パーティション・データベース環境

パーティション・データベース環境とは、データベース・パーティション全体へのデータの配分をサポートするデータベースのインストール済み環境です。

  • データベース・パーティション は、データベースの一部であり、 それ自体のデータ、索引、構成ファイル、およびトランザクション・ログからなります。 パーティション・データベース環境とは、データベース・パーティション全体へのデータの配分をサポートするデータベースのインストール済み環境です。
  • 単一パーティション・データベース は、 1 つだけのデータベース・パーティションを持つデータベースです。 データベース内のすべてのデータが、その 1 つのデータベース・パーティションに保管されます。 この場合、データベース・パーティション・グループがあっても、追加の機能は提供されません。
  • 複数パーティション・データベース は、 2 つ以上のデータベース・パーティションを持つデータベースです。 表は、1 つ以上のデータベース・パーティションに配置することができます。 表が複数のデータベース・パーティションからなるデータベース・パーティション・グループ内にある場合、その行の一部が 1 つのデータベース・パーティションに保管され、その他の行は他のデータベース・パーティションに保管されます。

通常、物理マシンごとに 1 つのデータベース・パーティションが存在し、各システムのプロセッサーが各データベース・パーティションのデータベース・マネージャーによって使用されて、データベース内の全データのうちの一部を管理します。

データは複数のデータベース・パーティションに配分しているので、複数の物理マシン上にある複数のプロセッサーの能力を使用して、情報に対する要求を処理することができます。 データ検索と更新の要求は自動的にサブの要求に分解され、適用可能なデータベース・パーティション内で並列に実行されます。 データベースが複数のデータベース・パーティションに分割されているという事実を、 SQL ステートメントを発行しているユーザーが認識する必要はありません。

ユーザーとの対話は、 そのユーザー用のコーディネーター・パーティション である、1 つのデータベース・パーティションを介して行われます。 コーディネーター・パーティションは、アプリケーションと同じデータベース・パーティションで実行されるか、 またはリモート・アプリケーションの場合、 そのアプリケーションが接続されるデータベース・パーティションで実行されます。 任意のデータベース・パーティションをコーディネーター・パーティションとして使用することができます。

データベース・マネージャーは、データベース内の複数のデータベース・パーティションにわたってデータを保管できるようにします。 つまり、データが物理的には複数のデータベース・パーティションにわたって保管されていても、 1 つの同じ場所に置かれているかのようにアクセスできます。 複数パーティション・データベースのデータにアクセスするアプリケーションやユーザーは、データの物理的な場所を認識しません。

データは物理的には分割されていますが、1 つの論理的な統一体として使用および管理されます。 ユーザーは、分散キーを宣言することによって、自分のデータを分散する方法を選択することができます。 また、ユーザーは、データの保管場所となる表スペースおよび関連するデータベース・パーティション・グループを選択することにより、いくつの、そしてどのデータベース・パーティションに自分のデータを配分するかを決定できます。 分散およびレプリケーションに関する提案は、 Db2® 設計アドバイザーを使用して行うことができます。 さらに、更新可能な分散マップをハッシュ・アルゴリズムとともに使用して、データベース・パーティションへの分散キー値のマッピングを指定します (これによってデータの各行の配置と検索が決まります)。 その結果、大きな表の場合は複数パーティション・データベースにワークロードを分散させ、より小さい表は 1 つ以上のデータベース・パーティションに保管することができます。 それぞれのデータベース・パーティションは保管するデータのローカル索引を持っており、 その結果、ローカルのデータ・アクセスのパフォーマンスが向上します。

注: すべての表をデータベース内のすべてのデータベース・パーティションに分割することに制限されているわけではありません。 データベース・マネージャーは部分デクラスタリング をサポートします。 これによって、 表および表スペースをシステム内のデータベース・パーティションのサブセットに分割できます。

それぞれのデータベース・パーティションに表を置きたいときに考慮できる別の方法は、 マテリアライズ照会表を使用してからそれらの表を複製するというものです。 まず必要な情報を含むマテリアライズ照会表を作成して、それを各データベース・パーティションに複製します。

Db2 データベース製品の非 root インストールは、データベース・パーティションがサポートされません。 db2nodes.cfg ファイルを手動で更新しないでください。 手動更新するとエラー (SQL6031N) が戻されます。