IBM InfoSphere Change Data Capture ソフトウェア・アーキテクチャーおよびシャドー表の概念

シャドー表を保守するためのレプリケーション・ソリューションとして InfoSphere CDC ソフトウェアを実装するには、必要なソフトウェア・アーキテクチャーと重要な概念について理解してください。

シャドー表には、以下の InfoSphere CDC ソフトウェア・コンポーネントが必要です。
  • InfoSphere CDC For Db2®

    このソフトウェアは、 Db2のレプリケーション・エンジンです。 レプリケーション・エンジンはトランザクション・ログを読み取り、ソースの行オーガナイズ表の DML 操作すべてをキャプチャーします。 その後、アプライ・エージェントがその変更をシャドー表に適用します。

  • InfoSphere CDC Access Server

    このソフトウェアは、レプリケーション・エンジン・プロセスと InfoSphere CDC Management Console またはコマンド行プロセッサー (CHCCLP) との間の通信を指示するサーバー・アプリケーションです。

  • InfoSphere CDC Management Console

    このソフトウェアは、シャドー表のレプリケーションの構成とモニターに使用できる管理アプリケーションです。 この GUI インターフェースは、Windows オペレーティング・システムでのみ実行されます。 これには、イベント・ログとモニター・ツールが含まれています。

これらの InfoSphere CDC ソフトウェア・コンポーネントは、 Db2 Advanced Workgroup Server EditionDb2 Advanced Enterprise Server Edition、および IBM Developer Community Editionに組み込まれています。 これらのコンポーネントを使用するための詳細については、使用許諾契約書をご確認ください。

次の図は、 InfoSphere CDC レプリケーション・エンジンと、 Db2 サーバーと同じコンピューターにインストールされている InfoSphere CDC Access Server を示しています。
図1: シャドー表の InfoSphere CDC アーキテクチャー
InfoSphere シャドー表の CDC アーキテクチャー
この図は、シャドー表のためのこの実装で、キャプチャー・エージェントとアプライ・エージェントが同じデータベースを参照していることも示しています。
以下の InfoSphere CDC 概念は、資料全体で使用されています。シャドー表のコンテキストでこれらの概念に精通していることが重要です。
InfoSphere CDC インスタンス
InfoSphere CDC インスタンスは、レプリケーション・エンジンのインスタンスです。 シャドー表の場合、使用されるレプリケーション・エンジンは InfoSphere CDC for Db2 レプリケーション・エンジンです。 ソース・データベースとターゲット・データベースが同じであるため、シャドー表のレプリケーションに必要な InfoSphere CDC インスタンスは 1 つのみです。 シャドー表のレプリケーションの場合、データベース内のすべてのシャドー表のレプリケーション用に単一の InfoSphere CDC インスタンスを作成します。
データ・ストア
データ・ストアは、 InfoSphere CDC インスタンスを表す抽象概念です。 これは、レプリケーションに必要なデータベースおよびデータ・ファイルに関する情報を保持します。 InfoSphere CDC Management Console および CHCCLP コマンド行インターフェースは、データ・ストアのみに接続することにより、データベースと対話します。 一般的な InfoSphere CDC 環境にはソース・データ・ストアとターゲット・データ・ストアが含まれていますが、シャドー表に必要なデータ・ストアは 1 つのみです。これは、ソースとターゲットが同じデータベースであるためです。
サブスクリプション
サブスクリプションとは、表マッピングのコンテナーです。 これは、ソース・データ・ストアとターゲット・データ・ストアを論理的にリンクします。 これには、レプリケーションの動作を決定するさまざまなパラメーターが含まれます。 シャドー表では、データベース内のすべてのシャドー表を複製するサブスクリプションを 1 つだけ作成する必要があります。 また、サブスクリプションを永続とマークすることにより、レプリケーションが中断されるような状況で、より強いフォールト・トレランスを発揮します。
表マッピング
表マッピングには、ソース・データ・ストアからターゲット・データ・ストアへ個々の表 (または表の列) を複製する方法に関する情報が含まれています。 シャドー表の場合、行オーガナイズ (ソース) 表とシャドー (ターゲット) 表の間の 1 対 1 の表マッピングを持つ標準レプリケーションを選択します。 ターゲット表キーの場合、シャドー表の主キーに対応するユニーク索引を指定し、1 対 1 の表マッピングを提供して、パフォーマンスを改善します。

サブスクリプションに属する表マッピングを追加、変更、または削除する前に、レプリケーションを終了する必要があります。

レプリケーション
レプリケーションは、ソース表の内容とシャドー表の内容の間で進行している同期を維持するプロセスです。 これは、ソース表からシャドー表に変更を送信するプロセスです。 データは、リフレッシュとミラーリングによって転送されます。
ミラーリング
ミラーリングは、変更されたデータをソース表からターゲット表に複製するプロセスです。 シャドー表のレプリケーション方式は継続的ミラーリングであり、変更が発生するたびにソース表からシャドー表にその変更を継続して複製します。 レプリケーションは、ミラーリングを開始することによって明示的に開始されます。 特定のサブスクリプションのミラーリングを開始または停止することができます。
リフレッシュ
リフレッシュは、シャドー表とソース表の現在の内容を同期するプロセスです。 シャドー表の場合、標準リフレッシュはまずシャドー表内のすべての行をクリアし、その後、すべてのデータをソース表からロードします。 表マッピングを作成した後、ミラーリングを初めて開始する際にリフレッシュが自動的に実行され、シャドー表にデータが取り込まれます。
待ち時間
シャドー表の待ち時間は、そのシャドー表とソース表がどれだけ緊密に同期されているかを示します。 例えば、30 秒より前に発生したソース表への変更はすべてターゲット表に適用されているものの、直近 30 秒以内に発生したソース表に対する変更の一部はまだ適用されていない場合、シャドー表の待ち時間は 30 秒ということになります。 シャドー表への照会のルーティングは待ち時間に依存するため、待ち時間はシャドー表の最も重要な InfoSphere CDC 概念の 1 つです。
CHCCLP コマンド行インターフェース
CHCCLP を使用して、コマンド行から InfoSphere CDC Management Console タスクを実行します。 Db2 CLP を対話モードまたはバッチ・モードで実行するのと同様の方法で、CHCCLP を対話モードで実行することができます。