SET DBRECOVERY (自動バックアップ用の装置クラスの設定)

このコマンドを使用して、自動データベース・バックアップに使用する装置クラスおよびデータ・ストリームの数を指定します。また、このコマンドを使用して、サーバーのマスター暗号鍵を自動的にバックアップするための BACKUP DB コマンドを構成することもできます。

マスター暗号鍵は、ディレクトリー・コンテナー・ストレージ・プールおよびクラウド・コンテナー・ストレージ・プールのデータの暗号化、およびサーバー・データベースの機密情報の暗号化に使用します。 マスター暗号鍵をバックアップしないと、災害が発生した際に、これら暗号化された項目のいずれにもアクセスできなくなる可能性があります。

BACKUP DB コマンドを実行した場合、この装置クラスが SET DBRECOVERY コマンドに指定されている装置クラスでなければ、警告メッセージが戻されます。ただし、バックアップ操作は続行し、影響はありません。

特権クラス

このコマンドを発行するには、システム特権または無制限ストレージ特権が必要です。

構文

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>>-SET DBRECOVery--device_class_name---------------------------->

   .-NUMStreams--=--1------.  .-COMPress--=--No------.   
>--+-----------------------+--+----------------------+---------->
   '-NUMStreams--=--number-'  '-COMPress--=--+-No--+-'   
                                             '-Yes-'     

   .-PROTECTKeys--=--Yes-----.   
>--+-------------------------+---------------------------------->
   '-PROTECTKeys--=--+-No--+-'   
                     '-Yes-'     

>--+----------------------------+------------------------------><
   '-PASSword--=--password_name-'   

パラメーター

device_class_name (必須)
データベースのバックアップに使用する装置クラスを指定します。
NUMStreams
データベースのバックアップ時に使用する並列データ移動ストリームの数を指定します。デフォルト値は 1、最大値は 32 です。この値を大きくすると、それに応じて、使用されるデータベース・バックアップ・セッション数、および装置クラスに使用されるドライブ数が増加します。 BACKUP DB コマンドに指定された NUMSTREAMS 値は、SET DBRECOVERY コマン ドに設定されたすべての値をオーバーライドします。 NUMSTREAMS 値は、すべてのタイプのデータベース・バックアップに使用されます。
装置クラスに使用可能なドライブ数を超える値が指定された場合は、使用可能なドライブ数が使用されます。使用可能なドライブとは、MOUNTLIMIT パラメーター、または指定された装置クラス用のオンライン・ドライブ数によって装置クラスに定義されたドライブです。セッションは、QUERY SESSION 出力に表示されます。
ストリームの数を増やすと、対応する装置クラスからさらに多くのボリュームが、この操作のために使用されます。使用するボリューム数を増加すると、データベース・バックアップの速度が改善される可能性がありますが、フルに使用されないボリュームの数が増加することになります。
COMPress
データベース・バックアップ処理中にボリュームを圧縮するかどうかを指定します。 このパラメーターはオプションです。デフォルト値は No です。以下のいずれかの値を指定することができます。
No
BACKUP DB コマンドで作成されたボリュームを圧縮しないことを指定します。
Yes

BACKUP DB コマンドで作成されたボリュームを圧縮することを指定します。

BACKUP DB コマンドに COMPRESS パラメーターを指定した場合は、この値が SET DBRECOVERY コマンドに設定されたすべての値をオーバーライドします。それ以外の場合は、SET DBRECOVERY コマンドに設定された値が使用されます。
制限:
  • COMPRESS パラメーターを指定する場合は注意してください。 データベース・バックアップ中に圧縮を使用すると、バックアップ・ファイルのサイズを減らすことができます。 ただし、圧縮によって、データベース・バックアップ処理にかかる時間が長くな る可能性があります。
  • 圧縮されたデータのバックアップを磁気テープに書き込まないでください。 ご使用のシステム環境で磁気テープにデータベース・バックアップを保管する場合、SET DBRECOVERY コマンドと BACKUP DB コマンドの COMPRESS パラメーターを No に設定します。
PROTECTKeys
データベース・バックアップに、ノード・パスワード、管理者パスワード、およびストレージ・プール・データの暗号化に使用するサーバーのマスター暗号鍵のコピーを含めるかを指定します。 マスター暗号鍵は、dsmkeydb ファイルに保管されます。 dsmkeydb ファイルが失われると、マスター暗号鍵を使用して暗号化されたパスワードをサーバーが読み取ることができないため、ノードおよび管理者をサーバーで認証することができません。 さらに、マスター暗号鍵がないと、暗号化されたストレージ・プールに保管されたデータを取得することができません。このパラメーターはオプションです。デフォルト値は Yes です。次のいずれかの値を指定することができます。
No
データベース・バックアップにサーバーのマスター暗号鍵のコピーを含めないことを指定します。
重要: PROTECTKEYS=NO を指定した場合、サーバーのマスター暗号鍵を手動でバックアップし、災害時回復を実施する場合にその鍵を使用できるようにすることが必要です。 マスター暗号鍵がないと、災害から復旧することができません。
Yes
データベース・バックアップにサーバーのマスター暗号鍵のコピーを含めることを指定します。
重要: PROTECTKEYS=YES を指定する場合、PASSWORD パラメーターも指定する必要があります。
PASSword
データベース・バックアップの保護に使用するパスワードを指定します。デフォルトでは、データベース・バックアップ操作がパスワードを使用して保護されます。SET MINPWLENGTH コマンドを使用して別の値を指定しない限り、パスワードの最小長は 8 文字です。パスワードの最大長は 64 文字です。
重要: このパスワードは忘れないようにしてください。 データベース・バックアップ用のパスワードを指定した場合、そのデータベースをリストアするには、同じパスワードを RESTORE DB コマンドで指定する必要があります。

例: データベースのバックアップに使用する装置クラスを指定します。

データベースのバックアップに使用する DBBACK 装置クラスを指定します。以下のコマンドを実行します。
set dbrecovery dbback

例: データベース・バックアップ用の装置クラスおよびストリーム数を指定します。

データベース・バックアップ用の DBBACK 装置クラスを指定し、バックアップが 2 つのデータ移動ストリームを使用することを指定します。以下のコマンドを実行します。
set dbrecovery dbback numstreams=2
AIX オペレーティング・システムLinux オペレーティング・システムWindows オペレーティング・システム

例: データベース・バックアップでのストレージ・プール暗号鍵の保護

データベース・バックアップにマスター暗号鍵のコピーを含めるように指定することで、ストレージ・プール・データを暗号化します。 以下のコマンドを実行します。
set dbrecovery dbback protectkeys=yes password=password_name

関連コマンド

表 1. SET DBRECOVERY に関連するコマンド
コマンド 説明
BACKUP DB IBM Spectrum Protect データベースを順次アクセス・ボリュームにバックアップします。
QUERY DB データベースについての割り振り情報を表示します。
QUERY DBSPACE データベースについて定義されたストレージ・スペースに関する情報を表示します。