NUMBER データ・タイプは、Oracle NUMBER データ・タイプを使用するアプリケーションをサポートするために導入されました。
NUMBER はデータベース・レベルでサポートされるため、サポートが必要なデータベースを作成する前に有効にする必要があります。 その場合は、DB2_COMPATIBILITY_VECTOR レジストリー変数に適切な値を設定します。NUMBER を有効にしてデータベースを作成すると、データベース構成パラメーター number_compat が ON に設定されます。NUMBER のサポートを有効にしてデータベースを作成した場合は、DB2_COMPATIBILITY_VECTOR レジストリー変数をリセットしても、そのデータベースについて NUMBER のサポートを無効にすることはできません。同様に、NUMBER のサポートを有効にせずに作成されたデータベースでは、DB2_COMPATIBILITY_VECTOR レジストリー変数を設定しても、NUMBER のサポートを有効にすることはできません。
NUMBER データ・タイプのサポートは、データベースを作成する前に DB2_COMPATIBILITY_VECTOR レジストリー変数のビット位置番号 5 (0x10) を設定することで有効になります。これらの DB2® 互換性フィーチャーを最大限に活用するには、値を ORA に設定します。これは推奨される設定です。インスタンスを停止し、再始動するまで、レジストリー変数の新規設定は 反映されません。
number_compat データベース構成パラメーターが ON に設定されている DB2 データベースでは、以下のサポートが有効になります。
サポートされている最大の精度は 31 であり、スケールは精度の値以下の正の値である必要があります。この暗黙的なマップの結果、メッセージは NUMBER ではなくデータ・タイプ DECFLOAT および DECIMAL を参照し、列またはルーチンのデータ・タイプを記述する演算子は、NUMBER ではなく DECIMAL または DECFLOAT のいずれかを戻します。DECFLOAT(16) は、Oracle NUMBER データ・タイプよりも最大精度の値が小さいことに注意してください。表に数値を保管するために 16 桁を超える精度が必要な場合は、該当する列を DECFLOAT(34) として明示的に定義する必要があります。
number_compat 構成パラメーターが ON に設定されている DB2 データベースでも、数値リテラルのサポートは変更されません。整数、10 進数、および浮動小数点定数の規則が引き続き適用されます。それによって、10 進リテラルが 31 桁に、浮動小数点リテラルがバイナリー倍精度浮動小数点値の範囲に制限されます。 DECFLOAT(34) キャストに対するストリング (CAST 仕様または DECFLOAT 関数を使用) は、DECIMAL または DOUBLE の範囲を超えて、DECFLOAT(34) の範囲までの値に対して使用することができます。
NUMBER データ値が (CAST 仕様あるいは VARCHAR または CHAR スカラー関数を使用して) 文字ストリングにキャストされると、すべての先行ゼロが結果から削除されます。
それぞれ 64 ビットのバイナリー浮動小数点値および 32 ビットのバイナリー浮動小数点値を表す、末尾が D または F である数値リテラルは、現在サポートされていません。E を含む数値リテラルにはデータ・タイプ DOUBLE があり、CAST 仕様またはキャスト関数 REAL を使用して、REAL にキャストすることができます。
number_compat 構成パラメーターが ON に設定されている DB2 データベースでは、CREATE SEQUENCE ステートメントの順序値で使用されるデフォルトのデータ・タイプは、INTEGER ではなく DECIMAL(27) になります。
number_compat 構成パラメーターが ON に設定されている DB2 データベースでは、DECIMAL または DECFLOAT データ・タイプを含むすべての算術演算子と算術または数学関数は、10 進浮動小数点を使用して正しく実行され、データ・タイプ DECFLOAT(34) の値が戻されます。これは、両方のオペランドに DECIMAL または DECFLOAT(16) データ・タイプが含まれる算術演算子にも適用されます。これは、「DB2 SQL リファレンス」の 10 進演算の説明とは異なっています(『式』の『算術演算子がある式』を参照してください)。さらに、整数データ・タイプ (SMALLINT、INTEGER、BIGINT) しか含まないすべての除算演算子は、10 進浮動小数点を使用して正しく実行でき、整数データ・タイプではなく、データ・タイプが DECFLOAT(34) である値が戻されます (整数オペランドを使用してゼロによる除算を行うと、無限大が戻され、エラーではなく警告が表示されます)。
解決処理中にデータ・タイプ DECIMAL の引数が DECFLOAT 値と見なされるように、関数解決も変更されます。これにより、関数解決を目的として、NUMBER(p[,s]) データ・タイプに対応する引数を持つ関数が、引数のデータ・タイプが NUMBER である場合と同様に、正しく処理されます。
ソース・データ・タイプ | ターゲット・データ・タイプ | |||
---|---|---|---|---|
整数タイプ | DECIMAL | DECFLOAT | REAL/DOUBLE | |
整数タイプ | 適用外 | 適用外 | decflt_rounding | 最も近い偶数への丸め |
DECIMAL | decflt_rounding | decflt_rounding | decflt_rounding | 最も近い偶数への丸め |
DECFLOAT | decflt_rounding | decflt_rounding | decflt_rounding | 最も近い偶数への丸め |
REAL/DOUBLE | 切り捨て | decflt_rounding | decflt_rounding | 最も近い偶数への丸め |
ストリング (キャストのみ) | 適用外 | decflt_rounding | decflt_rounding | 最も近い偶数への丸め |
DB2 10 進浮動小数点値は、IEEE 754R 標準に基づいています。DECFLOAT データの取得、および DECFLOAT データの文字ストリングへのキャストを行うと、小数点以下のゼロがすべて削除されます。