MAKESITE コマンド

MAKESITE を TSO コマンドとしてまたはバッチ・ジョブ内で使用して、 新しい hlq.HOSTS.SITEINFO データ・セットおよび hlq.HOSTS.ADDRINFO データ・セットを生成します。 TSO コマンドの場合も、MAKESITE のバッチ・ジョブ呼び出しの場合も、 いずれもパラメーターは同じです。

ヒント: ローカル・ホスト・テーブルを MAKESITE の推奨される代替として定義するには、ETC.IPNODES (etc/ipnodes の形式) を使用します。詳しくは、「 z/OS Communications Server: IPv6 ネットワークとアプリケーション開発ガイド」の『リゾルバー構成』を参照してください。ここでは、リゾルバーが IPNODES を使用して IPv4 と IPv6 のアドレスおよびサイト名を特定することについて説明しています。

形式:

構文図を読む構文図をスキップする
>>-MAKESITE--+-----------+--,----------------------------------->
             '-HLQ=--hlq-'      

>--+-----------------------------+--,--------------------------->
   '-MGMTclas=--management_class-'      

>--+-----------------------+--,--+--------------------------+--->
   '-DATAclas=--data_class-'     '-STORclas=--storage_class-'   

>--,--+-------------+--,--+------------------------+-----------><
      '-Unit=--unit-'     '-VOLser=--volume_serial-'   

パラメーター:

HLQ=hlq
入力データ・セットと出力データ・セットの両方の高位修飾子。指定した名前は、HOSTS.LOCAL データ・セット、HOSTS.SITEINFO データ・セット、 および HOSTS.ADDRINFO データ・セットの名前に付加されます。

最短の省略形: HLQ=
最大長: 29 文字

MGMTclas=management_class
SMS が管理する管理クラス。MGMTCLAS は、SMS 環境においてのみ有効です。

最短の省略形: MGMT=
最大長: 8 文字

DATAclas=data_class
SMS の管理するデータ・クラス。DATACLAS は、SMS 環境においてのみ有効です。

最短の省略形: DATA=
最大長: 8 文字

STORclas=storage_class
SMS が管理するストレージ・クラス。STORCLAS は、SMS 環境においてのみ有効です。

最短の省略形: STOR=
最大長: 8 文字

Unit=unit
非公式装置名。

最短の省略形: U=
最大長: 8 文字

VOLser=volume_serial
ボリューム通し番号。

最短の省略形: VOL=
最大長: 6 文字

使用法:

  • オプションのパラメーターは、どのような順序でもかまいません。
  • この構文ではブランクは許されません。
  • MAKESITE は、その入力を hlq.HOSTS.LOCAL から取得します。ここで、HLQ は次の順序で取り出されます。
    • コマンドまたはバッチ・ジョブ内のいずれかで指定された、HLQ パラメーター。
    • ユーザー ID と異なる場合は TSO ユーザー ID、または、TSO PROFILE PREFIX。 バッチ・ジョブでは、ユーザー ID は、環境によって、複数のソースのいずれから 取っても構いません。 バッチ・ジョブを実行依頼したユーザーのユーザー ID である場合もあり、バッチ・ジョブ名に なる場合もあります。
    • TCPIP.DATA の DATASETPREFIX ステートメントで指定された値。
    • システム・デフォルト。

    コマンドまたはバッチ・ジョブのいずれかで指定された HLQ パラメーター、 あるいは ユーザー ID と異なる場合は TSO ユーザー ID または TSO PROFILE PREFIX の いずれかによって、MAKESITE が生成する出力データ・セットにプレフィックスが付けられます。

  • いずれかの MAKESITE パラメーターの指定が正しくない場合でも、MAKESITE は、 デフォルトを使用して実行します (例えば、 hlq が正しくない場合、 デフォルトはアクティブの ユーザー ID またはジョブ名になります)。
  • MAKESITE からの出力を使用するコンポーネントは、標準の命名規則に従います。DATASETPREFIX を指定している場合、それは HOSTS.SITEINFO および HOSTS.ADDRINFO の高位修飾子として使用されます。

:

現在アクティブの HLQ が TCPIP.MVSA であった場合は、 次のステップに従って MAKESITE を実行し、出力データ・セットの名前を変更します。
  1. 新しい hlq.HOSTS.LOCAL から 2 つの新しいデータ・セットが生成されるよう、 適切なパラメーターを指定して MAKESITE を実行します。
    TSO コマンドの場合、次のように入力します。
    MAKESITE HLQ=TCPIP.H0004,MGMT=M0001,VOLSER=STRG01,UNIT=SYSDA
    バッチ・ジョブの場合、次の JCL を使用します。
    //MAKESITE JOB ,TIME=2,NOTIFY=USER7
    //*
    //BATCH  EXEC PGM=MAKESITE,REGION=8000K,
    //  PARM='VOLSER=STRG01,UNIT=SYSDA,HLQ=TCPIP.H0004,MGMT=M0001'
    //*
    //STEPLIB DD DISP=SHR,DSN=TCPIP.SEZALOAD
    //SYSPRINT  DD  SYSOUT=*,DCB=(LRECL=132,RECFM=FBA,BLKSIZE=3960)
    //SYSABEND  DD  SYSOUT=*
    //
    以下の情報に注意してください。
    • この JCL は、TCP/IP には付属していません。
    • パラメーター・ストリングのサイズは 100 バイトまでに制限されます。
    • パラメーター・ストリング内のキーワードは、MAKESITE の構文の説明で示されているように短縮形にすることができます。
    • 領域サイズは、使用している構成によって変化します。指定する領域サイズが、使用している構成に対して有効なものであることを確認してください。

    これにより、TCPIP.H004.HOSTS.SITEINFO および TCPIP.H0004.HOSTS.ADDRINFO が作成されます。

  2. 既存の HOSTS.SITEINFO データ・セットおよび HOSTS.ADDRINFO データ・セットを名前変更します。これらのデータ・セットは現在そのシステムの TCP/IP ユーザーによってアクセスされており、TCP/IP が動作している間は削除できません。

    例えば、TCPIP.MVSA.HOSTS.SITEINFO を TCPIP.MVSA.HOSTS.SITEOLD に変更し、TCPIP.MVSA.HOSTS.ADDRINFO を TCPIP.MVSA.HOSTS.ADDROLD に変更します。

  3. この新しい HOSTS.ADDRINFO データ・セットおよび HOSTS.SITEINFO データ・セットを名前変更して、古い方と置き換えます。

    例えば、TCPIP.H0004.HOSTS.SITEINFO を TCPIP.MVSA.HOSTS.SITEINFO に変更し、TCPIP.H0004.HOSTS.ADDRINFO を TCPIP.MVSA.HOSTS.ADDRINFO に変更します。

次の例では、MAKESITE コマンドがバッチ・ジョブとして実行された場合の出力を示します。MAKESITE コマンドが TSO コマンドとして実行される場合、レポート・フォーマットはメッセージ番号が表示されない以外は同じです。
ヒント: 末尾が「E」(エラーの E)、または「W」(警告 (Warning) の W) の番号を持つメッセージは、エラーが発生すると発行されます。 末尾が「I」の番号を持つメッセージは通知メッセージであり、問題の存在を意味してはいません。 以下の例のいくつかのメッセージは、内部処理統計を反映しています。
EZA0549I                     S T A T I S T I C S            
EZA0550I DATASET: USER40.HOSTS.LOCAL                        
EZA0551I      TOTAL LINES: 24                               
EZA0552W      BAD LINES: (SKIPPED) 0                        
EZA0553I      DUPLICATE NAMES: 0                            
EZA0554I      CONFLICTS IN FIRST 8 LETTERS: 0               
EZA0555I      1 NETWORKS, 1 GATEWAYS, 4 HOSTS               
EZA0556I DATASET: USER40.HOSTS.SITEINFO          
EZA0557I      TABLE SIZE: 13                     
EZA0558I      TOTAL ENTRIES: 4                   
EZA0559I      DISTINCT NAMES: 5                  
EZA0560I      COLLISIONS: 1                      
EZA0561I      AVERAGE PROBES/NAME: 1.200         
EZA0562I DATASET: USER40.HOSTS.ADDRINFO          
EZA0563I      TABLE SIZE: 11                     
EZA0564I      TOTAL ENTRIES: 5                   
EZA0565I      COLLISIONS: 0                      
EZA0566I      NAMES DROPPED: 0                   
EZA0549I
MAKESITE 統計レポートの開始を示します。
EZA0550I
MAKESITE コマンドで処理される HOSTS.LOCAL データ・セットの名前を表示します。このメッセージの後のインデントされた行は、HOSTS.LOCAL データ・セットに適用されます。
EZA0551I
コメント行を含む、HOSTS.LOCAL データ・セット内の行の合計数を表示します。
EZA0552W
構文エラーにより処理されなかった HOSTS.LOCAL データ・セット内の行の数を表示します。
EZA0553I
HOSTS.LOCAL データ・セット内で検出された重複名の数を表示します。
EZA0554I
潜在的な競合の数を表示します。潜在的な競合が検出されるのは、HOSTS.LOCAL データ・セットに定義されたアドレスが複数の名前にマップされ、これらの名前の最初の 8 バイトが同一である場合です。
EZA0555I
HOSTS.LOCAL データ・セット内の各レコード・タイプの数を表示します。有効なレコード・タイプは、NET、GATEWAY、および HOST です。ホストに対して表示される数には、MAKESITE コマンドにより生成されたループバック・アドレスの項目が含まれます。
EZA0556I
HOSTS.SITEINFO データ・セットの名前を表示します。このメッセージの後のインデントされた行は、HOSTS.SITEINFO データ・セットに適用されます。
EZA0557I
HOSTS.SITEINFO データ・セット内に作成されたテーブル項目の数を表示します。
EZA0558I
このレポートで使用される、Total Entries と表示される HOSTS.SITESINFO テーブル項目の数を表示します。
EZA0559I
このレポートで処理される (重複は除外)、Distinct Names と表示される名前の数を表示します。アドレスが複数の名前にマップしている場合は、Total Entries よりも Distinct Names の方が多くなることがあります。
EZA0560I
ハッシュ値が既に使用されていたスロットにマップされた回数を表示します。この値はこのレポートで Collisions と表示されます。このメッセージは通知目的のみであるため、問題を示すものではありません。
EZA0561I
計算: 1 + (Collisions /Distinct Names) の結果を表示します。
EZA0562I
HOSTS.ADDRINFO データ・セットの名前を表示します。このメッセージの後のインデントされた行は、HOSTS.ADDRINFO データ・セットに適用されます。
EZA0563I
HOSTS.ADDRINFO データ・セット内に作成されたテーブル項目の数を表示します。
EZA0564I
使用される HOSTS.SITESINFO テーブル項目の数を表示します。
EZA0565I
ハッシュ値が既に使用されていたスロットにマップされた回数を表示します。このメッセージは通知目的のみであるため、問題を示すものではありません。
EZA0566I
6 を超える名前が特定のアドレスにマップされたために除去された名前の数を表示します。

使用法:

MAKESITE コマンドの実行後、hlq.HOSTS.ADDRINFO データ・セットおよび hlq.HOSTS.SITEINFO データ・セットが正しいことを、TESTSITE コマンドを使用してテストすることができます。