wchar.h

wchar.h ヘッダー・ファイルには、ISO/IEC 9899:1990/改訂 1:1993(E) 拡張で導入された ISO/C マルチバイト・サポート拡張機能のサポート対象サブセットの宣言が含まれています。以下の関数が wchar.h で宣言されます。

[1]  __STDC_WANT_DEC_FP__ フィーチャー・テスト・マクロは、10 進数浮動小数点機能を公開するのに必要です。

wmemchr()、wmemcpy()、wmemcmp()、および wmemset() は、それらの関数の組み込みバージョンとしても使用可能です。

ヘッダー・ファイルを使用するため に、stdio.h と stdarg.h をインクルードする必要はありません。

wchar.h ヘッダー・ファイルには、以下の型の定義が 含まれています。
mbstate_t
マルチバイト文字とワイド文字のシーケンスの間で 変換するときに必要とされる変換状態情報。
size_t
sizeof により戻される値の型用 の typedef
wchar_t
ワイド文字定数用の typedef
win_t
WEOF (以下を参照) と同様に、拡張文字セットの メンバーに対応する任意の値を保留することのできる 整数拡張により変更されない整数型。
FILE
FILE 構造体型は、stdio.h と wchar.h の両方に定義します。ストリーム関数は、指定のストリームに アクセスするため、FILE 型を指す ポインターを使用します。システムは、ストリームを保守する のに FILE 構造体の情報を使用します。C 標準ストリームの stdinstdout、および stderr も stdio.h に定義します。
va_list
この型は、stdarg.h と wchar.h の両方に定義します。
wchar.h ヘッダー・ファイルには、以下の定数の 定義も含まれています。
NULL
データ・オブジェクトを示すことのないポインター。
WEOF
値が拡張文字セットのどのメンバーにも一致しない、wint_t 型の定数式に展開します。これは、ファイル終わり (EOF) を示します。
WCHAR_MIN
wchar_t 型の下限を定義します。
WCHAR_MAX
wchar_t 型の上限を定義します。

ISO/IEC 9899:1990 標準、節 7.9.2 で 記述されたストリームで、ワイド文字入出力を行うことが できます。この標準は、テキスト・ストリームとバイナリー・ストリーム の両方の方向付け をインクルードするために、ストリームの 定義を拡張します。DBCS 方向付けについての詳細は、「z/OS XL C/C++ プログラミング・ガイド」の 2 バイト文字セットの トピックを参照してください。

ワイド文字ストリング関数は、以前の C/370™ のリリースとの 互換性のために wcstr.h でも宣言します。ただし、wcstr.h は将来のリリースではなくなる (サポート が切れる) 可能性があります。

ロケールの効果についての詳細は、トピックの setlocale() または locale.h の説明を参照するか、関数を個別に調べてください。さらなる詳細は、「z/OS XL C/C++ プログラミング・ガイド」の『国際化: ロケールと文字セット』を参照してください。