IBM Spectrum Protect for Virtual Environments: Data Protection for VMware の概要

IBM Spectrum Protect™ for Virtual Environments :Data Protection for VMware では、VM を保護するための包括的ソリューションが提供されています。

Data Protection for VMware は統合データ・ムーバーと連携して、VM の「永久増分 - フル」バックアップおよび「永久増分 - 増分」バックアップを実行します。データ・ムーバー・ノードは、保管のため、および後に VM イメージ・レベルのリストアを実行するために、データを IBM Spectrum Protect サーバーに「移動」します。ディスク・ボリューム・レベルおよびフル VM レベルでのインスタント・リストアが有効です。さらに、vCloud Director 環境内での vApp および 組織 vDC の保護も有効になります。

データ・ムーバーは、独自のユーザー・インターフェースと文書を含む、別個にライセンス交付されるコンポーネントです。VM を保護するための包括的な計画を Data Protection for VMware に適切に統合するためには、この製品とその資料を熟知している必要があります。Microsoft Windows 用の IBM Spectrum Protect for Virtual Environments では、ダウンロード・パッケージにデータ・ムーバー・データ・ムーバー機能が含まれています。

図 1. VMware vSphere ユーザー環境での IBM Spectrum Protect for Virtual Environments システム・コンポーネント
VMware vSphere ユーザー環境の IBM
Spectrum Protect for Virtual Environments システム・コンポーネント

Data Protection for VMware は、VM の保護に役立つ複数のコンポーネントを提供します。

Data Protection for VMware vSphere GUI

このコンポーネントは、VMware vCenter Server 上の VM データにアクセスするためのグラフィカル・ユーザー・インターフェース (GUI) です。GUI のコンテンツは、2 つのビューで使用可能です。
  • Web ブラウザー・ビュー。サポートされる Web ブラウザーで GUI Web サーバー・ホストの URL を使用して、このビューにアクセスします。例えば、次のとおりです。
    https://guihost.mycompany.com:9081/TsmVMwareUI/
  • VMware vSphere Web Client の IBM Spectrum Protect vSphere Client プラグインのビュー。 このビューのパネルは、Web クライアント内の統合のために独自に設計されていますが、このビューのデータとコマンドは他のビューと同じ GUI Web サーバーから取得されています。 IBM Spectrum Protect vSphere Client プラグインは、Web ブラウザーのビューで使用可能な機能のサブセット、およびいくつかの追加機能を提供します。 構成と拡張レポート作成の機能はこのビューでは提供されていません。

Data Protection for VMware vSphere GUIは、オペレーティング・システムの前提条件を満たすどのシステムにもインストールできます。Data Protection for VMware vSphere GUIは入出力データ転送を処理しないため、リソース要件は最小です。Data Protection for VMware vSphere GUIを vStorage バックアップ・サーバーにインストールすることが、最も一般的な構成です。

Web ブラウザーのビューでは、複数の Data Protection for VMware vSphere GUI を単一の vCenter Server に登録できます。 このシナリオでは、単一の VMware Data Protection for VMware vSphere GUI が管理するデータ・センター (およびその VM ゲスト・バックアップ) の数を削減します。これにより、各 GUI は、vCenter Server に定義されているデータ・センターの総数のうち、サブセットを管理することができます。vCenter Server に登録されている GUI ごとに、1 つの Data Protection for VMware パッケージを別個のホストにインストールする必要があります。管理対象のデータ・センターを更新するには、「構成」 > IBM Spectrum Protect 構成の編集」に進んでください。「GUI ドメイン」ページで、GUI が管理する、データ・センターのリスト内の数を減らします。 使用可能なすべてのデータ・センターのうち、サブセットを管理することにより、GUI が操作を完了するために要する照会時間と処理時間が短縮されます。

複数の Data Protection for VMware vSphere GUI を単一の vCenter Server に登録する際には、次のガイドラインが適用されます。
  • 各データ・センターは、インストールされている Data Protection for VMware vSphere GUI 1 つのみで管理することができます。
  • インストールされた Data Protection for VMware vSphere GUI ごとに、固有の VMCLI ノード名が必要です。
  • インストールされた Data Protection for VMware vSphere GUI ごとに固有のデータ・ムーバー・ノード名を使用することにより、ノードの管理が単純化されます。
Data Protection for VMware vSphere GUIは、以下のシステムへのネットワーク接続を持っている必要があります。
  • vStorage バックアップ・サーバー
  • IBM Spectrum Protect サーバー
  • vCenter Server
また、Derby Database のポート (デフォルト 1527) および GUI Web サーバーのポート (デフォルト 9081) を使用可能にする必要があります。
注: Data Protection for VMware vSphere GUI のブラウザー・ビューにサインオンする vCenter Server ユーザー ID には、GUI で管理されているデータ・センターのコンテンツを表示するために十分な VMware 特権が必要です。指定した vCenter Server のユーザー ID に、この役割を割り当てる必要があります。 役割は vCenter Server レベルで割り当てる必要があります。

IBM Spectrum Protect ファイル・リストア GUI

Web ベースのファイル・リストア GUI を使用すると、管理者の支援を受けずに VMware 仮想マシンのバックアップからファイルをリストアすることができます。この GUI は、 Data Protection for VMware vSphere GUI がインストールされると自動的にインストールされます。 詳しくは、ファイル・リストアの概要を参照してください。

IBM Spectrum Protect Recovery Agent

このサービスでは、IBM Spectrum Protect サーバーから任意のスナップショット・ボリュームをマウントできます。 iSCSI プロトコルを使用してリモート・コンピューターからスナップショットにアクセスすることができます。さらに、Recovery Agent は Instant Restore 機能も提供します。リストア・プロセスがバックグラウンドで進行中、Instant Restore 処理で使用されるボリュームは使用可能なままです。Recovery Agent には、Recovery Agent GUI またはコマンド・ライン・インターフェースを使用してアクセスします。

クライアント・システム上で、読み取り専用アクセス権限を使用して、ローカル側でスナップショットを表示する必要がある場合、Data Protection for VMware V8.1.4 以前のバージョンを使用してください。

リモート・マシンから以下のタスクを実行するために、Recovery Agent コマンド・ライン・インターフェースが Windows システムにインストールされます。
  • 以下のリストを含む使用可能でリストア可能なデータに関する情報を収集します。
    • バックアップされた VM
    • バックアップされたマシンで使用可能なスナップショット
    • 特定のスナップショットで使用可能な区画
重要: recovery agent GUI を使用してタスクを実行する方法については、GUI と一緒にインストールされるオンライン・ヘルプに記載されています。いずれかの GUI ウィンドウで「ヘルプ」をクリックすると、タスクを支援するためのオンライン・ヘルプが開きます。

コマンド、パラメーター、および戻りコードについて詳しくは、Recovery Agent コマンド・ライン・インターフェースを参照してください。

Data Protection for VMware コマンド・ライン・インターフェース

Data Protection for VMware CLI は、Data Protection for vSphere GUI でインストールされる、全機能を持つコマンド・ライン・インターフェースです。 これを使用すると、以下のタスクを実行できます。
  • IBM Spectrum Protect サーバーへの VM のバックアップを開始するか、後で実行するようにバックアップをスケジュールします。
  • IBM Spectrum Protect サーバーから、 VM、VM ファイル、または VM ディスク (VMDK) の IFFULL リカバリーを開始します。
  • バックアップ・データベースと環境についての構成情報を表示します。
Data Protection for vSphere GUI は、1 次タスク・インターフェースですが、Data Protection for VMware CLI は、実用的な 2 次インターフェースを提供します。 例えば、これを使用すると、Data Protection for vSphere GUI によって実装されるスケジューリング機構とは異なるスケジューリング機構を実装できます。 また、これはスクリプトを使用した自動化の結果を評価する際にも役に立ちます。

使用可能なコマンドについて詳しくは、vmcli コマンド・ライン・インターフェースを参照してください。

図 2. VMware vCloud Director ユーザー環境での IBM Spectrum Protect for Virtual Environments システム・コンポーネント
VMware vCloud Director ユーザー環境内の IBM
Spectrum Protect for Virtual Environments システム・コンポーネント