概要

IBM Health Checker for z/OS の目的は、可用性に影響が出たり、最悪の場合には停止が生じたりする前に、その原因となる潜在的な問題を判別することです。 特定のシステムについて、現在アクティブになっている z/OS® およびシスプレックスの設定と定義を検査し、それらの値を IBM® が推奨する値またはユーザーが定義した値と比較します。 これは、診断ツールやモニター・ツールとして使用するためのものではなく、潜在的な問題を検出するために、予防機能として継続的に実行するものです。 IBM Health Checker for z/OS は、詳細なメッセージの形で出力を作成して、潜在的な問題と推奨アクションをユーザーに知らせます。 これらのメッセージは、ユーザーが IBM に報告する必要がある問題を IBM Health Checker for z/OS が検出したことを意味するわけではないという点に注意してください。 IBM Health Checker for z/OS の出力メッセージは、単に、潜在的な問題があることをユーザーに知らせ、ユーザーがインストール済み環境で適切なアクションをとれるようにするためのものです。

IBM Health Checker for z/OS にはいくつかのパートがあります。
  • IBM Health Checker for z/OSフレームワークは、ユーザーがチェックを実行および管理できるようにするためのインターフェースです。 このフレームワークは、IBM、独立系ソフトウェア・ベンダー (ISV)、およびユーザーによるチェックの開発をサポートする、共通のオープン・アーキテクチャーです。
  • 個々のチェックは、コンポーネント、エレメント、または製品に固有の z/OS の設定および定義を検出して、潜在的な問題がないかどうかを検査します。 該当の特定コンポーネントまたはエレメントは、チェックを所有し、配信し、サポートします。

    チェックは、ローカルとして IBM Health Checker for z/OS のアドレス・スペース内で実行することも、リモートとして呼び出し元のアドレス・スペース内で実行することもできます。 現在までのところ、ほとんどの IBM チェックはローカルです。

図 1 は、IBM Health Checker for z/OS のさまざまなパートを示しています。
  • IBM Health Checker for z/OS アドレス・スペース。ここには、フレームワーク、現在実行されているローカル・チェック・ルーチン、およびその他のエレメントが置かれています。
  • HZSPQE データ域。ここには、チェックについて定義されている各種デフォルト値、およびそれらのデフォルト値に対するインストール先オーバーライドも含め、チェック・ルーチンが必要とするすべての情報が含まれています。
  • インストール先オーバーライド。これは、インストール先でチェックのデフォルト値 (インターバル、パラメーター、またはその他の値など) に対して行うことができる変更です。
  • メッセージ・テーブル。これには、チェックの結果を伝えるチェック出力メッセージに関するメッセージ・データが含まれています。
図 1. IBM Health Checker for z/OS とローカル・チェック
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