1.2.1.2.2.1.7.2
    SNM043I Variable value type: 1
    SNM044I Variable value: 1
    SNM049I SNMP Request 1002 end of response

    この例では、変数の 2 番目のインスタンスは、1 以上の状況を持っています (7.2 で終了)。

    次に、GETNext コマンドを以下いずれかの方法で出すことができます。
    snmp getnext 129.34.222.72 public 1.3.6.1.2.1.2.2.1.7.2
    snmp getnext 129.34.222.72 public ifAdminStatus.2
    snmp getnext anyhost public 1.3.6.1.2.1.2.2.1.7.2
    snmp getnext anyhost public ifAdminStatus.2
    GETNext コマンドは GET コマンドと同様に終了し、次のような非同期応答を受け取ります。
    SNM040I SNMP Request 1003 from NETOP Returned the following response:
    SNM042I Variable name: 1.3.6.1.2.1.2.2.1.8.1
    SNM043I Variable value type: 1
    SNM044I Variable value: 1
    SNM049I SNMP Request 1003 end of response
  • MIB 変数の設定
    例えば、以下のことが分かっている場合、
    hostname            -  anyhost
    IP address          -  129.34.222.72
    community name      -  publicw
    variable name       -  ifAdminStatus
    asn.1 variable name -  1.3.6.1.2.1.2.2.1.7.1
         (instance 1)
    次に、以下いずれかの形式で SNMP SET コマンドを出して、最初のインターフェースの管理状況 を ifTable (最初のインスタンス) に設定し、テストすることができます。
    snmp set 129.34.222.72 publicw 1.3.6.1.2.1.2.2.1.7.1 3
    snmp set 129.34.222.72 publicw IfAdminStatus.1 3
    snmp set anyhost publicw 1.3.6.1.2.1.2.2.1.7.1 3
    snmp set anyhost publicw ifAdminStatus.1 3
    コマンドが終了すると、次のようなメッセージを受け取ります。
    SNM050I SNMP Request 1001 from NETOP accepted, sent to Query Engine
    応答が NetView プログラムに (非同期的に) 到達すると、 複数行メッセージとして応答が次の形式で表示されます。
    SNM040I SNMP Request 1001 from NETOP Returned the following response:
    SNM042I Variable name: 1.3.6.1.2.1.2.7.1
    SNM043I Variable value type: 1
    SNM044I Variable value: 3
    SNM049I SNMP Request 1001 end of response
    ターゲット・エージェントまたはサブエージェントが SET を許可していないオブジェクトに 対して SET 要求を出すと、次のメッセージを受け取ります。
    • noSuchName for SNMPv1 requests
    管理情報ベース (MIB) オブジェクトは、z/OS Communications Server SNMP エージェントとサブエージェントによって サポートされるオブジェクトと、それぞれのオブジェクトでサポートされるアクセス・レベルを識別します。
    注: 照会エンジンが SNMP PDU をエンコードするのに使用する構文を決定するために、 設定される変数は MIBDESC.DATA データ・セットに存在している必要があります。
  • トラップの受信

    SNMP TRAPSON コマンドでは、照会エンジンがフィルタリングを実行できるようにする フィルター条件の指定が可能です。SNMP TRAPSON コマンドは、固有の要求番号をそれぞれのフィルターに割り当て (filter_id とも 呼ばれる)、この番号をメッセージと戻りコードで戻します。この filter_id は、このフィルターを渡すトラップを受信を停止する際に 使用する SNMP TRAPSOFF コマンドへの引数になっています。

    例えば、以下のことが分かっている場合、
    IP address          -  129.34.222.72
    net mask            -  255.255.255.255
    次の SNMP TRAPSON コマンドを出すことができます。
    snmp trapson
    snmp trapson 255.255.255.255 129.34.222.72

    最初のコマンドは、すべてのトラップを受け取ります (デフォルトでは、マスクは 0、必須ネットワークは 0 です)。2 番目のコマンドは、特定のホストである 129.34.222.72 からのトラップのみを受け取ります。

    コマンドが終了すると、次のようなメッセージを受け取ります。
    SNM050I SNMP Request 1001 from NETOP accepted, sent to Query Engine
    メッセージで戻された番号 (上の例では 1001) は、filter_id として使用されます。 この filter_id は、このフィルターによって渡されたトラップのヘッダー・メッセージに 表示されます。filter_id は、フィルターをオフにするために TRAPSOFF コマンドで 使用されます。
    応答が NetView プログラムに (非同期的に) 到達すると、複数行メッセージとして応答が次の 形式で表示され、TRAPSON 要求が受け入れられたことが示されます。
    SNM040I SNMP Request 1001 from NETOP Returned the following response:
    SNM045I Major error code: 0
    SNM046I Minor error code: 0
    SNM047I Error index: 0
    SNM048I Error text: no error
    SNM049I SNMP Request 1001 end of response
    トラップが到着すると、NetView プログラムは以下のような形式で、それぞれのトラップを複数行メッセージで表示します。この複数行メッセージは、許可された受信先として指定されている (オペレーター・プロファイル で AUTH MSGRECVR=YES) NetView オペレーターに送信されます。ただし、TRAPSON を出したオペレーター のコンソールには表示されない可能性があります。
    SNM030I SNMP request 1001 received following trap:
    SNM031I Agent Address: 129.34.222.34
    SNM032I Generic trap type: 4
    SNM033I Specific trap type: 0
    SNM034I Time stamp: 472600
    SNM035I Enterprise Object ID: 1.3.6.1.4.1.2.1.1
    SNM039I SNMP request 1001 End of trap data
    いったん TRAPSON コマンドが出されると、トラップは非同期的に到達し始めます。 トラップは、TRAPSON コマンドを出したオペレーターがログオフした後でも到達することがあります。TRAPSON コマンドが CLIST によって出され、受信されたトラップ・データが別の CLIST の トラップ・データ処理のトリガーになるということがよくあります。そのため、SNM030 から SNM039 の範囲のメッセージが、許可された受信先に送信されます。 NetView オペレーターがこのトラップを見れるようにするには、 このオペレーターは、NetView オペレーター・プロファイルに次のステートメントを持っている 必要があります。
    AUTH MSGRECVR=YES
    ただし、メッセージを受け取るのは 1 人のオペレーターだけです。メッセージはログ・ファイルにも送られるため、いつでもログ・ファイルを表示して、トラップ・データを見ることができます。さらに、NetView ASSIGN オペレーター・コマンドを使用して、 トラップ・メッセージが特定のオペレーターに送られるように割り当てることができます。

    SNMP TRAPSON 要求への応答では、すべての行が存在する必要はありませんが、最初の行は 常にメッセージ SNM040I であり、最後の行は常に SNM049I です。

    複数行のトラップ・メッセージの場合、すべての行が存在する必要はありませんが、最初の行は 常にメッセージ SNM030I であり、最後の行は常に SNM039I です。

    トラップに追加データがある場合は、追加のメッセージ (SNM036I から SNM038I) が存在する 可能性があります。

    変数値が長すぎると、メッセージ SNM038 が 80 文字の行に収まらないことがあります。 このことが起こった場合は、値が分割されて、複数の SNM038 メッセージが表示されます。

    SNMP トラップ・データは、常に、ASN.1 表記で変数名を表示します。SNMP MIBVNAME を使用して、変数のテキスト名を取得することができます。

    トラップは、常に、エージェント・アドレスを小数点付き 10 進表記の IP アドレスで表示します。

    同じフィルターもしくは異なるフィルターを用いて、複数の TRAPSON 要求を出すことができます。トラップが複数のフィルターを渡す場合、そのトラップは NetView プログラムに複数回送信されます。 ただし、NetView プログラムでは、重複したトラップのヘッダー行とトレーラー行 (メッセージ SNM030I および SNM039I) は異なります。これは、それらの行にはトラップの転送に 用いる filter_id (要求番号) が含まれているためです。異なるホストからの異なるタイプのトラップが、同じトラップ・フィルターを渡す場合は、 同じ filter_id を持つことができます。

    SNMP 照会エンジンは、受信したトラップしか転送することができません。それぞれのエージェントはトラップ宛先テーブルを持っており、これは、そのエージェントのトラップを受信する必要のあるすべてのホストをリストしています。ご使用のシステムのホスト名は、そこからトラップを受信する、すべてのエージェントのトラップ宛先テーブルに入っている必要があります。

  • トラップ listen の停止
    例えば、filter_id が 1001 であることが分かっている場合は、 次の SNMP TRAPSOFF コマンドを出して、フィルター 1001 を渡すトラップの送信を終了するよう に、SNMP 照会エンジンに指示することができます。
    snmp trapsoff 1001
    コマンドは、次のようなメッセージを出して、終了します。
    SNM050I SNMP Request 1001 from NETOP accepted, sent to Query Engine
    応答が NetView プログラムに (非同期的に) 到達すると、複数行メッセージとして応答が次の 形式で表示され、TRAPSOFF 要求が受け入れられたことが示されます。
    SNM040I SNMP Request 1002 from NETOP Returned the following response:
    SNM045I Major error code: 0
    SNM046I Minor error code: 0
    SNM047I Error index: 0
    SNM048I Error text: no error
    SNM049I SNMP Request 1002 end of response

    それぞれの SNMP TRAPSOFF コマンドごとに、1 つの filter_id しか渡すことができません。 関係のない引数は無視されます。

  • ASN.1 変数名の検索
    例えば、以下のようなトラップがある場合、
    SNM030I SNMP request 1001 received following trap:
    SNM031I Agent Address: 129.34.222.34
    SNM032I Generic trap type: 2
    SNM033I Specific trap type: 0
    SNM034I Time stamp: 472600
    SNM035I Enterprise Object ID: 1.3.6.1.4.1.2.1.1
    SNM036I Variable name: 1.3.6.1.2.1.2.2.1.1
    SNM037I Variable value type: 1
    SNM038I Variable value: 2
    SNM039I SNMP request 1001 End of trap data
    次の SNMP MIBVNAME コマンドを出して、テキスト MIB 変数名を検出することができます。
    snmp mibvname 1.3.6.1.2.1.2.2.1.1
    コマンドは、次のようなメッセージを出して、終了します。
    SNM050I SNMP Request 1002 from NETOP accepted, sent to Query Engine
    応答が NetView プログラムに (非同期的に) 到達すると、 複数行メッセージとして応答が次の形式で表示されます。
    SNM040I SNMP Request 1002 from NETOP Returned the following response:
    SNM042I Variable name: 1.3.6.1.2.1.2.2.1.1
    SNM043I Variable value type: 9
    SNM044I Variable value: ifIndex
    SNM049I SNMP Request 1002 end of response

    それぞれの SNMP MIBVNAME コマンドごとに、1 つの ASN.1 変数だけしか渡すことができません。余分なパラメーターは無視されます。

  • ノードの PING
    例えば、以下のことが分かっている場合、
    nodename            -  anynode
    IP address          -  129.34.222.72
    次の SNMP PING コマンドを出すことができます。
    SNMP PING ANYNODE
    SNMP PING 129.34.222.72
    コマンドは、次のようなメッセージを出して、終了します。
    SNM050I SNMP Request 1001 from NETOP accepted, sent to Query Engine
    応答が NetView プログラムに (非同期的に) 到達すると、 複数行メッセージとして応答が次の形式で表示されます。
    SNM040I SNMP Request 1001 from NETOP Returned the following response:
    SNM042I Variable name: 1.3.6.1.4.1.2.2.1.3.2.129.34.222.72
    SNM043I Variable value type: 1
    SNM044I Variable value: 26
    SNM049I SNMP Request 1001 end of response

    照会エンジンは、1 つの PING (raw ソケット上の ICMP エコー) を出して、その値を数ミリ秒で IBM® 定義の SNMP 変数 minRTT に戻します。PING は 1 つしか出されないため、これが平均応答時間 であり、最大応答時間でもあります。

    PING が応答しない場合は、照会エンジンは 2 回再試行します。1 回目は 1 秒後に、2 回目は 2 秒後です (照会エンジンのデフォルトの再試行メカニズム)。すべての再試行が終了しても、 応答がない場合は、-1 の変数値が戻され、応答を受信しなかったことを示します。

    SNMP PING コマンドの例における 129.34.222.72 は、 IBM 変数 minRTT のインスタンスを表しています。

    それぞれの SNMP PING コマンドごとに、1 つのノード名しか渡すことができません。

    SNMP は ICMP エコーを使用して、PING コマンドをリモート・ホストに送信します。 リモート・ホストとの SNMP PDU 交換は行われません。そのため、SNMP PING の処理が成功しても、リモート・ホストがアクティブであり、到達可能であること を示しているに過ぎません。リモート・ホストの SNMP エージェントがアクティブである とか、SNMP マネージャーは要求を SNMP エージェント (アクティブの場合) へ送信できるということを 示しているわけではありません。

使用法:

  • SNMP 応答は、常に、ASN.1 表記で変数名を表示します。SNMP MIBVNAME を使用して、変数のテキスト名を取得することができます。
  • 複数の変数について GET を出すと、メッセージ SNM042 から SNM044 がそれぞれの変数ごとに 表示されます。
  • 複数の変数について GET を出すと、要求時と同じ順序で戻されます。図 1 では、GET が sysDescr.0 sysObjectID.0 sysUpTime.0 について出されました。応答時には、同じ 3 つの変数が戻されます。
  • エラーが検出されると、メッセージ SNM042 から SNM044 は表示されない可能性があります。(他のメッセージに加えて) 以下の形式でエラー・メッセージを受け取ることができます (すべて、複数行メッセージ SNM040I の一部として)。
    SNM045I Major error code: n
    SNM046I Minor error code: y
    SNM047I Error index: z
    SNM048I Error text: message text
  • 変数値が長すぎると、メッセージ SNM044 が 80 文字の行に収まらないことがあります。 このことが起こった場合は、値が分割されて、複数の SNM044 メッセージが表示されます。
  • RFC 1157 (Simple Network Management Protocol (SNMP)) によれば、SNMP エンティティー (バージョン識別番号や コミュニティー名を含む) 間で交換されるメッセージは、484 オクテットの短精度になることがあります。GET/GETNext コマンドで最大 10 個までの変数を指定すると、その名前は GET コマンドを SNMP エージェントに送信できる程度に短縮することができますが、応答が長すぎてメッセージに収まらないことがあります。その結果、tooBig エラーが出されます。
  • 要求された 1 つ (または複数) の変数がエラーになった場合は、最初にエラーになった変数 以降にリストされているすべての変数は無視され、それらの変数についてはデータは戻されません。
  • GETNext コマンドの場合、次の変数を正しく検索するには、変数名の一部としてインスタンス ID を 指定する必要があります。変数にオカレンスが 1 つしかない場合、またはテーブル変数の最初のオカレンスが必要な場合は、インスタンス ID として .0 を使用します。
  • GETNext コマンドは、テーブル (例えば、インターフェース・テーブル) または配列を調べる ために使用します。テーブルの始めで、GETNext コマンドを出すことができます (インスタンス 0.0 を 使用)。テーブルの最初のエレメントが戻されます。戻された変数名がテーブルの始めの名前と同じプレフィックスを持たなくなるまで、 前に取得した変数名の GETNext 要求を実行するプロセスがループして継続します。この状態は、GETNext 要求が次のグループの変数を戻すときに生じます。

コンテキスト:

リモート PING コマンドの送信を可能にする変数 ibmMvsRPingResponseTime に ついては、SNMP リモート PINGを参照してください。

z/OS Communications Server IP エージェントがサポートする変数のリストについては、 管理情報ベース (MIB) オブジェクトを参照してください。