これと JCL との関連

ここで、MVS™ システムを使用しているオフィスにいると仮定した上で、JCL をメニューと想定してみてください。あなたと他の客はメニューから料理を選び、ウェイターに注文し、シェフに料理を依頼します。同様に、あなたと他の MVS ユーザーは JCL を使用して 作業要求 (ジョブと呼ばれるもの) を定義し、ジョブ入力サブシステム (JES) を使用してジョブの実行を MVS に要求します。

調理場のシェフが、すべての客の注文に応じるために作業を分担するように、MVS は、ユーザーから JCL ステートメントによって提供される情報を使用して、すべてのジョブを完了するために必要なリソースを割り振ります。

客達がテーブルにつき食事以外のことに関心を向けている間、シェフが調理場で料理に 専念するように、MVS はシステムのバックグラウンドで実行要求されたジョブを 完了させます。この場合、MVS はあなたと他のユーザーがフォアグラウンドで 他の活動を継続して行えるようにします。

ウェイターがシェフの作った料理をあなたのもとに運ぶことは、JES がジョブの出力を あなたに示すことに相当します。

図 1 は、ジョブの実行要求の過程を示したものです。ユーザーはいくつかのタスクを実行し、システムはその他のタスクを実行します。この図では、MVS と JES がシステムを構成しています。以下のセクションでは、MVS と JES、および JES の 2 つのバージョン (JES2 および JES3) 間を区別していることに注意してください。図では、以下の JCL 関連処置を、ユーザー処置またはシステム処置のどちらであるかを識別して順番に示します。
  1. ジョブを決定する - (ユーザー処置)
  2. JCL を作成する - (ユーザー処置)
  3. ジョブを実行依頼する - (ユーザー処置)
  4. JES が JCL を解釈して MVS に渡す (システム処置)
  5. MVS が作業を行う (システム処置)
  6. システムからユーザーにシステム・メッセージをフローする。(システム処置)
  7. JES はジョブに関する出力と情報を収集する。 (システム処置)
  8. ユーザーが出力を表示し、解釈する (ユーザー処置)
図 1. JCL 関連ユーザー処置とシステム処置JCL 関連ユーザー処置とシステム処置