シスプレックスにおける現地時間の調整

ご使用のシステムが、操作で使用する TOD クロックを ご使用システムの現地時間に設定したか、 あるいは GMT タイムに設定したかに関係なく、以下の処置は重要です。 稼働するシスプレックスに一度値を設定したら、シスプレックス内のどのプロセッサー上でも TOD クロック値を変更しないことが きわめて重要です。 すべてのプロセッサー上の TOD クロックは、ソフトウェアが使用する値であるため、 同一の時間を使用しているか、 同一の時間に同期化されている必要があります。 現地時間とし認識される値は、TOD クロック値からのオフセットとして計算され、 いつでも変更できます。 これは、タイム・クリティカルなソフトウェアが、タスクの実行に使用する値ではありません。 プロセッサー内の TOD クロックをリセットせずに現地時間を調整するには、以下のようにします。

現地時間を調整する際にユーザーが選択する方法は、シスプレックス構成、 およびアクティブな CLOCKxx メンバーの ETRMODE、ETRZONE、および SIMETRID ステートメントで指定した オプションによって決まります。

  1. シスプレックスにシスプレックス・タイマー (Sysplex Timer) がある場合
    • 時間帯オフセットがシスプレックス・タイマー (Sysplex Timer) から取られている場合 (ETRMODE YES および ETRZONE YES) は、シスプレックス・タイマー (Sysplex Timer) コンソールでタイム・オフセットを変更します。 詳細については、「Planning for the 9037 Sysplex Timer」(GA23-0365) を参照してください。

      現地時間の調整を有効にするためにシステムを再 IPL する 必要はありません。

    • 時間帯オフセットが CLOCKxx メンバー から 取られている (ETRMODE YES および ETRZONE NO) 場合には、次のいずれかを実行します。
      • SET CLOCK コマンドを実行して、現地時間オフセットを変更し、新しいオフセットを反映するように、CLOCKxx メンバーの 現地時間オフセット値を変更する。 これにより、次からの IPL のために変更値が保存される。
      • CLOCKxx のオフセット値を変更して、再度 IPL を行う。
  2. シスプレックスにシスプレックス・タイマー (Sysplex Timer) がない場合
    • 単一システムのシスプレックスの場合、次のいずれかを行ってください。
      • SET CLOCK コマンドを実行して、現地時間オフセットを変更し、新しいオフセットを反映するように、 CLOCKxx メンバーの現地時間オフセット値を変更する。 これにより、次からの IPL のために変更値が保存される。
      • CLOCKxx のオフセット値を変更して、再度 IPL を行う。
    • 1 台のプロセッサーでの多重システム・シスプレックス (ホスト VM システムの もとで実行するゲスト MVS™ システム、または PR/SM™ 環境での論理分割 (LPAR) の いずれか) の場合、次のいずれかを行ってください。
      • 正しい時間帯値で各ゲスト MVS システムごとの CLOCKxx メンバーを更新し、各システムを再 IPL する。
      • SET CLOCK コマンドを実行して、現地時間を変更する。

    シスプレックス・タイマー (Sysplex Timer) に接続されていないシステムは、CLOCKxx の新規時間帯値の使用を開始するために再 IPL しなければなりません。

    STPMODE 設定について詳しくは、「Server Time Protocol Planning Guide」を参照してください。 これは、次の URL から入手できます。
    http://www.redbooks.ibm.com/redbooks/pdfs/sg247280.pdf