symlink() - パス名へのシンボリック・リンクの作成

標準

形式

#define _POSIX1_SOURCE 2
#include <unistd.h>

int symlink(const char *pathname, const char *slink);

機能説明

pathname により指定されたファイルの slink で命名されたシンボリック・リンクを作成します。ファイル・アクセス検査は、ファイル pathname に対しては 実行されず、ファイルは存在している必要はありません。さらに、シンボリック・リンクはファイル・システム境界を 超えることができます。

戻り値

正常に実行された場合、symlink() は 0 を戻します。

正常に実行されなかった場合、symlink() は -1 を戻して、名前を付けているどのファイルにも影響を及ぼさずに、errno を次のいずれかの値に設定します。

エラー・コード

説明

EACCES

slink パスの接頭部のコンポーネントにより、検索許可が 拒否されるか、または書き込み許可が、作成するシンボリック・リンク の親ディレクトリーで拒否されます。

EEXIST

slink によって指定されたファイルが既に存在します。

EINVAL

これは、次の理由のいずれかによって戻される場合があります。

• pathname に NULL 文字があります。
• slink に最後のコンポーネントとしてのスラッシュがあり、これは先行コンポーネントがディレクトリーになることを示しています。シンボリック・リンクをディレクトリーにすることはできません。

EIO

XPG4.2 の追加事項: ファイル・システムからの読み取り中に、入出力エラーが発生しました。

ELOOP

ループがシンボリック・リンクに存在しています。複数の POSIX_SYMLOOP シンボリック・リンクが、slink 引数の解析中に検出された場合に、このエラーが出されます。

ENAMETOOLONG

_POSIX_NO_TRUNC が有効ですが、pathname が PATH_MAX 文字より長いか、または pathname の一部のコンポーネントが NAME_MAX 文字より長くなっています。シンボリック・リンクの場合、シンボリック・リンクの代わりに使われる パス名のストリングの長さが PATH_MAX を超えています。PATH_MAX および NAME_MAX の値は、pathconf() を使用して判別できます。

ENOENT

XPG4.2 の追加事項: slink のコンポーネントが既存ファイルの名前を指定していないか、または slink が空ストリングです。

ENOSPC

シンボリック・リンクが入ることになるファイル・システム にスペースが残されていないので、新規のシンボリック・リンクを 作成できません。

ENOTDIR

slink のパス接頭部のコンポーネントがディレクトリーではありません。

EROFS

ファイル slink は、読み取り専用システムに常駐する ことはできません。

例

/* This example works only under z/OS XL C, not z/OS XL C++  */
#define _POSIX1_SOURCE 2
#include <fcntl.h>
#include <sys/stat.h>
#include <sys/types.h>
#include <unistd.h>
#include <stdlib.h>
#include <stdio.h>

main() {
  char fn[]="test.file";
  char sln[]="test.symlink";
  int fd;

  if ((fd = creat(fn, S_IWUSR)) < 0)
    perror("creat() error");
  else {
    close(fd);
    puts("before symlink()");
    system("ls -il test.*");
    if (symlink(fn, sln) != 0) {
      perror("symlink() error");
      unlink(fn);
    }
    else {
      puts("after symlink()");
      system("ls -il test.*");
      unlink(fn);
      puts("after first unlink()");
      system("ls -il test.*");
      unlink(sln);
    }
  }
}

before symlink()
 4030 --w-------   1 MVSUSR1  SYS1     0 Apr 20 13:57 test.file

after symlink()
 4030 --w-------   1 MVSUSR1  SYS1     0 Apr 20 13:57 test.file
 4031 l---------   1 MVSUSR1  SYS1     9 Apr 20 13:57 test.symlink -> test.file
after first unlink()
 4031 l---------   1 MVSUSR1  SYS1     9 Apr 20 13:57 test.symlink -> test.file

関連情報

• unistd.h
• link() - ファイルへのリンクの作成
• readlink() - シンボリック・リンクの値の読み取り
• unlink() - ディレクトリー項目の除去