モニター・エレメントの収集レベル

モニター・エレメントの モニター・エレメント収集レベル は、そのエレメントのデータを収集するために設定がアクティブになっている必要がある場合に、その設定を参照します。 多くのモニター・エレメントでは、構成パラメーター、ワークロード管理オブジェクトの定義に使用する DDL 内の節、またはその両方の組み合わせによって、データ収集を制御します。

収集レベルの設定

データベース構成パラメーターを使用して収集レベルを設定すると、特定のクラスのモニター・エレメントに関するデフォルトの収集レベルが、データベース全体に対して設定されます。 例えば、構成パラメーター mon_req_metrics を BASE に設定すると、データベースで実行されるすべてのエージェントに関して、要求メトリックが収集されることになります。 要求メトリックとアクティビティー・メトリック、およびセクション actuals モニター・エレメントについては、データベース全体に対して使用するレベルとは別の収集レベルを、特定の WLM オブジェクトに対して指定することもできます。 このように、特定のモニター・エレメントの有効収集レベル は、エレメントを収集する各範囲において、そのエレメントに指定されている最大範囲 (最高位) の収集レベルを適用することによって決定されます。 さまざまなコレクション・スコープが一緒に機能する方法の例については、「 」というタイトルのセクションを参照してください。

ほとんどのモニター・エレメントを説明するトピックに、収集レベルを記載しています。 (スナップショット・インターフェースから戻されるモニター・エレメントの場合は、収集レベルではなくモニター・スイッチを記載しています。) 例えば、 表 1 に、モニター・エレメント skipped_prefetch_data_p_readsを返すインターフェースと、このエレメントのデータを収集するためにアクティブにする必要があるモニター・エレメント収集レベルを示す表を示します。

ほとんどのトピックには、そのトピックで説明するモニター・エレメントに関して、そのモニター・エレメントを戻すインターフェースと、そのデータ収集に必要な最低収集レベルを示す、このような表が含まれています。
モニター・エレメントのリファレンス・トピックに記載している収集レベルは、 以下のとおりです。
常に収集される
このモニター・エレメントのデータは常に収集されます。この情報の収集を制御する構成パラメーターや SQL ステートメント・オプションはありません。
DATA OBJECT METRICS BASEDATA OBJECT METRICS EXTENDED
この収集レベルのモニター・エレメントは、データベース構成パラメーター mon_obj_metrics が BASE または EXTENDED に設定された場合に収集されます。 mon_obj_metrics が NONE に設定されると、データは収集されません。
REQUEST METRICS BASEREQUEST METRICS EXTENDED
この収集レベルのモニター・エレメントは、有効収集レベルが BASE または EXTENDED に設定された場合に収集されます。 要求メトリックの有効収集レベルは、データベース構成パラメーター mon_req_metrics の現行設定値と、WLM サービス・スーパークラスの COLLECT REQUEST METRICS 節に指定された設定値を検査した上で決定されます。
ACTIVITY METRICS BASEACTIVITY METRICS EXTENDED
この収集レベルのモニター・エレメントは、有効収集レベルが BASE または EXTENDED に設定された場合に収集されます。 アクティビティー・メトリックの有効収集レベルは、データベース構成パラメーター mon_act_metrics の現行設定値と、WLM ワークロードの COLLECT ACTIVITY METRICS 節に指定された設定値を検査した上で決定されます。
セクション ACTUALS BASE
この収集レベルのモニター・エレメントは、有効収集レベルが BASE に設定された場合に収集されます。 セクション実行時統計の有効収集レベルは、データベース構成パラメーター section_actuals の現行設定値と、以下の項目の設定値を検査した上で決定されます。
  • CREATE または ALTER WORKLOAD、CREATE または ALTER WORK ACTION SET、あるいは CREATE または ALTER SERVICE CLASS ステートメントの一部としての INCLUDE ACTUALS 節。
  • WLM_SET_CONN_ENV ルーチンでの <collectsectionactuals> 設定。
COLLECT AGGREGATE ACTIVITY DATACOLLECT AGGREGATE REQUEST DATA
この収集レベルのモニター・エレメントが収集されるのは、節 COLLECT AGGREGATE ACTIVITY DATA または COLLECT AGGREGATE REQUEST DATA が、特定のタイプの WLM オブジェクトの CREATE または ALTER ステートメントの一部として含まれている場合です。
一部のエレメントは「適用外。フォーマット機能への入力として提供される XML 文書内のエレメントを報告します」としてマークされています。 この場合は、既に収集済みのイベント・データの出力を単にフォーマットする関数から、エレメントが戻されます。

例 1: データベース全体に対してはデフォルトの収集レベル NONE を、特定のサービス・スーパークラスに対しては EXTENDED を指定する。
この例では、データベース全体に対しては (ここでは要求メトリック・モニター・エレメントについて) 収集レベル NONE を指定しますが、 あるサービス・スーパークラスで実行されるエージェントに関しては EXTENDED メトリックを収集する方法を示します。

データベースで実行されるエージェント全体に関して要求メトリックの収集を無効にするが、特定のサービス・スーパークラスに関しては拡張メトリックを収集する場合、以下の手順を実行します。

  1. 以下のコマンドを実行して、データベース全体に対して要求メトリックの収集レベルを NONE に設定します。
    DB2 UPDATE DB CFG FOR database-name USING MON_REQ_METRICS NONE
  2. 以下のステートメントを実行して、要求メトリックを収集するサービス・スーパークラスへの変更を行います。
    ALTER SERVICE CLASS service-class-name COLLECT REQUEST METRICS EXTENDED

結果: service-class-name という名前のサービス・スーパークラスで実行されるすべてのエージェントに関して、要求メトリックが収集されます。 このサービス・スーパークラス以外で実行されるエージェントに関しては、要求メトリックは収集されません。

例 2: データベース全体に対してデフォルトの収集レベル EXTENDED を指定する。
この例では、最大範囲の収集レベルが、モニター・エレメント・データの収集に適用されたために、意図したであろう結果とは異なる結果となるケースを示します。
  • 以下のコマンドを使用して、データベースで実行されるすべてのアクティビティーに関して、アクティビティー・メトリックをキャプチャーするように指定します。
    DB2 UPDATE DB CFG FOR database-name USING MON_ACT_METRICS EXTENDED
  • アクティビティー・メトリックを収集しないように、ある WLM ワークロードを変更します。
    ALTER WORKLOAD workload-name COLLECT ACTIVITY METRICS NONE

結果: ワークロード workload-name の一部として実行されるエージェントを含め、データベースで実行されるすべてのエージェントに関してアクティビティー・メトリックが収集されます。 この場合、有効収集レベルは、mon_act_metrics 構成パラメーターによって、データベース全体に対して指定された広い方の範囲の収集レベル (EXTENDED) に決定されます。