E メール・ヘッダーの作成

E メール・ヘッダーを行データ文書に組み込んで、E メール受信者のアドレスおよび E メールの件名を指定することができます。 Infoprint Server では、「RFC 2822 Internet Message Format」標準で定義されたフィールドのサブセットをサポートします。 他のフィールドは無視されます。

表 1 は、E メール・ヘッダーでサポートされるフィールドと値を示しています。

表 1. サポートされる E メール・ヘッダーのフィールド
フィールド名
to E メールの受信者の 1 個から 32 個の E メール・アドレスのリスト。各 E メール・アドレスは 1 文字から 60 文字までで指定できますが、ブランクを含めることはできません。E メール・アドレス同士は、1 つ以上のブランクまたはコンマ、あるいはその両方を使用して区切ります。
例: to: user1@xyz.com, user2@xyz.com, dept01list
cc E メールのコピー (cc) 受信者の 1 個から 32 個の E メール・アドレスのリスト。cc は、E メールの他の受信者からリストされた cc 受信者を見ることができることを 意味します。各 E メール・アドレスは 1 文字から 60 文字までで指定できますが、ブランクを含めることはできません。E メール・アドレス同士は、1 つ以上のブランクまたはコンマ、あるいはその両方を使用して区切ります。
例: cc: user3@xyz.com, user4@xyz.com
bcc E メールのブラインド・コピー (bcc) 受信者の 1 個から 32 個の E メール・アドレスのリスト。bcc は、E メールの他の受信者からはリストされた bcc 受信者が見えないことを意味します。各 E メール・アドレスは 1 文字から 60 文字までで指定できますが、ブランクを含めることはできません。E メール・アドレス同士は、1 つ以上のブランクまたはコンマ、あるいはその両方を使用して区切ります。
例: bcc: user5@xyz.com, user6@xyz.com
from E メール送信者の記述名。 この名前は、1 文字から 60 文字で指定できます。ブランクを含めることもできます。

Infoprint Server では、送信者の実際の E メール・アドレス userid@domainname の前に記述名が組み込まれます。userid はジョブ実行依頼者のユーザー ID、domainname は Infoprint Server を実行しているドメイン・ネームです。

例: ヘッダーの「from」フィールドに、以下を指定した場合。
from: John Q. Sender
次の情報を E メールに入れます。
From: John Q. Sender <JOHN@SYSTEM1>
reply-to E メールの受信者が返信できる E メール・アドレス。 E メール・アドレスは 1 文字から 60 文字までで指定できますが、ブランクを含めることはできません。指定しない場合、返信アドレスは userid@domainname です。userid はジョブ実行依頼者のユーザー ID、domainname は Infoprint Server を実行しているドメイン・ネームです。
例: reply-to: sender@xyz.com
subject E メールの件名。 件名は、1 文字から 60 文字で指定できます。ブランクを含めることもできます。
例: subject: Annual Report
E メール・ヘッダーのフィールドは、以下のフォーマットにする必要があります。
field name : value
field name
表 1 は、サポートされるフィールド名を示しています。 他のフィールドは許可されますが、無視されます。 フィールド名には、小文字または大文字を使用することができます。 あるフィールド名が複数回出現する場合、最後のものが使用されます。
:
コロンによって、フィールド名と値を分離します。 コロンの前後にブランクを使用できます。
value
表 1 は、許可される値を示します。 Infoprint Server では z/OS® UNIX sendmail を使用するため、E メール・アドレスは sendmail がサポートするフォーマットで指定する必要があります。 E メール・アドレスには sendmail に定義されている別名を指定できます。E メール・アドレスにブランクを含めることはできません。
要件:
  1. スプール上の出力データ・セットには、紙送り機構を含む、または含まない EBCDIC 表示の行データが含まれる必要があります。
  2. プリンター定義で「Embedded headers (組み込みヘッダー)」フィールドを選択するか、mail-embedded-headers=yes ジョブ属性を指定する必要があります。
制限: E メール・ヘッダーは、以下の状態ではサポートされません。
  1. インストール済み環境で、IP PrintWay™ 拡張モードでなく、基本モードが使用されている。
  2. z/OS UNIX の lp コマンド、Print Interface サブシステム、Infoprint Port Monitor、または別のリモート印刷サブミッション方式を使用して印刷要求を実行依頼する。
こうした状態では、ヘッダーはテキストとして E メールまたは添付ファイルに組み込まれます。 ヘッダー内の E メール・アドレスは使用されません。
構文規則:
  1. E メール・ヘッダーのフィールド名とコロンは、先頭レコードに組み込んでください。
  2. Infoprint Server がサポートするフィールドを少なくとも 1 つ、ヘッダーに組み込んでください。
  3. レコードのデータの 1 桁目、紙送り制御がある場合はその後ろから、各フィールドを開始してください。
  4. フィールドを次のレコードに続けるには、その値を 2 桁目以降から続けてください。
  5. E メール・アドレスを複数のレコードに分割しないでください。
  6. ヘッダーは先頭の 32 レコードで終了させてください。 ブランク・レコードはヘッダーの終わりを示します。
  7. コメントを組み込むには、「comment」フィールドを使用してください。 括弧で囲まれたコメントは、テキストと見なされます。
ヒント:
  1. E メール・ヘッダーの後ろにテキストがない場合は、空の E メール添付ファイルが作成されないように、mail-inline-text ジョブ属性を指定してください。 または、管理者がプリンター定義の「Inline text and line data (インライン・テキストおよび行データ)」フィールドを選択することもできます。
  2. 同一印刷ジョブに含まれる複数の文書を別々の E メール・アドレスに送信できるようにするには、AOP_MAIL_USE_FIRST_ADDRESS = NO 環境変数または mail-use-first-address=no 構成属性を管理者に指定してもらう必要があります。
  3. Infoprint Server の NetSpool コンポーネントに送信する VTAM® アプリケーション・データに E メール・ヘッダーを組み込むことができます。VTAM アプリケーション・データ内の新規行に各 E メール・ヘッダー・フィールドを指定し、 ブランク行を使用してヘッダーを終了させてください。
E メール・ヘッダー・フィールドは、表 2 に示されている、対応する Infoprint Server のジョブ属性、JCL パラメーター、およびプリンター定義の各フィールドを指定変更します。フィールドが E メール・ヘッダーに指定されていない場合、Infoprint Server は、対応するジョブ属性、JCL パラメーター、またはプリンター定義の値を (この順序で) 使用します。
表 2. E メール・ヘッダー・フィールドと、対応するジョブ属性、JCL パラメーター、 およびプリンター定義フィールド
E メール・ヘッダー・フィールド ジョブ属性 OUTPUT JCL ステートメントのパラメーター プリンター定義フィールド
to mail-to-addresses MAILTO To addresses (宛先アドレス)
cc mail-cc-addresses MAILCC CC addresses
bcc mail-bcc-addresses MAILBCC BCC addresses
from mail-from-name MAILFROM From name (送信者名)
reply-to mail-reply-name REPLYTO Reply address (返信先アドレス)
subject title-text TITLE Title (タイトル)