データ転送方式

2 つのホスト間でデータ・セットまたはファイルを転送するときにデータの内容と構造を保持するには、適切な伝送属性を使用しなければなりません。FTP MODE サブコマンドを使用してデータ・ビットの伝送方法を指定し、FTP TYPE サブコマンドを使用してデータ転送時のデータの表現方法を定義します。

MODE サブコマンドについては MOde サブコマンド - データ転送モードの設定を、TYPE サブコマンドについては TYpe サブコマンド - データ転送タイプの設定を参照してください。

TCP/IP は、連続順序のデータ・バイトとして構造化されているデータ・セットまたはファイルのデータ転送しかサポートしません。このため、複数の MVS™ ホストにまたがって正しいレコード・フォーマットを保持することができます。

表 1 では、異なるホスト・システムに対して伝送属性を設定する方法を示します。IBM® メインフレーム・オペレーティング・システム (VM または MVS) は、EBCDIC 転送タイプとして識別されます。ASCII ストレージを持つシステムは、ASCII 転送タイプとして識別されます。ASCII 転送タイプのテキスト・ファイルには、 標準の表示可能文字、つまり、復帰文字 (ASCII X'0D' および EBCDIC X'15')、および改行文字 (ASCII X'0A' および EBCDIC X'25') が含まれています。EBCDIC 転送タイプのテキスト・ファイルには、標準の表示可能文字しか含まれません。バイナリー・ファイルには、任意の文字を含めることができます。

表 1. データ転送のための推奨メソッド
ホスト・タイプ間の転送 転送タイプ モード
EBCDIC から EBCDIC へ - テキスト・データ EBCDIC ストリーム
EBCDIC から EBCDIC へ - バイナリー・データ EBCDIC ブロック
EBCDIC から ASCII へ - テキスト・データ ASCII ストリーム
ASCII から EBCDIC へ - テキスト・データ ASCII ストリーム
ASCII から EBCDIC へ - バイナリー・データ イメージ (バイナリー) ストリーム
ASCII から EBCDIC へ、さらに ASCII へ - 全データ イメージ (バイナリー) ストリーム
注: 「ASCII から EBCDIC へ、 さらに ASCII へ - 全データ」のデータ転送の場合は、EBCDIC ホストが保管用にのみ使用されます。データは、EBCDIC ホストでは使用されません。