Db2 バージョン 11.1 のハイライト

IBM® Db2 バージョン 11.1 は、幅広いビジネス要件に対応する新機能と機能拡張の形で、データベースの効率性、シンプルさ、および信頼性を提供します。 包括的なエンタープライズ・セキュリティー、簡易化されたインストールとデプロイメント、向上した使いやすさと導入しやすさ、合理化されたアップグレード・プロセス、大規模なデータベースのための機能拡張、BLU Acceleration の大幅な改良が、このテクノロジーで得られる主な利点です。

パーティション・データベース環境でのカラム・オーガナイズ表のサポート

Db2 バージョン 11.1 は、圧縮されたカラム・オーガナイズ表をパーティション化された Db2 データベース環境に拡張します。これにより、 IBM Research のイノベーションと、レポート作成と分析を簡素化して迅速化する開発ラボの組み合わせである BLU Accelerationを、 Db2を介して大規模に利用することができます。 BLU の導入作業は合理化されており、既存の MPP データウェアハウスにおいて、メモリー内最適化カラムナ・テクノロジーを容易に活用することができます。

パーティション環境でのカラム・オーガナイズ表には、以下の固有の機能拡張があります。
  • 列ベクトル処理エンジンのための MPP 対応の照会計画および最適化
  • パーティション間の縦欄データ交換の最適化ベクトル形式
  • 圧縮状態のままでデータをネットワーク上でやり取りすることを可能にする共通表ディクショナリー
  • マルチコア並列処理のために設計され、最適化された通信インフラストラクチャー

カラム・オーガナイズ表への進展

Db2 バージョン 11.1 では、 BLU Acceleration コア・テクノロジーに対する大幅な機能拡張が導入されています。 それらの機能拡張には、ネスト・ループ結合 (NLJN) サポート、拡張された脱相関方式、SQL MERGE の高速化、メモリー管理の機能拡張、SIMD の再度の改善、業界最高レベルの並列ソート、SQL 並列処理の向上が含まれます。 業界最高レベルの並列ソート・アルゴリズムは、 IBM TJ Watson™ Research 部門の最新のイノベーションを活用します。 この並列ソートでは、圧縮データとエンコード・データのソートが可能な優れた並列性を備えた高速基数ソート方式が採用されています。 それらの機能拡張を組み合わせることにより、BLU Acceleration のパフォーマンスを 2 倍に高めることができます。

BLU Acceleration により、 IBM PureData® System for Analyticsとの SQL 互換性を含む、より豊富な機能と互換性による SQL の拡張も追加されました。 これにより、データベース内の深い分析、 PureData System for Analyticsの分析機能、幅広い行、新しいデータ・タイプ、論理文字サポート、改善された PostgreSQL 互換性、および Db2 バージョン 11.1に組み込まれているさまざまな追加 SQL 機能に対応するネイティブのカラムナ・オンライン分析処理が可能になります。

その他の機能拡張としては、IDENTITY および EXPRESSION 生成列での BLU Acceleration のサポート、カラム・オーガナイズ表でのヨーロッパ言語のサポートおよび NOT LOGGED INITIALLY のサポートが含まれます。

エンタープライズ暗号鍵管理

Db2 バージョン 11.1 は、鍵管理の業界標準である Key Management Interoperability Protocol (KMIP) 1.1を使用して、ネイティブ暗号化をローカル鍵ストアからエンタープライズ・レベルに拡張します。 この Db2 製品では外部鍵管理機能をサポートしているため、ユーザーは、承認された外部の管理機能を使用して鍵ストアを管理することができます。 また、さまざまな HSM オプションをユーザーに提供するために、Enterprise Key Management を介したハードウェア・セキュリティー・モジュール (HSM) も Db2 バージョン 11.1 と統合されました。

IBM Db2 pureScale Feature の機能拡張

バージョン 11.1Db2 pureScale® Feature は、簡素化されたインストールとデプロイメントのプロセスを提供します。 ユーザーがインストール・プロセスを開始してから数時間のうちに稼働状態になります。 これは他のクラスター・データベースと比較して、ユーザーにとってかなり大きな利点となります。 Db2 バージョン 11.1を使用すると、 Db2 pureScale Feature のインストール・プロセスの多くが簡素化され、ホスト間でよりスマートなデフォルト、直感的なオプション、および並列で迅速なデプロイメント前検証が行われます。 インストールおよびデプロイメントに対する追加の改善点として、 Db2 サーバーへの GPFS レプリケーションのインストールのステップバイステップ・プロセスの削減、およびクリーン・リスタートのクリーン・ロールバックのサポートによる、中止されたインストールまたは部分インストールの回復力の向上があります。

Db2 バージョン 11.1では、 Db2 pureScale Feature の資料が改善され、読みやすくなりました。ストレージの事前チェック機能が強化され、ファームウェア・ライブラリーを手動で検証する必要がなくなり、ユーザー・インターフェースが改善されました (より直感的で使いやすいエラー・メッセージや警告メッセージなど)。

Db2 バージョン 11.1では、 Db2 pureScale Feature が拡張され、ゼロ・データ損失災害時リカバリー・ソリューション、Power ® Linux® リトル・エンディアン (LE) サポート、 Linux 仮想化サポート (x86) を同期 (SYNC) およびほぼ同期 (NEARSYNC) HADR サポートを提供するようになりました。 Text Search は、 Db2 pureScale 環境でサポートされ、パフォーマンス・モニターと問題判別が改善され、クラスター・ヘルス・チェックが強化されました。

詳しくは、 Db2 pureScale Feature の機能拡張 を参照してください。

極端なスケールの環境での管理の容易性およびパフォーマンスの機能拡張

Db2 バージョン 11.1 では、データベース (VLDB) のサイズが非常に大きく、ユーザー数が極端に多い環境を対象とする機能拡張が追加されています。 利用可能な VLDB 機能拡張としては、最近参照したページや頻繁に参照するページのための並行性およびスケーラビリティー、トランザクション・スループット向上のための機能、そしてデータ・パーティション・レベルでのオンライン表再編成実行機能が含まれます。

アップグレードの機能拡張

Db2 バージョン 11.1 を使用すると、ユーザーは最新の Db2 データベース製品に簡単にアップグレードできます。 例えば、ユーザーは、バージョン 9.7 からバージョン 10.1 やバージョン 10.5 などの別のバージョンを経由することなく、直接にアップグレードすることが可能になりました。

さらに、 Db2 バージョン 11.1 では、単一パーティションの Db2 Enterprise Server Edition および Db2 pureScale ユーザーが Db2 バージョン 10.5 フィックスパック 7 以降からアップグレードする場合に、データベース・バージョンのアップグレードを通じてロールフォワードする機能が導入されています。 そのような構成の場合、データベース・アップグレードをまたぐロールフォワードが関係するリカバリー手順が用意されたため、ユーザーは、アップグレードの前後に既存のデータベースのオフライン・バックアップを実行する必要がなくなりました。

単一パーティションの Db2 Enterprise Server Edition ユーザーが Db2 バージョン 10.5 フィックスパック 7 以降からアップグレードする場合、1 次データベースでアップグレードを実行した後にスタンバイ・データベースを再初期化することなく、高可用性災害時リカバリー (HADR) 環境をアップグレードできるようになりました。

Db2 pureScale ユーザーが Db2 バージョン 10.5 フィックスパック 9 以降からアップグレードする場合、1 次データベースでアップグレードを実行した後にスタンバイ・データベースを再初期化することなく、高可用性災害時リカバリー (HADR) 環境をアップグレードできるようになりました。

フェデレーションの機能拡張

Db2 バージョン 11.1 は、接続性と統合性を向上させる拡張フェデレーテッド・システムを特長としています。 同種レプリケーションの統合サポートが導入され、それ以前に別個のフェデレーション・インストールがあれば、それらを単一のインストールに置き換えることができます。また、Db2 データベース製品または Infosphere Federation Server のいずれかからアップグレードする機能もサポートされています。

追加の機能拡張には、 Db2、次世代 PureData System for Analytics (PDA)、 Db2 Warehouse、 BigSQL、およびその他のビッグデータ・ソースを含むさまざまな製品間の接続性を向上させる追加ラッパーが含まれます。

IBM Direct Standard Edition および Advanced Edition

Db2 バージョン 11.1 では、ハイブリッド・クラウド・デプロイメントを可能にする IBM Direct Standard Edition および IBM Direct Advanced Edition が導入されました。 どちらのエディションも、最大限柔軟にライセンスを交付できるように新しいサブスクリプション・モデルをサポートしています。 このモデルは、プログラムで使用する仮想プロセッサー・コア (VPC) の数に基づくものです。

IBM Direct Standard Edition および Advanced Edition のサブスクリプションと料金設定について詳しくは、 IBM Direct Standard Edition および Advanced Edition のライセンス交付を受ける仮想プロセッサー・コア (VPC) の数の決定 を参照してください。