トラブルシューティング

Data Protection for VMware vSphere GUIおよび Data Protection for VMware コマンド・ライン・インターフェース の問題に対する解決方法が記載されています。

ログ・ファイルの検索

Data Protection for VMware のログ・ファイルについては、以下のトピックを参照してください。

Data Protection for VMware vSphere GUI のバックアップ操作またはリストア操作が失敗する

以下のタスクを実行して、バックアップまたはリストアの失敗を解決してください。
  1. データ・ムーバーがインストールされているシステムにログオンします。
  2. 以下の手順に従って、コマンド・ライン・セッションを開始します。
    • Windows オペレーティング・システムWindows の「スタート」メニューを開き、「プログラム」 > IBM Spectrum Protect™ > 「バックアップ/アーカイブのコマンド・ライン」を選択します。
    • Linux オペレーティング・システム端末ウィンドウを開きます。
  3. 現行ディレクトリーがまだインストール・ディレクトリーでない場合は、インストール・ディレクトリーに移動します。
    Windows オペレーティング・システム
    cd C:¥Program Files¥IBM¥SpectrumProtect¥baclient
    Linux オペレーティング・システム
    cd /opt/tivoli/tsm/client/ba/bin
    デフォルトにより、エラー・ログ・ファイルはインストール・ディレクトリーにあります。
  4. 以下のデータ・ムーバーのログ・ファイルを表示して、エラーが発生したかどうかを確認します。
    • dsmerror.log: すべてのクライアント・メッセージ。
    • dsmwebcl.log: すべての Web クライアント・メッセージ。
    • dsmj.log: すべてのクライアント Oracle Java™ GUI メッセージ。
    これらのログ・ファイルは、DSM_LOG 環境変数で指定するディレクトリー、または現行作業ディレクトリーに置かれています。
  5. これらのファイルのいずれにもエラーが含まれていない場合は、バックアップ/アーカイブ・クライアントのバックアップとリストア操作を実行して、失敗するかどうかを確認します。
  6. データ・ムーバーの操作が正常に完了した場合は、Data Protection for VMware コマンド・ライン・インターフェース r_ve_vmcli_backup.html操作および r_ve_vmcli_restore.html操作を実行します。生成された可能性があるエラーを表示できるように、適切なトレース・パラメーターを (r_ve_vmcli_profile.htmlで説明されているように) 設定してください。

Data Protection for VMware コマンド・ライン・インターフェースのバックアップが scSignOnAsAdmin: エラー 53 で失敗する

この状態では、Data Protection for VMware コマンド・ライン・インターフェースのバックアップ操作が失敗し、データ・ムーバーの dsmerror.log に対して次のエラーが生成されました。
scSignOnAsAdmin: Error 53 receiving SignOnAsAdminResp verb from server
通常、VMCLI ノード名がその管理者名と異なる場合に、このエラーが生じます。これらの 2 つの名前は同じである必要があります。

データ・ムーバー・ノードがバックアップ操作中に表示されない

IBM Spectrum Protect サーバーで正しいプロキシー・ノード権限が付与されたことを確認します。正しい権限が存在する場合、VE_DATACENTER_NAME プロファイル・パラメーターで指定されたデータ・センター・マッピングが正しくありません。 VE_DATACENTER_NAME パラメーターの詳細な説明および正しい構文については、r_ve_vmcli_profile.htmlを参照してください。

inquire_detail コマンドが戻りコード 53 で失敗した

この状態では、vmcli -f inquire_detail コマンドが失敗し、ログ・ファイルに対して次のエラーが生成されました。
ANS1033E (RC-53)  無効な TCP/IP アドレスが指定されました。
ノード名がその管理者名と一致しない場合にこのエラーが生じます。この問題が起きる可能性があるのは、ノードの名前を変更したものの、その管理者の名前を変更しない場合です。解決方法は、新しいノード名と一致するように管理者の名前を変更するか、新しいノードに新しい管理者を登録するかのいずれかです。
以下の例のコマンドは、IBM Spectrum Protect 管理コマンド・ラインから発行されます。
  • ノードの名前を変更するのと同時に管理者の名前を変更します。
    rename node <current_node_name> <new_node_name>
    rename admin <current_admin_name> <new_node_name>
    例えば、次のようにします。
    rename node DC_VC5 DC_WIN2K8_X64
    rename admin DC_VC5 DC_WIN2K8_X64
    その結果、新しい管理者名は新しいノード名と一致します。
  • ノードの名前を変更した直後に管理者を登録します。
    rename node <current_node_name> <new_node_name>
    register admin <new_admin_name> <password>
    例えば、次のようにします。
    rename node DC_VC5 DC_WIN2K8_X64
    register admin DC_WIN2K8_X64 DC_WIN2K8_X64PWD
    その結果、新しい管理者名は新しいノード名と一致します。

セッション・タイムアウト

IBM Spectrum Protect サーバーの COMMTIMEOUT オプションは、Data Protection for VMware セッションの所要時間に影響を与えます。 Data Protection for VMware 操作の処理時間がこの値を超えると、サーバーは Data Protection for VMware でのセッションを終了します。 したがって、Data Protection for VMware 操作中にエラーが発生しなかったことが明らかであるときに COMMTIMEOUT 値に達した場合は、この値を増やしてください。同様に、エラーが発生したにもかかわらず、Data Protection for VMware がそのエラーをタイムリーに報告しなかった場合は、リアルタイム・レポートを改善するためにこの値を減らしてください。

VM ゲスト (アプリケーション保護付き) のバックアップ障害の解決

この状態では、ゲスト・マシンのバックアップ (アプリケーション保護付き) が、ユーザーによって停止されます。データ・ムーバーのバックアップ処理 (dsmagent または dsmc) がこのように終了すると、アプリケーション保護のクリーンアップが実行されません。その結果、同じゲスト・マシンの次のバックアップ (アプリケーション保護付き) を実行できるのは、10 分の間隔後のみになります。 この間隔は、ゲスト・マシンがバックアップされていないことをプロセスが認識するために必要な時間の長さです。
通信をクリアするための 10 分間を待たずに、アプリケーション保護を手動でクリーンアップするには、以下の手順を実行してください。
  1. バックアップ操作の実行時に入力されたのと同じユーザー ID とパスワードを使用してゲスト・マシンにログオンします。
  2. コマンド・プロンプト・ウィンドウを開き、次のコマンドを入力します。
    echo %TEMP%
  3. %TEMP% ディレクトリーに移動し、TSM ディレクトリーに変更します。例えば、次のようにします。
    C:¥Users¥Administrator¥AppData¥Local¥Temp¥TSM
  4. BackupHeartBeat.txt ファイルを削除します。
  5. ゲスト・マシンをバックアップします。

イベント・ログに、event ID 8194, VSS メッセージが含まれる

アプリケーション保護付きの VM ゲストのバックアップを完了した後、イベント・ログに、event ID 8194, VSS エラー・メッセージが含まれます。このメッセージは、Volume Shadow Copy Service (VSS) ライター・プロセスまたはリクエスター・プロセスのセキュリティー設定が正しくないことが原因で出されます。
このエラーを解決するには、以下の手順を実行してください。
  1. 管理者として VM ゲストにログオンし、「スタート」 > 「実行」ダイアログで Microsoft dcomcnfg.exe ユーティリティーを実行します。
    dcomcnfg.exe
    「OK」をクリックします。
    dcomcnfg.exe ユーティリティーは、レジストリー設定を使用するために使用されます。
  2. 「コンポーネント サービス」インターフェースで、「コンポーネント サービス」 > 「コンピュータ」に移動します。「マイ コンピュータ」を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
  3. 「マイ コンピュータのプロパティ」パネルで、「COM セキュリティ」 > 「アクセス許可: デフォルトの編集」に移動します。
  4. 「アクセス許可」パネルで、「ローカル アクセス」許可を「許可」に設定して「ネットワーク サービス」アカウントを追加します。
  5. 変更を適用し、開いている「コンポーネント サービス」のパネルをすべて閉じます。
  6. VM ゲストを再始動します。
  7. VM ゲストをバックアップし、event ID 8194, VSS エラー・メッセージがイベント・ログに出されていないことを確認します。

Data Protection for VMware インストールの失敗: デプロイメント・エンジンの初期化

Data Protection for VMware のインストールは、.lock ファイルに起因するデプロイメント・エンジンの初期化の失敗によって停止することがあります。デプロイメント・エンジンによって Data Protection for VMware のインストールが妨げられる場合、次のエラー・メッセージが生成されます。
Deployment Engine failed to initialize.
The installer will now shutdown. Please check with the log files for a more
complete description of the failure.
PRESS ENTER TO CONTINUE: 
原因は、実行されている同時インストールまたは完了する前に停止したインストールに由来するデプロイメント・エンジン .lock ファイルである可能性があります。別のインストールを実行している場合は、そのインストールが終了するまで待ってから、Data Protection for VMware をインストールします。他のインストールが開始されていないのにこの問題が発生した場合は、.lock ファイルをすべて削除します。
重要: 他の Data Protection for VMware のインストールを実行している場合は、いずれの .lock ファイルも削除しないでください。
Windows オペレーティング・システムWindows で .lock ファイルを削除するには、次のコマンドを発行してください。
cd C:¥Program Files¥IBM¥Common¥acsi¥logs
del .lock*
Linux オペレーティング・システムLinux で .lock ファイルを削除するには、次のコマンドを発行してください。
cd /usr/ibm/common/acsi/logs
rm .lock*
これらのファイルを削除したら、インストールを再始動してください。

VM 名またはデータ・センター名でのサポートされない文字

Data Protection for VMware は、VM またはデータ・センターの名前に以下のいずれかの文字が含まれている場合、それらのバックアップをサポートしません。
"
二重引用符
'
単一引用符
:
コロン
;
セミコロン
*
アスタリスク
?
疑問符
,
コンマ
<
不等号 (より小さい)
>
不等号 (より大きい)
/
スラッシュ
\
円記号
|
垂直バー

vCenter の変更後に検出される問題

Data Protection for VMware vSphere GUIで vCenter を変更した後に、以下の 2 つの問題が発生することがあります。
  • 新規 vCenter に関連付けられたデータ・センターが、「構成状況」ページに表示されない。

    この問題を解決するには、新しい vCenter のドメインを手動で設定します。このコマンドの発行について詳しくは、r_ve_vmcli_setdomain.htmlを参照してください。

  • 「リストア」タブで、(前のデータ・センターに関連付けられている) ESX ホストが、新しい vCenter 内の新しいデータ・センターの下に表示される。この問題は既知の制限です。この問題に対する回避策はありません。

VM バックアップの統合

VM のバックアップ後、スナップショット・マネージャーにスナップショットが存在していないのに、VM に、既存のスナップショットが含まれていることがあります。例えば、VM ハード・ディスクは、通常の VMDK ファイルではなく、スナップショット VMDK ファイル (例えば、*-000001.vmdk) を指します。既存のスナップショットが意図的に保存されている可能性はありますが、Data Protection for VMware には、その VMDK が有効なスナップショットを指しているかどうかを確認するためのメカニズムはありません。スナップショットが統合されておらず、既存のスナップショット・ファイルを持つ VM がバックアップされると、Data Protection for VMware は、IBM Spectrum Protect サーバー上のバックアップに対して誤ったサイズを報告する可能性があります。スナップショットの統合により、他の VMware に関連する問題も防ぐことができます。結果として、この状態が発生した場合はいつでも、スナップショットを統合してください。

この潜在的な問題を解決するために、VMware vSphere Client 5.x (以降) では、VM でスナップショットの統合が必要になるとユーザーに通知されます。詳しくは、次の VMware Knowledge Base の記事を参照してください。http://kb.vmware.com/selfservice/microsites/search.do?language=en_US&cmd=displayKC&externalId=2003638

vSphere 4.1 (以前) の場合、統合オプションは使用不可です。ただし、同等タスクがスナップショットを作成し、「すべて削除」アクションを実行します。

Web サーバー要求の作成中にエラーが発生しました (GVM0103E)

この状況では、Data Protection for VMware vSphere GUI にアクセスしようとすると、以下のエラーが表示されます。
GVM0103E: Web サーバー要求の作成中にエラーが発生しました。
 このエラーが解決されない場合は、Web サーバーとのネットワーク
接続を確認し、Web サーバーが稼動中であることを確認します。
このエラーを回避するには、GUI を開始する前に、以下の状態が存在することを確認します。
  • Linux オペレーティング・システムWindows オペレーティング・システムData Protection for VMware vSphere GUIが、オペレーティング・システムの前提条件を満たすシステムにインストールされている。以下のシステムへのネットワーク接続を持っている必要があります。
    • vStorage バックアップ・サーバー
    • IBM Spectrum Protect サーバー
    • vCenter Server (Data Protection for VMware vSphere GUI)
  • Windows オペレーティング・システムData Protection for VMware vSphere GUI のホスト URL アドレスが、ご使用の Internet Explorer の信頼済みサイト・ゾーンに設定されている必要があります。 Internet Explorer のメニュー・バーで、「ツール」 > 「インターネット オプション」 > 「セキュリティ」 > 「信頼済みサイト」に移動します。「サイト」をクリックし、ホスト URL アドレスを追加します。変更を必ず適用してください。例えば、次のようにします。
    Add this website to the zone:http://myvctrmachine.xyzco.com

VM バックアップ操作の戻りコード

以下の戻りコードは、Linux または Windows システム上の VM バックアップ操作に適用されます。
表 1. VM バックアップ操作の戻りコード
戻りコード 説明
0 1 つ以上の VM を処理するコマンドが正常に完了しました。
8 複数の VM を処理するコマンドは、そのコマンドの対象となっている VM の一部でのみ成功しました。ログ・ファイルを調べて、対象の VM それぞれの処理状況を調べてください。
12 1 つ以上の VM を処理するコマンドが発行されました。コマンドは、そのコマンドの対象となった VM のいずれもで完了しませんでした。ログ・ファイルを調べて、失敗の考えられる原因を調べてください。